2016年03月02日
若手に向かって、自分に言っています。
『これで完璧。』と言ってみたいですが、モノづくりでそんなことはあり得ません。同じ様に見えるモノ、例えば以前製作した同柄の帯を織っていたとしても日々進化するように、意識してモノづくりしています。帯の場合、土台となる織組織は完璧に近いと感じても、ずっとそれを織り続けるとマンネリしていきますので、成功するか分からなくても、常に変化をさせるようにします。たとえば、無地だったら地紋を入れてみたり、緯糸の素材を変えたり、糸種が同じでも合わせる本数を増減させてみたり。
大きなモノづくりとは言えないまでも、上手く行った時は今まで無かった表現をすることができ、次のモノづくりの核の様なモノになることもあります。日々、この積み上げをする、できなくても意識してアンテナを張っておくことは、とても大事です。稀に、革命的なモノづくりが突然ポンとできることもありますが、うちで言えば『総紗縫』、できてもそれに気がつかないこともあるので、作ったままでなくて、それを使ったモノづくり、その後のメンテナンスが重要です。
これは帯の話ですが、おそらく着物も小物もそう変わりません。そう思っていますので、今日は若手とそんな話をしながら、まずは問題意識の発見として、草履の重量を測ってみました(笑)。
となみさんの草履はちょっと重いな、反対にちょっと軽いな、と両方言われたことがありますが、これが重くても軽くても、これを元に何か進化させる気付きが、今日でてきました。漠然意識ではありますが、小物一つとっても、できるか分からない状態でも、何か変化が起こせないか?常に意識して、より良い面白いものを作ろう!疲れていたり、物凄く売れていたり(苦笑)するとついつい忘れがちですが、とても大事ですね。