となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『日記』

2015年04月20日

明日、見に来られる方のために。

 

会社向かいのショールームを明日の『南蛮七宝』用に陳列替えをしていました。
ショールームと言いつつも、陳列練習のため、少しずつ商品だけでなく、棚板の位置、
商品台、商品並びを変えています。

 

毎回スタッフの打ち合わせで話し合っているのが、商品を良く見せる陳列ではなく、
一つ一つが立つ様な陳列です。言うの簡単、でも難しい。


有り難いことに、ここは売るためには?と考えなくて良いスペースです。
一つの商品に対して、どう売るか?との会議はせずに、作る時に考えていた利点以外に、
使っているうちに気づく利点ってなんだろう?そんな打ち合せをしています。

 

ですので、その話し合いが活きるような一つ一つの商品が立ち、
その陳列が心地いいと感じるまで試していきたいです。

 

DSC05081.jpg
『南蛮七宝文様/御召、八寸名古屋帯←着る時は合わせなくても』

 

店の主張が前に出過ぎてゴチャゴチャな陳列、
スッキリし過ぎて何を見て欲しいか、伝わらない陳列。

そうではなくて、毎日試行錯誤して、考え続けていれば、
スペースも限られた場所なので、少しずつ良くなっていくと思います。

 

明日の皆さんの反応がとても楽しみです。

 

 

 

2015年04月17日

博多滞在2日目。

 

博多2日目は帯、着物、小物を並べてのイベントです。

わざわざ京都本社に来られた方もおられて(ありがとうございます。)、
言われたのが、(本社には)帯が多すぎる!というご意見。

当然ながら、プロ専用の展示場ですので、帯しか無い。
 →参照『本社展示場』

 

今までも、そういう話を頂いていましたので、そんな反省を活かし、
今回の博多は帯:1、着物:2、小物2。そんな割合で、非常にバラエティ豊かな
会場です。

 

帯は裏すら付いていない新柄を。
着物もちょっと出張したら、おそらく見られなかったもの。

小物も、市場に流れているありふれたモノではなくて、となみ織物独自のもの。
例えば、帯地を使ったバッグでも南蛮七宝系のもの。帯締めなどの小物も、麹塵染の
帯糸を使った限定品。総紗縫に合わせたオールシーズンの帯締め、帯上げ。
新作のペーパーヤーンに南蛮七宝の花緒など。

 

このスペースにこれだけ置けるのか?
そんな展示場になっています。

 

陳列にお金や手を掛けて見せ方を工夫をするのも、もちろん大事ですが、
それは別の機会に、今回に関しては帯や着物、小物の新作を素のままに見て頂く。

そんな機会です。

 

京都での仕事もあるので、頻繁にはできませんが、お客さまも楽しみ、
(それ以上に?)自分たちも楽しめる、そんなような展示会は、
出来る限り、今後も増やして行っても良いかもしれません。

 

2015年04月16日

ペーパーヤーンの草履と一緒に博多。

 

博多へ一年ぶりにやって来ました。

そこに届いた出来たてホヤホヤの草履。
『ペーパーヤーン&南蛮七宝文様』。

単衣と夏草履です。

 

L1870024.jpg
『真綿ペーパーヤーン南蛮七宝文様(仮称です)』

 

同じく仙福屋では夏草履として、網代とパナマも作っています。

が、この二つは、素材の質に草履の出来が左右されてしまいます。
良い時は良いですが、そうでない時、妥協したくないので、製作数は安定しません。

特に網代は昔の敷物に使われていて、年代や作られた職人によって、目の細かさ色が
大きく異なります。ですので本当に良い素材を見つけた時だけの製作にすることにしています。

 

場合によって、一年間全く作らないことも・・・。

じゃあ、そんな時に何を作るか?
そんな中、昨年試行錯誤して出来た草履がこの『ペーパーヤーン』です。

 

説明を書くと、こんな感じ。

真綿草履の夏バージョン、台の天部分にペーヤーン(紙布)を使用し、
足ざわりが良く涼感有り履くだけで気持ち良い。人によっては健康になりそう(笑)、そんな感想も。
また、ペーパーヤーンには撥水汚れ防止加工も施しています。

台巻部分にはダックジュエル。見た目にも涼感を作りました。さらに巻に総紗縫の南蛮七宝を挟み込み、
見た目にもメリハリを。

ちなみに、ペーパーヤーンは北欧産のモノを使っています。
耐久性に優れヒネた色も今のとなみ帯地の地色に寄り添ってくれ、
全体の雰囲気もとなみ&仙福屋らしさも出たように思います。

 

この草履は南蛮七宝文様を巻に入れたので、当然花緒にも・・・。

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ツボ通しの花緒、ツボの色もペーパーヤーンに合わせて。

と、ちょっと特別な夏草履でした。

 

