2015年12月13日
ブログにもふわふわバッグ登場
数年前、最初作るのは一回・1ロットだけのつもりで製作した『ふわふわバッグ』。
そう言いつつ、随分経っています。商売だけのことを考えると、例えばうちがメーカでなはくて、生地を仕入れて作る問屋であった場合、おそらく一番作りたくないバッグの一つです。帯で作る場合、一つ目は単純に生地を大量に使うこと。上下左右の無い全通の帯であれば、製作できるのは4つくらい。二つ目は帯巾はギリギリまで使うこと。特に紹巴織は、かがり縫いなので帯巾約31cm。この巾が偶然にもこのふわふわバッグをつくる際、限界に近い数値です。もし、織りの段階で巾に異常が出た場合、生地全部が使えなくなります。そんなことから避けたがる形です。
他の織物は多少広いので、巾の問題に関しては何とかなります。(紹巴織の強みである、高度な職人技がかえって裏目に出るのが、面白いといえば面白いですね。)
帯地を裁断する前に柄を決める、撥水の加工を施す、そして縫製と、仕上がりまで発注を掛けてから、早くても2カ月、お正月休みもありますので、実際には3月から遅くても4月前半くらいには上がってくる。今の時代だと、すこし気の長い仕事です(大体年2回の発注しかかしません。)。
作った当初は人気があり、じわじわ。そんな感じでした最近は、取材依頼やFacebookにUPしても評判が良いので、嬉しいです。
バッグの形によって、発注する回数時期が変わります。一度発注を掛けても、時間も掛かります。社内で生地探しは、必要となったとき、用意ドンで探すと、そういう時に限って作りたい、使いたい帯地は少ないことが多いです。また、時間も掛かって、結果とんでもなく、必要とする時期時期がズレてしまいます。今でもそういう傾向がつよいため、仕事の合間や並行して『あ、この帯地は絶対、ふわふわバッグに使える!』となれば、柄を写真に撮ったり、柄番を控え、目をつけておく必要があります。
バッグ作りだけではありませんが、このように何かに目を付ける、付けたら何時でも使えるように仕分けしておく。それが自分たちにとって、細いけど大事な仕事の一つです。
ただいま、こんな感じの生地で予定中です。