となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『日記』

2007年11月27日

モノづくり

ただ今、

『伊藤若冲の世界』に没頭していました。

 

帯作りは、

図案を見て、紋を作って行きます。

元の図があるにしても、イメージを作らないと、

満足のいくモノができません(ハズしてしまいます)。

そこで、出来るだけイメージを作っていくために

世間にあるものすべて、見つかるだけ見ます。

そうすると、頭の中は『それ一色に』なります。

もちろん、

本物を見るのが、一番なのですが、

そうそうは出来ませんので、

昔見た本物をイメージしながら、

http://senpukuya5.seesaa.net/article/22549014.html 図案集など見ていきます(若冲は去年ですね)。

古本屋さんも、たまに貴重なモノ(廃版など)を

持ってきてもらったり、

自分の足で見に行くこともあります。

今製作している柄が、 相当趣向が変わった 調子になっているので、 イメージとかけ離れない様に、

図案とにらめっこしています。

伊藤若冲大全

 ↑これを見ていましたが、廃版?   

2007年11月26日

待ち遠しかった着物(帯も込む)

 

染めに出していて、

待ち遠しかった着物が上がってきました。

(御召です。。)

幅広

で、男物として織り上げたものです。

女性物は ↓

http://senpukuya5.seesaa.net/article/62052234.html  

色目は、茶色に見えますが、

実物は、黒に茶と青が混ざった色です。

合わせたのは、遠くにある薄地の角帯です。

待ち遠しさを写真で表現してみましたが、

柄すら分りにくいので、

もう少し近くへ‥‥

 

さらに近くへ‥‥

反対色でコーディネートしてみましたが、

どうでしょう?

まだ、仕立てには出していないので、

大人しく、

もう少し待っていることにします。

2007年11月25日

『うらも、おもても、ほそく』

『うらも、おもて』

うらも、おもて 紹巴 裏地 表地

同時期発表の『熊野古道』よりも、
少しだけ説明がいる帯です。

まず、『うらも、おもて』というのが、
タイトル兼テーマです。

この帯の特徴として、織りは紹巴織なのですが
となみ織物の『通常の紹巴』と異なり、

裏に渡る糸が少ないということがあります。
(場合によっては、全くない)

それによって、帯の裏と表、どちらも
好きな柄の中から、選択できる。

 ⇒裏も、表も区別が無い。

=『うらも、おもて』という帯になります。


簡単に上のように書きましたが、

袋帯の幅は、決まっています。


世間によくある普通の帯であれば、少し幅広く織り、
その後、広い部分を織りこみます(これが耳になります)。


そうすると、帯を結んだ際に、
耳の部分が何重にもなり、分厚くなる。


この帯シリーズは、
柄が込んだり、スッキリしたりと

様々な柄がありますが、
そのすべてを、
ほぼ帯幅に揃えます


そして、外かがり
をするので、みみがありません!

分厚くならないので、前から見た時も、お太鼓も
スッキリした着姿が出来上がる。


そんな
『魔法の帯』です。


となみの紹巴織りは、
すべてこの『魔法の帯』ですが、

今回は、どの柄を持ってきても、
ぴっちりと幅が合わせられる!


名前は、ひらがなでシンプルですが、
そんな
究極の職人技が無いと、出来ない

『うらも、おもて』という帯シリーズです。


柄は、大きい柄から、シンプルなもの、
色目も薄地から、濃い地、

特徴的な柄から、シンプルな空気のような柄まで、
幅広く、作り上げています。


今は、

『伊藤若冲の世界』

『唐長』

『神坂雪佳の世界』

『正倉院文様』

など、多岐にわたったものになりつつあります。


結び手も、
選ぶのが・結ぶのが楽しい帯だと思いますが、

作り手てが、
製作していても、楽しい帯シリーズの一つです。


余談ですが、

最初は、

『全部おもて』 『ぜんぶ、おもて』 『えらべる、おび』

などなど、色々なフレーズがあったのですが、


『うらも、おもて』という誰も主張しなかったものに、
決めてしまいました。


直観で、
惹きつけらるものがありました。。。

タグ: ,

2007年11月24日

とっておきの話。

堀川通りは、

イチョウの黄色が陽の光で、

金色に光っています。

そんな土曜日ですが、

『おっと書くのを忘れていました!』

ということがあります。

 

それは、 見てもらいたいモノです。  

この前、

発売された『きものサロン』に載っています。

(P.45です。)

 

