2016年01月22日
順番待ちの織物。
業界一般的に見て、帯を織れる職人さんがずっと減り続けています。
それにつれて、生産数自体が減り、織れない織物が出てきたりもしていますので、以前と同じことをするのが簡単ではありません。となみでも、織り手が少なく直ぐには織れない場合、技術的にその方しか織れない様な織組織、素材の問題等々、モノづくりの環境は良いとは言えません。それでも周りを見ると、相当良い方ではあります。
『(図案、意匠図が出来たものを)直ぐに織りたい。』おそらく誰がメーカーをやっても、その気持は間違いなく強く出ると思いますが、今は織組織によっては、機の空くのを待つ、そんな時間も必要になってきました。
その待ちが長い織物。社内には幾つかあり、時期によっても変わりますが、一年を通してそれが必要なのは、この本袋。
先日、唐長11代目の奥様に登場して頂いて、撮影を行った帯シリーズです。
Pin⇒https://jp.pinterest.com/senpukuya5/本袋/
【神坂雪佳の世界/海路】シリーズ/本袋
図案・意匠図を作り、目出しを織った段階で止まっていたモノ。となみ織物の中では一風変わった雰囲気です(目出し見ると特に)ので、早いこと帯一本で見たい。そう思っていた帯です。
(表)
(裏)
その順番が回ってきました。
写真の段階から配色を修正、その糸を準備して、本番を織るのを待ちわびていました。織る段になり改めて、その糸を見ると、やっぱりこっちの方が良いかな・・・とか、糸の太さはもう少し細くするか?、そんな迷いが出てくるのが目に見えています(今まで何度もありましたし・・・。)。その対処方法として、ここだけは拘らず、以前行った配色を信じて、そのまま行くことする。自分の多くないルールの中の一つを適用することにしています。
そうは言っても、仕上がりどうなるでしょう?