となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『日記』

2015年10月01日

1,2ヶ月のうちにはやりたいです。

 

早いですね、もう10月。月初はどこもかしも展示会で、普段空いている道も結構混んでいました。そこを敢えて(本当は空いている時にすればいいのに)、賑やかな雰囲気の中、新しい商品(小物)の打ち合わせをしてきました。幾つかある中で印象的なのは『帯が勿体無い。でも確実に素敵なモノに上がる。やっていいのかな?』と感じる小物づくりです。まだ少し悩む部分もありますが、それは進めよう(笑)としています。早く上がって欲しいような、ユックリでいいような(笑)試作が上がってくるまで、少々時間が掛かりますので、楽しみにしていて下さい。それは絶対に紹介しますね。

 

 

さてさて、小物のモノづくりは沢山のジャンルがあるため、細部はモノに大きくが変わりますが、進め方自体は基本的に帯も同じです。まず打ち合わせから始まり、試作←→試行錯誤を繰り返して完成品に近づけていきます。その間に箱を作ったり、細部のモノを作る。ほぼ完成が見えた時に、それをいくつ作るか?を含めた(生々しいですが・・・)コスト計算。それでGOサインを出して、生地、革の選択。完成してくるまで、しばらく待機。上がって来てやっと、そこから流通やWebショップ(それには撮影、文章作成等)と、打ち合わせから試作、初めて皆さんに紹介してから、実際に手に取ったりするまでには、大きなタイムラグが生じてしまいます。

 

もちろん、それは仕方が無い部分もありますが、今の時代、色々な方法で皆さんに見て頂くことは可能です。そこの部分、ちょっと何か出来ないかなぁと考えています。また、今の仙福屋Webショップはとなみ織物が作る仙福屋の小物を余すこと無く、分かりやすく伝えるところ。100人70〜80人に支持されることを目指しています。反対に100人中1、2人の方からしか支持されないような、もっとマニアックなモノに関しては、別のサイトで紹介するとか?iPhoneのカメラのきれいですし、素早く見ていただける様に。。。何かできないかなぁ、と。

 

とくに、今日はある商品を見ていて(赤いです)強く強くそんなことを感じました。今はシステム自体が手軽にできるので、多分面白いマニアックなことできると思います。勉強しながら頑張ります〜。赤い小物、今まで無かった発想ですので、いいですよ(笑)。

2015年09月30日

もうちょっと先に作りたい織物候補。

 

今月の締めと来月の準備で今日はバタバタと(さらに図案展までありました。。。)。商品や図案の整理をしながら、それでも少しだけ時間がありましたので、モノづくりを振り返ってみました。

『Nord』:北欧の空気と和を融合させたモノづくり。このシリーズに関しては、最近は新しい意匠を作っていませんので、久々の登場です。ただ、作っていない割に、今のちょうど今の空気に合うのか、根強いファンからお話を頂くこともあります。以前blogで(紹介したばかりの頃だと思います)見て欲しかったけど、まだ織ってますか?と。このシリーズは10柄ほどありますが、元々が(少ない方の)数本レベルでしか織っていませんので、ご依頼頂ければ織ることもできます。と返事させて頂きました。

 

今のところ、まだ動かせませんが、『Nord』シリーズにする予定の図案はストックしてあり、macの中にも『最初はこうしていく、それが上手く行けば次はこう。』とする案が大量に貯まっています。この頃はメモ書きが多かったのですが、このデータを見ていると、デジタルで残しておいて良かったと思う一瞬でした。

 

ちなみに、残しているアイデアの中心は錦織のモノ。以前それで織ったモノは、こういう感じです。

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【Nord】

 

この帯が織り上がったばかりの頃よりも、周りから聞こえてくる評判が良いですので、今の声も聞いてみたい。そう思ってFacebookには近々流してみたいと思います。この織物=『千寿』は、紹巴織りよりも細密な表現力は苦手な織物ですが、ボリューム感を持った『帯らしい帯』の表現ができます。風合いは織組織がカチッととした綾織ですので、昔ながらの良さを持ったしっかりとした手持ち感。ずっしりとした重みに関しては今の時代と合わないと思っていますので、経・緯糸使いでその辺りに関してはクリア。そんな織組織です。

 

この辺りも動かして行けるように頑張っていきます〜。来月もモノづくりやること沢山あるなぁ〜。有難いなぁ、というのが9月最終日の感想です。

2015年09月29日

唐長さんへ

 

今日は午前中丸々、唐長さんへお邪魔してきました。

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3時間以上(とっても濃い時間)お邪魔していましたので、話は多岐に。モノづくりのヒントも沢山頂いてきました。まだまだ内緒のこともありますが、まず自分がこだわる南蛮七宝文様について、11代目からは『もっと突き詰めれば、もっと面白くなるんじゃないか?』という視点でのヒントも頂けました。南蛮七宝を核に据えての次の具体的なモノづくりや、今すぐにはを形にするのは難しいかもしれませんが、少しずつ具体化できそうなモノ。霞を掴んでいるようでいて、やってみれば何か掴めそうなヒント等、これからやれることは山ほどありそうです。