  南蛮七宝の帯と着物。

『南蛮七宝の着物』は丸巻きで、

帯は結んでもらってます。

http://senpukuya5.seesaa.net/article/62052234.htm

(着物ですね)  

 

帯は、裏を結ばれているので、

蝶々

が見れませんので‥‥  

こんな感じの帯です。

南蛮七宝 光悦蝶 袋帯

唐長さんの版木として、 数百年残ってきた柄です。  

無駄なモノを徹底して、そぎ落とされて、

ずっと見ていても飽きがこない柄です。

類似品も出てきそうですが、

本物にしかない

上品さが柄から、伝わってきます。  

春ぐらいには、 シリーズとして 正式に、

発表したいところです。  

それに合わせて、草履も製作中です。

こちらも、生産数が限られていますので、

月数足という感じになりそうですね。    

↑ 上から見ても、変わらない?

南蛮七宝 草履 四分二半

横から見ると 南蛮七宝が現れます!    

きものサロン←できれば、見て下さいね!

きものサロン

きものサロン 2008年  01月号 [雑誌]

     

タグ: ,

2007年11月22日

京都でドタバタ

今日一日中、京都の本社にいました。

本当は、新しい小物を見せてもらいに行ったり、

着物の染め上がりの確認をしたかったのですが、

予定変更で、下の通りになりました。

その一日は、

まず、紋図を見ることから始まりました。

『』内は、紋屋さんとの会話です。

‥‥以降は、核心部分なので、隠させてもらいます。

一番目は、

製作している中で、今一番好きな柄です。

大柄に青い花が‥‥。

『地の部分に、少し修正を入れて、花はそのまま、

ボカシを‥‥‥』

2番目は、

若冲の鳥です。

『ここは、図案と比べてもう少し強調してもらって‥‥、

幹の流れを付けるので‥‥』

3番目は、

紹巴の柄で、となみらしくない、新手です。

歌が歌いたくなる柄ですよ~。

『色を抑えたいので、ここはここと同じ色で、

ぼかして‥‥』

4番目は、

またまた若冲。これは、若冲らしい大胆なものです。

『このままで、行けそうですね。あとは、箔を‥‥』

5番目は、

新しい組織の見本が上がってきて、

それの確認‥‥

『う~ん、柄になっていない‥、次はこんな感じで、

やって素材は、こっちで‥‥』

最後6番目は、

不思議な柄です。

作っていて、ホンワカする柄ですので、

早く帯として上がってきてほしい、と思っています。

『お腹の柄は、ここでは変なので、こっちかなぁ、

でも変やし、ここをこうして、??????、こっちか』

と、しているうちに、紋屋さん2軒目

一つ目は、夢二の柄。可愛い感じです。

『かなり若冲の目から、変えるのが難しいので‥‥』

先に、2つ目の夢二の渋め柄へ。

期待の柄です(お洒落に最適!)。

『金がキツイので、もう少し叩いてもらって‥‥』

そして、三つ目の柄

古典的な柄ですが、ボカシが上品な柄。

『ここの上げ方は、今までと同じで面白くないので、

もっと薄くぼかしながら、叩くことはできそうですか?』

最後に、一番目に戻って、再び夢二。

『出来れば、箔はこの柄には通したくないので、

ここで、分けて、配色しにくいので‥‥』

と、そんなこんなしている頃には、機場さんが来られて、

配色の確認。

『え~っと、ここは‥‥』

と続きます(まだ、午前中です)。

と、今日は写真なしで、まだ未公開どころか、

製作中帯の中継みたいことをしました。

少しでも、上のような新作を見たい!と思ってもらえたら、

嬉しいです。

明日は、会社は休みです。

ですので、会社でゆっくりと

専務業ができそうなので、楽しみです。

今日もお疲れさまでした!

タグ:

2007年11月19日

前日の言葉を撤回したくなるほどの‥‥

朝起きて、窓を開けると‥‥

京都へ帰るために、駅まで歩きます。

前日の言葉は撤回したくなるほどの

雪です!

今日、京都へ無事に帰ってきました。

暖かい京都です。

-6℃→13℃

でした。。。

2007年11月17日

雪をみて

先日、旭川では雪が降り、見事に積りました。

http://senpukuya5.seesaa.net/article/66853723.html

この冬、初の雪ですので、

少し嬉しくなりました。

そして、京都から一緒に来た、

初・北海道の若手スタッフは?