土曜日までの滞在です。

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2015年04月12日

八重桜=ぼたんさくら、今年知りました。。

 

今日は一日久々に休みでしたので、
やるべき仕事を終えてしまってから、八重桜を見ていました。

 

まだ、ほとんどがツボミですが、周りの桜が散り、
今から咲こうとする、この桜はほとんど晴れなかった今年の京都の桜では
楽しみにしている方、多いです。

 

DSC02301.jpg

 

明日からGWまで、半月相当忙しいので良い充電ができました。

2015年04月10日

モノを頂いて、悩みました(笑)。

 

今日の午後半分くらいは唐長さんの水上殿へ。
ゆっくり意見交換をしながら、モノづくり打ち合わせです。
(いつも急いているわけではありませんが、
 特に特にこういった、ゆっくりとしたモノづくりの時間は貴重です。)

 

当初からのコンセプトとしては『本物を本物として残すこと。』
言葉としては、当然でやっていくべきことなのは、誰でも分かりますが、
実際実行するとしたら・・・?

じゃ、どこから手を付けようか?じゃ、達成したと思えるためには?
難しく考えると、掘り下げていくと、どこまでもハマってしまいそうな
深いテーマです。実際に今日も、言葉では言えても具体的にするためには、
そんなに簡単じゃないよ。ということも話しの中で出ていました。

 

今日やこれからの打ち合わせが、急に普段のモノづくりに通ずるか?と
いえば、そうではなくてジワジワと内側から湧いてくるモノです。

こういう話を自分のモノづくりの中に加えて蓄えながら、帯づくりに
反映していきたいです。

 

今日頂いた名刺をつくるためのからかみ。←なんて表現したらいいのか、悩みました。。
(名刺紙、名刺用の紙。全部平仮名で、めいしかみ。)

 

濁らず、スッキリとした、それでいて手で触りたくなる優しい色。
素晴らしく綺麗です(ほかの色も同様です)。

 

DSC02062.jpg

 

名刺として使うためには『字』を印刷しなくてはいけません。
もちろん、最初にイメージするのは『プリント』ですが、この場の話では活版印刷でないと。
と、そんな話も上がっていました。

 

どう考えても、これを使って自分の名刺をつくるのは勿体無い気がします。
ただ、それくらいの『かみ』で作られた名刺。頂けたら自分は相当嬉しいだろうな。

やっぱり、作ってみようかな。それが、今の悩みです。

 

『かみ』と『絹』とでは、出来るものが異なります。
ただ、通ずるモノが沢山ある。そのことを特に今日は感じさせて頂きました。

帯地としても、もっとできる事がありそうなので、
一緒に進めていくモノづくり、そこから派生していく自分のモノづくり。

とても楽しみです。

 

 

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2015年04月08日

改めて女性ってすごい。。

 

あるお客様(お客さんとそのお客さん2名です)が3名で来られました。

そのうち2人はとなみ本社初めての方です。

展示場に上がると帯がずらーっと並んでるので(この時は2千本を超えるくらい)
普段はまず目にするのことの無い光景です。

 

DSC03912.jpg
『入って左手の景色です』

 

一瞬、『凄っ』と言われ、たじろぐ仕草を見せられました。

が、その数秒後には自分に似合うか、そうでないか。
と陳列されている帯、桐箱に入った帯を一本ずつ丁寧に、見られていました。

 

『通常は入ってもらえない所ですが、入ってもらったとしても、
これだけあると、ほとんどの方はどの帯見ても良いか、迷われると思いますよ。』

と言ったところ、

『だいたい、自分の似合う帯は分かりますので、この中であっても10本位ですよ。』
と返事が返って来ました。

 

その方は問屋や小売屋さんでは無いので、普段数を見ておられないのに、凄いなぁ、と
感心させられました。結果選ばれたものも、その通り、その方にピッタリで、
その間、プロのはずの周りの人間も静かに見守っていました。。。

 

着物を着慣れた女性の目利きの凄さを感じさせられた一日でした。
 

2015年04月05日

もう京都は葉桜に突入しました。

 

ここしばらくは桜でしたが、北区の桜も葉桜になり、
今年もそろそろ桜は終わりに近づいています。

少々強めの雨や風もありましたが、日曜日まで保ったお陰で、
カメラを構えている方も沢山いはりましたよ。

花弁の白が曇りに滲むように溶け込んだため、枝、萼、葉、それぞれの色が
際立って綺麗でした。


DSC01904.jpg
『北区の葉桜』

 

桜が終わりの頃に毎回思い出すのは、何年か前に製作した、この帯。
意匠としては、特に桜をモチーフにした帯ではありません。

が、曇り空を地色に、桜のピンク、枝の濃いグリーン。
その色だけでデフォルメして、今日の日をそのまま帯に製作した雰囲気を持っています。

 

