となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > じまん業 , 報告 > 伊調馨さんに国民栄誉賞受賞式典で結んで頂いた帯。

2016年10月26日

伊調馨さんに国民栄誉賞受賞式典で結んで頂いた帯。

タイトルの話が少し落ち着きましたので、
この帯について説明をしたいと思います。


14707887_1138503492853101_8436429992574806591_o.jpg
二重織/雪輪に桜、竹

しばらく、こういう話題性のある話題が少なかったためか、
一気に『どこの帯?知ってる?』話が、バーっと広がり、結構な数の問い合わせも。
Facebookでも相当な多くの方がアクセスしてくださいました)

副賞となった本袋と勘違いされたり(確かに、うちでも本袋は織っていますが)もして、
話が噛み合わなかったり、
そんな急に、数を織れるものでは無いのに、『なんで無いんだ。』的な話を頂いたり、と。
数日は結構凄いもんでした。

本当に、ありがとうございます。

基本的に、となみ織物では帯には個々、名前を付けることが少ないので、
早速この帯には『伊調さんの帯』と社内では呼ばれています(笑)。

ちなみに、通常スタッフ間では『織組織名』と『大まかな意匠の名前』、それでも思いつかない場合には、
加えて『地色』を言えば、ある程度絞れます(この辺りが新入社員との分岐点かも)。

今回であれば、『二重織で、雪輪と桜・竹。地色は淡いピンクの帯。』と言えば、
ほとんどのスタッフは絞ることができます。

さてさて、この帯の織組織である『二重織』。
今は織れる機自体もホントに少なくなりました。

すごい数の経糸(三重経・約8000本)を上下させて、
それらの色をベースに柄を織り成し、緯糸(横糸)で味付けをする、

基本的には、そんな織物です。
敢えて言うと似ている織物は、経錦。

大胆な柄やハッキリとした柄が得意な織物で、経糸を思いの通り染めることが
できていれば、絶妙な色を作りだすこともできます(←今回はコチラのパターン)

もちろん、良いことばかりではなくて、非常に本数の大きな経を使う織物ですので、
製織時、経の上下だけでも、家自体が振動することも・・・(機にも負担が掛かり長く織れない)。

意匠には奇をてらうことなく、ストレートな日本の文様である『桜・竹・雪輪・・・』。
過去、何万何十万柄に使用されてきたはずですが、長い年月、生き残ってきただけあって、
飽きのこない、柔らかさの中にも、力強い意匠になっています。

今回この帯に関しては、この様な説明をする間も無く(苦笑)、バタバタでしたので、
ここでこうやって書くことができ、機屋として嬉しいです。


こういう瞬間風速がビュンというようなことは、
そうそうありませんので、次はあまり期待せず(笑)、またコツコツ積み上げていきたいです。

それにしてもよくお似合いでしたね。

タグ: , , ,

Instagram

tonamiorimono

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...