2016年05月18日
織物の色について・・・。
織物は、経と緯の糸だけで柄を織り成しますが、多くの種類の織組織があり、その違いで同じ色を使っていても、発色は変わります。経が主に織物の表面に出る、または緯糸が・・・、の違いでも発色は全く異なってきます。また糸を筬で打つ密度(打ち込み)によっても、変わってきます。
自分たちが行う主たるモノづくりは、図案を見ながらの意匠図作りです。帯づくりの要素は、色・柄・組織。
その主な部分がこの意匠図づくりで、決まっていきます。ですので、この後の工程・意匠図を見ながらの『配色』段階では、多少の修正はできても、意匠図の後悔や失敗はなかなか取り戻すことは難しいです。
まあ大成功の部類に入るくらい上手く行っても、出来上がってから『こうしてればよかった〜。う~ん。』ということはいつもですが・・・(笑)
参照:意匠図/百人一首(FB記事へ)
たとえば、現在シリーズを作らせてもらっている『CandyCircus』の帯。
元となる作品の色はそのままを織物で出すのは、ほぼ不可能なので沢山の色を意匠図段階で混ぜに混ぜ、作り出しています。遠くで見るとそう感じなくても、近くによると、目で見える色とは少し違う色が重なり合って、一つの色を作り出していることが良くわかります。
この帯を作る際には、今までやって来なかったことを試していて(輪郭にもなっている、黒緯部分)それがこの帯の特長にもなっています。この帯は8月に発表予定で、まだ実際の評判をそこまでは聞いていませんが、細部がどうのよりも全体の帯に漂う雰囲気に今まで異なる感じを受けられる方がおられます。
色を作ろうと考えてやったことが、全体の雰囲気も左右していく。まずの第一印象は、色に目が行くと思いますし、織組織的なモノづくりとともに、その辺りも意識して自分自身がハマっていきたいところです。
昨日は色について考えさせられるモノを見続けることができましたでの、今日改めて意匠図と織り上がりの帯を見ながら、後悔じゃない、前向きな反省をしています。この辺りがモノづくりの楽しいところですね。ホントに。
タグ: CandyCircus , 意匠図 , 配色