2016年03月22日
伝える方法の一つ。
京都の桜はもうちょっと。蕾が膨らんで、色も少々ピンクに。
その蕾のピンクを受けて心なしか枝全体も、木⇒山全体もピンクになり始めたような気がします。京都は盆地だけにこの季節からしばらくは周りの空気もそれにつれて薄いピンクに。その結果、ここで毎日とくに何も意識せず自然に生活していると、どうしても作る帯の色目が、そちらへ引っ張られ、ピンクや淡い白へ寄って行きます。
現在、作っているものを発表する時期は『夏』以降。そうなると、この流れにすべて身を任せ、流されてしまうわけに行きませんが、頑張ってハンドル操作をして、夏色の中にわかない程度のほんの少し春色を加えてやると、春の持つ柔らかさと夏の持つ切れ味の良い色味、相反するようなモノが、仲良く立ってくれることもあります。
いつも期待できるほどの可能性は高くないですが、この時期限定で、やってみる価値のある配色です。
その時期がそろそろ来そうです。
帯で使うのは、ほとんど原色はなく、中間色のさらに中間みたいな色です。Web上モニター上で表現するのには、不適当。本当に難しいです。また、カメラで撮ったままのモノを修正して、実際のものに近づけようとすると、なんとなく不自然になりますし、全く触らないというのも(よっぽどのことがない限り)ちょっと居心地が悪くなります。
今回は、そのことを少しだけでも改善してくれそうなことがありました。
ひょんなことから、ある企業から撮影の素材として帯を提供して欲しい。そんな話があり、その縁でライトを借り、撮影用として使用してみました。
『南蛮七宝文様/ダックジュエル利休』
こういう時は使用前使用後で比較すべきだったんでしょうが、思っていたよりも、随分自分の目でみた色に近い色が出ました。UP用を比較してしまうと、僅かですが、元のデータでは意外なほど違って見えます、
前述のように、撮影後UPするためには、全く触らないわけには行かないので、そうした場合、どうなるのか?光量が足りないので、そこを修正した場合は?等々、今後m,さらに検討して行ければと考えています。
元にあるものよりもよく見せる必要は全くありませんが、実物に近い色、質感が出せるように、できればモノづくりの空気が伝えれるように、そうする努力も必要だな、と思います。
となみ織物的には一番苦手なところですが、これも一歩ずつ進んでいきたいです。