2015年12月01日
数寄屋袋にも新しいモノを足したい。
『左;しぼ織、右;雲龍』
帯地を使った数寄屋袋。帯のクセ見ながら、柄も合わせながらと革と縫製して製作しますので、なかなか上がってきませんが、ちょこちょこ作ってはWebやショールームに並べています。使われている方からは一様に良い評判を頂いています。とても有難いのがお会いする度に、『(鞄から出して)ほらほら。』と見せて頂けるところ。これは不思議と全国的で、周りから見るとすこし奇妙かもしれませんが、普段使いとして日常生活の中に入っている帯地を見れて、とても嬉しいです。
このモノづくりは『帯を違う用途として見る』ことが必要なので、脳みその切り替えが必要です。ただ上手くやり切った時は、そのまま普段のモノづくりにも役に立ちます。最近没頭していたクラッチづくりも同じです。今から作ろうとしている帯シリーズのベースとなりそうです。
ちなみに、脳みその切り替えと言うのは・・・。通常図案から始まるモノづくりは経糸と緯糸の関係性を発色や柄の表現を重視します。切り替えた後は、たとえば、帯とは違う用途なので擦れに対する耐久性だったり、直接手に持つことが多いので風合いにいつも以上気を払ったり・・・。意匠の大きさもお太鼓のサイズに限らないので、そこにも意識をする。そんなことです。
『勿体無い。』と思われる膨大な数の試行錯誤をしますので、そこからちょっとチョイスして通常のモノづくりへ移行するだけでも、一風変わった帯になったりします。費用対効果は置いておいて(苦笑)そんな役に立ってくれてもいます。
前置きは長くなりましたが、今は帯地選びをしています。前回人気だった『しぼ織』も良かったですし、紹巴の紬も良さそうですし、クラッチと同シリーズということで同じ帯地を使っても・・・。