2016年06月03日
人気になりつつある、総紗縫の縞。
最近人気の『総紗縫の縞』。
昨日、FB上に着姿をUPしていましたが、写真でもやっぱり皆さんから良い評判を頂いています。
帯の製織からすると、通常(西陣の場合)経糸は一色の無地(下記写真の様に)が多いです。
柄や色は緯糸(横糸)で織り成します。
例外的に、となみでも1200経錦(リンク)や二重織がありますが、だいたい西陣はそんな感じです。
だから、一つの経糸で沢山の柄を織ることができます。反対に縞柄の場合、経糸の段階で色糸を縞になる様に並べて作ります。
そのため、一つの経糸からは基本的に一つの縞柄しか織れず、その経糸が機に掛かっている時は、基本的にそれを織り続けることになります。
総紗縫の場合、またもう一つ山があります。それは製織段階で総紗縫独自の繊細なバランスを考える必要があります(細かさや糸同士の綟りなど)。そのため、少しのバランスが崩れるとキズになりやすく、そのほとんどが致命的なモノで、商品にはなりません。経糸を縞にすると、そのバランスがホンの僅かにくるってしまうので、織る段階でまた問題を抱えてしまうことになります。そういうこともあり(そこまでしても、あまり注目されていない縞柄は避ける傾向に)、柄数は増えていませんでした。
ただ、最近は総紗縫2本目、もしくは三本目を持とうと言って下さる方が増えてきてきました。その時『次は雰囲気の変わったモノを・・・。』と言われ、ほそぼそと作っていた(笑)縞に注目が集まっています。
いつもよりも気を払わなくてはいけない、総紗縫の縞。周りの雰囲気で新しい柄も起こされようとしていますので、自分ももう一度触れようかな・・・。それとも『5年後の総紗縫』のモノづくりとお題を立てて、違う表現方法で、新しい魅力を探そうかなぁ、と考えています。