まずは・・・。となにから手を付けるか、ここで書きたかったのですが、一度今日出た話を整理して、一つずつ自分なりに分解しながら、モノづくりしていきたいと思います。またそれは進めながら、みなさんに紹介していきますね。

 

本社に帰ってくると、こういう時、不思議と上がってくるのが南蛮七宝文様の新作。今日は新しい配色の御召でした。

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『紋紬/南蛮七宝文様』

 

この反物は緯糸には紬糸、経糸を紋で遊び、ザックリとしつつ、お洒落着になり過ぎないよう(もちろんお洒落着なのですが・・・)に最後の線を超えるのは止めている紬の着物です。『どういう織物か?』を説明するのは、とてもヤヤコシイ反物なので詳しくは、ここでは避けますが、今日上がってきた配色のものは、とても面白い雰囲気を持っています。この反物の場合、緯に通る多くの色糸のうち、一つには『水色』を入れて、くすみつつもスッキリ感も感じます。

 

他にも『黄色』を通した配色違いのモノももう間もなく織り上がってきます。ここに入れる帯をどうするのか?とても楽しい課題をこなすモノづくりも進めていきますね。

2015年09月27日

今日は、中秋の名月

 

旧暦の8月15日、一年で一番お月さんが綺麗に見える日。

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帯に出来そうですね(笑)。

 

夜、外に出て月を見る。
久々ですが、とても良い空気をもらってきました。

2015年09月25日

いま出せば間に合うタイミングで。

 

『いま出せば、バッグ、花緒、丸ぐけが欲しい時期に間に合う。』と今日の午後、まとめて時間を取り帯地の選別をしました。帯地を使った小物を作る場合、その都度必要に応じて製作することもありますが、ほとんどの場合、年に何回か時期を決めて、職人への依頼を行います。その際の生地も、①それ専用に織ることもあれば、②製織時のキズが直せない場合の反物を使う場合もあります。ですので、ギリギリまで織上がりと検品を待ってからの発注となります。直らないキズ物は出てほしくない気持ちで、良い柄が出てくるを待っている。書いていても不思議な感覚です(苦笑)。

 

さてさて、②の場合には、約4m40cmの帯地にハサミを入れることになります。『手にハサミを持って、引箔の帯を手に取り・・・。』とイメージすると、今でも身震いしてしまいそうになりますが、おそらく帯作りの事を全く知らない方もハサミを入れることは難しい、と思います。糸を染めた人、織り手、整経等々、知っているとさらに難しく慣れたはずなのに、未だに緊張します。

また職人への依頼の際は、一本ずつ帯の顔を見ますので、それを使った小物が上がってくる。それがイメージ通りかそれ以上だと、ホッと報われた気持ちになります。花緒の様に生地を使う部分が少なくても、それは同様です。

 

仙福屋の小物は、裁断から縫製のすべてを日本で行います。そのため、数を大量に作ってコストを下げる、というのは今のうちのモノづくりには合いません。バッグで言えば、一つ一つ帯地の織り組織と色、柄の大きさに合わせ、10種類近くある中から型を決め、革を使うのであれば、それを帯締めをコーディネートするように合わせていきます。一つ一つそうやって制作していくので、正直大変な手間が掛かる製作方法です。

沢山は作りませんが、それでも帯地を使った仙福屋のバッグは徐々に認知されてきました。その考え方は貫きつつ、そこからもう一歩チャレンジするつもりで、モノづくりを計画しています。おそらくこれから何年経っても帯地を裁断するときは緊張をしながらになるとは思いますが、そうしつつもバッグ作りに新しい風を入れていきたいと思います。 

仙福屋のショップへ

 

今日のFacebookにも上げていますが、もう一つの帯はこの麹塵染めシリーズ、紬を通した袋帯です。この帯も勿体無いですが、回復不可能なキズがあります。。。

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この帯地を使っては、バッグと花緒を作る予定をしています。もう出しましたので、あとは祈る気持ちで。。。

2015年09月24日

ピンクを印象的に使った横段の帯。試職です。

 

休み明け、ある打ち合わせから出てきた帯(ちょっと長めの試験織)を元にしてモノづくりした帯が上がってきました。京都の本社展示場に、『となみらしくない』帯シリーズを集めたコーナーがあります。そこ中にある、ある帯が次のモノづくりの候補に上がりました。自分の中には持っていなかった色柄でしたので、ちょっとした迷いも含みつつ、そこから自分なりに紋修正をしながらの製織です。一から作るのではない分、大変な部分、気を使う部分もあります(笑、それはまた改めて)。

 

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配色を変更する前ですので、見る人が見れば、『どの柄が元になったのか?』と今の段階では確実にわかります。元々図案は柄丈(紋丈)が長い意匠で、そのお太鼓の中心部(一番華やかな良いところを)取り除いた、横段の柄です。帯の一番大事であろう部分を除いた帯、というちょっと変わった意匠作りを取っています。

