となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

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2016年04月04日

2016年 曇空の桜

 

京都市内は桜がちょうど満開。わざわざ観光気分で、桜を楽しみたい気分もありながら、まずは身近なところで(車をちょっと降りて歩くくらいのところで)、観賞してきました。ここ数年は、綺麗な青い空に淡いピンクの花の組み合わせ(もしくは夜桜)がばかりでしたが、今年に関しては曇りの中に淡い花。

 

桜の色と枝や幹の【濃い色】が効き色、堤防の緑も含めて、全体で春を感じることができました。

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着物の世界では一番の定番と言ってよい『桜』ですが、自分の中での『桜』というと、まずパッと思い浮かべるのは、帯ではなくて(苦笑)この帯揚げが自然に出てきます。

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この帯揚げ(一番上のモノ)は、色目は元々からかみであったものを、着物との相性を考えて、微修正したものです。配色をしながら、自分のイメージとしては、ほんの僅かにガス状になった雲の白が入った、綺麗な青空、それに映える桜の花びら。そんな二色を使って作りました。


文字や言葉で『桜』を考えると、(枝付きの)桜そのものの意匠を、特に帯を思い浮かべます。ただ、実際の桜を目にして思い浮かべるものは、どんな桜・桜した意匠よりも、まずこの南蛮七宝の帯揚げの方が、先にフッと頭をよぎっていきます。

 

この日見た桜は、今までの青空の下とは違っていましたので、もっと曇空の下をイメージする。空全体は曇っていても、ところどころ少し明る射すグレーに、少しくすんだ淡いピンク。そんな色みを作ってみたいと思いました。すこしでも気を抜いて上げてしまうと、相当地味な組み合わせですが、そうならないようにピンク色に赤みが綺麗に入ると、他には出せない配色ができそうです。全然上がってこない帯揚げではありますので、配色はじっくりと時間を掛けて作りたいです。

 

 

 

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