2016年10月06日
総紗縫→総紗縫の日傘へ
総紗縫ほどある意味織りにくい織物はないかもしれません。
綟織を使って年中結べる。しかも軽くて、絹の復元力もあるし・・・、
そんな織組織の帯はなかなかありません。
マネをしようと、あの手この手でチャレンジされた話を聞きますが、
(相当悪質な手口も聞きも見もしました。 これは笑えません・・・)
それでもコピーされにくい、自信のある織物です。
そんな総紗縫は(織り上がるまでを除くと 苦笑)大変扱いやすい織物です。
帯だけでなく、小物の生地としても使っています。
たとえば、バッグ、草履の鼻緒。
これらのモノは他の織組織でも作れる場合もあります。総紗縫独自いうと、例えば、丸絎(まるぐけ)。
いま製作中の日傘に関しても、他の帯地で何とか無理に作れば別ですが、
見た目、持ったときのバランス、出来上がったときの雰囲気、自然に使いたくなる、
となると、この総紗縫以外にはなかなか思い当たりません。
この『総紗縫の日傘』。
以前はこの帯地のことを理解してくれていた傘職人さんもいはりました。が、今では引退されて、しばらく制作できていません。
その間していたのは、見本作ってはそこで止めの繰り返し。
えらく時間は掛かってしまいましたが、
今回、制作して頂く職人・工房は満足できるモノが作れそうだ。
とういうことで、これから制作に入ります、宣言を(嬉しくて)しておきたいと思います(笑)。
帯地は、総紗縫。
今までと同じく裏糸は避ける。
傘としての柄の組み合わせ方。
基本的に今までのモノづくり方針通りで進んでいくと思いますが、やはり
裏糸の限界はどこまでだったら良いんだろう?
帯地が無駄になっても(ホントはイヤですが)、贅沢な柄取りを極めたら、
仕上がりは、どんな風になるんだろう?
そんな疑問とモノづくりの限界には、少しずつ近づきたいと考えています。
ただ、最初からやり過ぎると、ただでさえ難しい総紗縫です、
そこで終わってしまいそうですから、
少しずつ・・・。
皆さんから要望を沢山頂いていますので、確実に進めていきます。