2015年12月04日
やっぱり本仕立ての帯はイイ。
袋帯は丸巻きの状態で織り上がり⇒裏無地と合わせて仮仕立て⇒帯芯を入れて本仕立、結びます。
そのため、普段わたしたちが目にする回数が多いのは、丸巻き状態の帯もしくは仮仕立ての帯です。
丸巻きから仮仕立てへは、反物が帯の形になるので、大幅に形状は変わります。その後の仮仕立てからの本仕立てへは、すでに帯の形をしているので、あまり変化が無いように思います。
が、やはり最終の検品を通過し、帯芯が入っていつでも結べる状態の『帯』になると、印象がガラッと変わります。『女性(男性)は、きものを着る女っぷり(男っぷり)が何割も上がる。』とたまに聞くことがありますが、この帯の仕立ても同じ。主観ですが1.5倍くらい良くなります。このことは色んな所で書いたり言ったりしています。
今回は、この『唐長輪宝文様』の本仕立てが上がってきました。
先ほど、この帯を何度見られたことのある方(社内スタッフでありませんよ)が、『わぁ〜。』と感嘆の声を上げられていました。何度か見ていた帯だからこそ、仕立て前と後の変化に気が付かれたのかもしれません。ちなみに、この帯に関しては地の糸、茶とブルの糸の綴じ方を変えています。仮仕立ての前でもその差は分かるのですが、芯が入ることで内から外へ糸が押し出されるようにして、隆起がクッキリ感じらる様になりました。わぁ〜の気持ち、分かります。
なかなか本仕立て後の帯を展示場に陳列することは少ないので、あまりこの面での感動は感じてもらえません。個人的には、少しだけでもそうした使う直前にこれだけ帯が変わるよ。と感じて頂ける様な工夫をしたいなぁと思っています。そのためには色々とやれば面白いこと、沢山考えがありますので、ちょこちょこ実施していますね。楽しみにしていて下さい。