と探してみると‥‥

このベンチに、積った雪を丸めて、

一人でも雪合戦するぞ!的な状態で、

すぐ横にいました。

ちょっとビックリしましたが‥‥

雪を見ていて、

『雪の柄』が頭をフッと横切ったので

自分で紋製作に携わった『雪の柄』から

お気に入り2柄を紹介します。

両方とも、

『唐長』さんの柄を意匠としたものです。

普遍的な柄は、見ていて落ち着きを感じますね。

『雪輪に梅』

『雪の結晶』

上の少し柄の込んだ(雪がたくさん降った?)

方と、

パラパラ降っている?方、

さて、どちらがお好みですか?

タグ:

2007年11月15日

『配色確認です!』

北海道にいると、当然ですが、 京都の社内にいる時と同じようには行きません。   一番困るのは、モノづくり全般です。   例えば、 『図案の草案見てほしいんやけど‥‥』   『目出し(見本裂)が上がってきたので、  配色確認を!』   『新しい素材で織ったけど、織りにくいし‥』   遠くにいて、なかなかあれやこれやと、 自分らしさを出すのは、難しいです。   ただ先日、 京都にいた時に配色を指示したものが上がり、 その写真がメールに添付して送ってきました。   『配色確認、お願いします~。』   と。   『写真では、色見るの難しいよ‥‥』   とつぶやこうとしたら、 違う角度で、光源を変えて、 数枚添付してあります。   『‥‥』   こうなると、 意外にモノづくりが外にいても、 一部は、出来そうな感じです。   それと、社内にいて、帯が出来あがった時に、   『これは、あ~やで!』 『ここをもうちょっと‥‥』   のような意見が入ってこないので、 (全くないと少しは寂しいですが) もしかして、今よりも純粋なものが 出来るかも知れません。   と、プラス思考で、どこへ居てもモノ作り していきたいと思います。   ちなみに、先ほどは 京都から見本で製作した 角帯の写真も送ってきました!   南蛮七宝の角帯です。 南蛮七宝 角帯 紬 白黒   こういう感じで、二枚。 二枚目は、少しアレンジが入って。 南蛮七宝 白黒紬 角帯 貝の口 社内にいても、 メールが来そうな拘りです。      

タグ:

2007年11月14日

うれしい気付き。

北海道にいて、

届きたての着物を見ながら、

思ったことを書いてます。

うちには、何百何千、何万?という柄があります。

もちろん、自分が生まれる前に出来たものも

かなり数多くあります。

図案庫に行くと、そこには図案が

『無数』という言葉がふさわしいほど。

見当たる範囲で、一番古そうな図案を見ていると、

『!!!』

という瞬間があります(ホンのたまにですが)。

『どっかでみたことあるような???』

その時はすぐ忘れるのですが、

しばらくたって

明治やそれ以前の江戸などの絵や作品を見ていると、

(帯・着物とは関係ないときでも)

『あれっ、これって‥‥』

とマネでも模倣でもない、何となく同じ空気

感じることがあります。

それは、かなり似ている時もあれば、

全く違うときもあります。

何十年も前の図案を見ていて、

何百年も前の図案から、そんな空気を

感じた時は、昔の人の発想や技に

少しだけ触れた感じがして、とても嬉しくなります。

さて話は戻って、

今日見ていた着物は、

近代琳派の巨匠と言われる

神坂雪佳の図案より、製作したものです。

着物だけを見ていても、

琳派らしい波が感じられます。

『神坂雪佳の御召』

『秘すれば、花』という言葉もありますが、

時々はタネを見てもらうのもいいかも知れません

具体的には、どの柄がモチーフなのか?

興味のある方は、探してみてください。

ヒントは、

以前も紹介した神坂雪佳の図案集にあります。


神坂雪佳 蝶千種・海路―近代図案コレクション (近代図案コレクション)

見つけた時は、

図案いじりをしている時の

『!!!』

という気持ちを

少しだけ味わってもらえるかも?

しれませんよ。



タグ:

2007年11月13日

昨日の温度…

京都の会社を9時に出て、

着いたのが、夕方の5時過ぎです。


定期的に来ていますので、
(結果的に)

旭川の駅を降りた時は、

少し懐かしい感じがしました。

暖かい??と噂の温度ですが、

昨日の晩は、↓ ↓ ↓

6℃
さぶいですよ~。


良く考えると、毎回来るたびに、

ホテル近所のこの写真を撮っています。


3月に行った時は、 『-6℃』。 ↓
http://senpukuya5.seesaa.net/article/36044721.html

今より、10℃も低いです…。

木曜日辺りに雪が降るそうです。

前の10件 96  97  98  99  100  101  102  103  104  105  106

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...