2015年10月29日
過去最高の手間を掛けた裏地を再び。
以前、帯の裏地に製作していた『パズル柄』。
表3柄ほどの裏地に使っていました。それ以降、使っていません。もちろん、忘れていたわけではなくて、配色の大変さに手間取り、満足できたのが3柄分、そういうことです。今回登場したのは、先日久しぶりに裏無地見本帳をざーっと整理しているときに、『そうそう、この柄は作るのがホント大変だった。』と手を止めたことにあります。
ちなみに、通常の紹巴織が3色の糸で地色を構成しているところに、この意匠の場合、6色緯糸を織り込み(太さは半分なので重量は同じ)、柄と色を作る帯です。表に出る色は選択できますので、たとえば、一番表面に出る色を『白』他の5色は下に潜ませる。通常は、表に出るのは『オフホワイト』。
そんな配色ができるはずですが、このパズル柄の場合は、他の色が作用して、茶になったり緑になったと、今までの経験とは違うパターンで色が混ざり合って表にでてきます。すべては6色の組み合わせで決まりますので、それを試験、チェック、組み替えて、再チェック一つずつしていかないと、本番では使えない、そんな織組織です。
紋を作る際も、その辺りを予測しながら製作しますし、紋作りから配色、反物として織り上がるまでは、過去最高の時間を掛けて作った裏無地となりそうです。賞があれば、間違いなく一等賞です。
そんな風に思いましたので、再度リメイクして、次に作る新しい帯シリーズに活用できるか?検討しています。さらにややこしくなりますが、紬を通して織って面白いかもしれません。
ほかには小物としても面白いかも・・・。