2015年12月21日
名古屋帯。来年への備忘録。
これから本格的に作るシリーズの一部は名古屋帯の割合が高いモノも視野に入れています。その土台として、今までの織組織/名古屋帯を使って仕立も含め、細部のチェックを行っています。試験の要素が強いので、柄の一つにはやっぱり南蛮七宝文様が入っています。
【南蛮七宝文様/九寸名古屋帯/紹巴紬】
試験と言っても、中心は単純に結ぶこと。結びにくいや重量面に問題があった場合、もしもベテランに結んで頂くすると結ぶ技術や経験でカバーされ、たいへん有難いですが、試験なので困ります。そのため、結び心地、生地具合、仕立ての可否を確かめるため、着物は着慣れているけど、どちらかと言えば名古屋帯が得意でない方にお願いしています。帯留めを入れてみたり、結び心地とはあまり関係のないことも、様々。(ちなみに、この帯留めは漆を重ねって作った檸檬です。素朴さがいい味を出していました。)
この試験が終わると、解いた(仕立て済み)帯の雰囲気を見ながら、その場聞いた意見、見た雰囲気・感覚を交えて、これから作る意匠・紋づくりを行っていきます。ただ、今から手を付けてしまうと、確実に年を跨ぐ ⇒ 記憶が薄れる ⇒ 勝手に改変 ⇒ 当初意図とズレる ⇒結果、いい方向に行くことが少ない。と今まではそうでしたので、ここで一旦止めたいと思います。多少、生々しさは薄れますが、できる限り多くの事を記録(写真を中心にメモ)で残しておきます。
また、実際に紋づくりを行わなくても、製作予定の図案を検討することができますので、設計部分の余計なことを考えず、集中して、できるモノづくりを進めていきたいと思います。年末は静かに籠もりたいなぁと、でも余計なことしそうだなぁと、まだまだそこまで日はありますが、今から年明けを楽しみにしています(笑)。