まず紋のおかしな所がないかのチェックをこの段階で行なって、次の配色に関してはここからごろっと変更する予定だったのですが、現状もも周りの評判が上々です。一つの選択肢として残しておいて、次を探すのもありかな?と思っています。

 

この、ある打ち合わせから出てきた話は多岐帯に渡っているので、あれこれと色々な試作を作ることになりそうです。

 

2015年09月23日

濃い打ち合わせ中

 

2時間ほどでしたが、京都のとある場所で(かなりマニアックな喫茶店です)打ち合わせを行っていました。話が逸れることありましたが、いい話が出来たと思います。帯地を使ったモノづくりのベース部分を最終段階に向けて進めています。どこかで書いていましたが、試作はあくまで試作なので、どうでもイイと思う生地で製作すると、中途半端なところで終わってしまい、完成品まで至らないことが多くなりがちです。勿体無いと思っても、自分が最高と感じる生地で製作する、いつも心がけています。

 

そういうこともあって、最近使う帯地は試作でも基本的に南蛮七宝もしくはCeltic。ある程度の完成まで近づいて、これらの帯地を使って製作し、イマイチと思えば、足掻かず(苦笑)もうそれ以上進めない。それを心がけています。

 

今回も南蛮七宝文様を使った試作3タイプを目の前において打ち合わせ。でしたが、すぐに気がついたのが、後ろある『角つなぎ文様』。。。

 

IMG_1657.JPG
『唐長文様/角つなぎ』

 

この柄、織りでも引箔でも昔織ったこともありますが、もう少し何か加えたいと思っていた中、縁を感じた出会いでした。明日以降、になりますが、おそらく悠翔織を使ってもう設計から見直したいと思います。話も逸れ、後ろには角つなぎの襖、気が散りながら(笑)、濃い濃い打ち合わせをすることができました。

 

その成果は来月中には何とか形にしてご紹介できれば、と思っています〜。

2015年09月21日

このまま帯を作りたくなる秋晴れ。

 

京都での休みの日に(特に連休では)ほとんど記憶にないくらい久しぶりに晴れ渡っています。ボーっとする時間があったので、空を見ていると、本当に表地でも良いような秋晴れ。昨日、UPした舟田さんの帯の青につづいて、もう一つ今度は空の青。

 

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帯のお太鼓も考えつつ写真を撮ってみました(笑)。今のところ、紹巴織を使って、青に6色、白には3色あれば空の部分は出来そうだな・・・。とちょっと考えてみましたが、実際上がってくるかは楽しみにしていて下さい〜。

 

 

 

 

2015年09月20日

コラボ帯、発表中。

 

シルバーウィークはちょこちょこ仕事を入れながらも、久しぶりに休ませて頂いています。今日は、コラボレーションでモノづくりをさせてもらっている舟田さんの展覧会(京都大丸)へ。     ⇒http://www.candy-circus.com/topics/322.html

 

現在製作したモノは一柄、【水花】柄(陳列中です)。

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『水花/紹巴織』

 

2柄も作品は決まり、作品⇒帯意匠への最中なので、この帯への皆さんの反応を聞かせて頂いて、次回の帯へ活かして進める予定をしています。舟田さんの作品の中にポツンと帯が一本、今までの帯の陳列とは異なる雰囲気でしたので、個人的には少し恥ずかしさもありつつ、とても新鮮でした。

 

次の帯への推進力にしてがんばります!

 

 

 

 

2015年09月19日

京都へ帰ってきました。

 

準備日を含めて4日間の出張から戻ってきました。会社は今日からしばらくの間お休みを頂いていますので、出張のまま連休に突入。会社には休み前に帰れず、そのままモノづくりは止まったまま。ちょっと休み明けは怖いですが・・・(笑)。この休みの間に隙間が埋められる部分は、できるだけ埋めておきたいと思います。

ただ、いつもの様に、帰ってくると、ホッとして気が抜けるのか?バテてしまい、今日は充電する予定です。その度にもう少し体力付けなアカンな、と思うのですが・・・なかなか実行するまでに全然至っていません(苦笑)。

 

さてさて、実質3日間、様々なお客さんと長時間話をさせて頂いて、帯、着物、小物のモノづくりへのヒントをたくさん頂きました。また本社の仕事からは少し離れることができましたので、代わりにスタッフと普段できない濃い話等々、結構今回の出張は充実しました(晩ごはん食べながら、アルコールもほんの僅かで、ずっと帯づくりの話だけ、とっても濃いですよ。)。

 

また、今回はお客様と、いつもは自分の首を絞めることになるのでしない(笑)、モノづくりの約束までしてしまったりと、ぼーっとしていると、特に最近はあっという間に時間が過ぎるので、約束を破らないように、キッチリ進めたいと思います。。

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