2016年05月04日
CandyCircus3 お太鼓の意匠図です。
まずは、お太鼓の見通しのついた意匠図。
銅版画作家の舟田潤子さんとのコラボレーション、『CandyCircus』、苦戦中の三柄目(この柄よりも先に四柄目が先に完成しそうです。苦笑)
写真は意匠図の写しです。
紋屋さんとの打ち合わせの際に、ここに色々と書き込んで、織り上がりのイメージをお互い擦り合わせて行きます。モノづくり若手が一番失敗し易いのは、このすぐ隣に帯や意匠図の元となる図案を置かないこと。慣れてしまうと、なんとなく意匠図の写しで図案の代わりにもなりそう(実際色も近づけて出すので)ですが、それが間違いの元。
経験を積むほど、手元には必ず図案を置いて、打ち合わせ、モノづくりに挑みます。
そうするのは作る人によって、いろんな理由はあると思います。自分の場合は①作り慣れたやり方にしてしまわないこと=織り易いモノにしてしまうこと、②イメージが膨らみすぎて、手を加え過ぎないこと、③出来上がりの帯に、極力作家さんの空気感を纏わせること、を意識しています。
今回もこの3つは、もちろん同じで、図案は横に置きながら、にらめっこしています。いつもと違うのは、何倍も時間が掛かっていること(苦笑)。となみ織物では一番緻密に織れる紹巴織ですが、それでも今回に関しては相当沢山の色を一つずつ取捨選択をしています。また糸同士を混ぜて(例えば、白と黒でグレー)作る色も、作品の中から色を抜いて、紋図の中で出来上がる色が発色的に使えるか?を検討していきます。今回は結果として、実際に通す色数は増えたのに、目に見える色は減りそうな、珍しいモノづくりになっています。これからは、修正、試し織、また検討、修正を繰り返しです。
今のところ、お太鼓の意匠図段階で、お腹、その他の部分と、完成するのが怖いような楽しみなような、面白いものづくりをさせてもらっています。
糸を入れる配色で修正できることも多いので、意匠図を見て、休み明け配色していくのをイメージしています。大変は大変ですが、これで良い帯になって、『この帯だったら着物を着て、ワクワクして外へ出ていけそう!』そんな風に思ってもらえるように。最後の詰め頑張ります〜。