となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業 > 要勇気の着物

2016年08月08日

要勇気の着物

織物は経糸と横糸(緯糸)で柄を織ります。通常その両者の色が入り混じり、織組織などの様々な関係性によって、目に入る色(配色)が決まります。また織物の性質上、緯糸は変更し易く(杼を変える)、経糸は変更し難いものです(一度機に掛けた経糸を替える場合、基本的に裁断することになる)。

帯も着物も基本的に同じ。そのため『経錦』などの経の配色でほとんど全ての色が決まる場合は、経糸と心中するつもりでやります。変わった色目のモノづくりの場合、配色を考えた後、それを実行する場合、要勇気!です(笑)。帯よりも要尺の長い着物の場合、さらにもっと勇気が必要です。今回は、その勇気を出して(苦笑)制作した『仙福屋の御召』が織り上がっていますので、紹介します。

DSCF3758.jpg
『仙福屋の御召/となみブルー』


こんなモノづくりの場合、勇気は要りますが、その反面、通常の着尺経糸にはある程度汎用性のある色を使います。例えば、薄い地色の着物であれば、淡い生成り色やオフホワイトの経糸。その色が製織時に、緯糸と一緒になることで、(ある程度は計算できますが)柔らかな奥行きのある中間色に仕上がりますし、ある意味それを狙っています。

写真の着物はそのモノづくりとは異なって、経糸に『となみブルー』を染めて使っています。もし失敗してしまうと、全部青みが強烈に入った、こちらの想像とは大きく違った反物・・・。になってしまうので、上記に要勇気と書きましたが、まさにそのモノづくりでした。まだ、ほんの一部の方の評判しか聞けていませんが・・・、物凄く良い評判です(笑)。

ただ、こういう時に限って、リスクを考え、出来る限り経糸を小さく、織れる本数が少ない経糸で織ったりしています。モノづくりって色んな意味で難しいですね(苦笑)。

Instagram

tonamiorimono

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...