2016年12月09日
唐長文様『南蛮七宝』のビロード
『わかりにくい』かもしれない。
というよりイメージが湧かない、との意見を頂き、
職人さんに、ビロードが『どう大変なのかがわかるモノ』を織って頂きました(笑)。
ビロードというと、憧れの着物の一つ。
仕立てず、丸巻きの状態でも特徴的なこのビロード。
昔ながらのやり方で織っている所は、ホンの僅か・・・。
そうじゃないのは、こういう感じで反物で見ると、大体わかります。
この織りを説明する際には『鉄線の様なモノを通して織り上げ、柄を強調さたい部分をカットする。
しかも手で一筋ごとに・・・。』的な説明をしています。
『絹の反物に鉄線ってなに?』と思われるかもしれませんので、写真を載せておくと、
鉄線部分はこんな感じです。
この鉄線を織り込むことで、経糸が鉄線の太さ分、余計に糸が取られます。
その鉄線を抜くと『輪っか』になります。→いわゆる輪奈織
鉄線を抜く前の輪っかを一筋ごとにカットすると・・・、
この様な感じで輪の先が花開いたようになります。
そして、全体を染料で染めると、このカットした部分が濃く見え、強調される、
ということになります。
通常の織物より、一手間どころか、二手間も三手間も掛けた織物です。
今まで、南蛮七宝文様で様々な織物、素材を試してきましたが、
これだけやっても、全然飽きず、余計に好きになる文様です。