IMG_1853 (1).jpg
『宝相華文/Nord』

 

この帯を作るまで『ピンク』色を帯の中に入れるのは避けていました。
様々な理由がありますが、今も多用される色ではありません。


自然の中に見るピンクは、優しくて柔らかいです。
また、特に色の性質が若い方向きというように、年齢が決まるわけではありません。

 

この帯くらい、ピンクが無いと困る。
そんな図案を作った、出会ったことはありませんが、自然に見る限り、
いつか特別な意識をせずに、印象に残る使い方が出来るようになりたいもんです。

 

 

2015年04月02日

さくらさくら。

 

今日の昼休み、会社近所周辺(寺之内通)を約20分ほど散歩してきました。

昼間は車で通りますが、景色は車目線でしか見れてませんし、夜は歩いたとしても、
寺社仏閣通りなので、灯りはすくなく景色は変わってしまいます。

 

明日からの天気が曇り雨とは考えられないくらいの晴天で、
桜はこんな感じでした。

DSC01807.jpg

 

帯の配色には最近使っていない配色ばかりですので、
目の前にそういう色が広がると少々とまどってしまいます(笑)。

僅かに白の入った単色の水色の空とのコントラストが本当に素敵でした。

 

光を受けている桜も色が輝いて好きですが、
光を背にした桜も、夜桜のような迫ってくる迫力があって、これもまた素敵です。

 

DSC01836.jpg

 

毎年見ていても飽きない魅力ですね。

 

 

社内に帰るとちょうど『しぼ織り』目出しの配色確認。

 

DSC01750.jpg
『しぼ織り・目出し』

 

目が外の色を受けて、感覚がズレている様な気がしますが、
これから自分の欲しかった色目に近づけていく工程に入ります。

冬に図案を作っていたモノですので、目が元に戻しながら、自分の欲しかったモノに
修正を掛けていきます。

 

週末、もう一度桜を見たいので、最終の配色に決まるまで、
もう少し掛かってしまいそうですね〜。

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2015年03月27日

となみ探索①展示場

 

最近となみ織物の見学を希望して下さる方が多くなりました。

展示場も含め、社内は受付以外基本的に一般の方、立ち入りはお断りしています。
いまのところ、基本的に問屋等の業界の方専用です。

 

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通常の展示場

 

昔からずっとこうだったので、ハッキリとした理由があるのか?を考えてみました(笑)。

1,企業秘密が沢山ある。
 →たしかにこれはあります。図案は社内に大量にありますし、紋製作中は新柄も見ようと思えば、
 のぞき見ることができます。素材もそうですし、完成品としての帯も展示場には陳列してあります。
 写真撮られれば、柄をコピーすることもできないことは無いです。

 時々、一般のユーザーの方が(紹介を通じて)来られる例外もあります。
 その時は皆さん着物好きの方が多いので、ずらーと並んだ帯を文字通り目が点で見て頂けます。
 その様子を見ると、入って頂いて良かったな、と思います。

 

2,売るための帯ではなくて、自分用の一本を見つけようとすると、展示場には数千本陳列してあり、
 おそらく相当な時間が掛かります。それはそれでここで自分の一本を探すために、いいウリになりそう。

 毎日、帯を見ていると桐箱から僅かに見える帯の色柄で、どんな帯か99%判断できる様になります。
 (箱からのぞく隙間の写真を撮っておけば良かったです。遠くならないうちにUPしますね。)

 展示場には礼装用、お洒落、振り袖等々の帯が並んでいます。そのため、やはり小売店等のプロの方に、
 様々なコダワリやTPOで選んで頂き、厳選した中からユーザーの方に選んでもらったほうが良いのかも
 しれません。特に、着物入門者の方には。。

 

3,・・・。

 

 

と、3つ目はメーカーとして問屋さんは慣れていても、一般ユーザーの方には慣れていません。
もしかして、失礼なことがあるかも・・・。あるかもです。

 

 

DSC01238-3.jpg
『着物加える特別編』

 

今すぐに難しいのかもしれませんが、帯を美術館的に見て頂ける、
そんな日が年に何日かあっても、面白くなるかもしれませんね。

 

分業制で全ての工程が、となみ本社内で見れるわけではありませんが、
この帯の陳列だけでなくて、糸棚の糸、丸巻きの棚。

 

自分たちは見慣れていて、(非常に)残念ながら新しい感動はありません。
ただ、自分たちがいつもしていことを見て頂き、それに対しての感動や反応を見ることで、
また新たな気持ちになり、日々のモチベーションに。なりそうですね。

 

今のところは入って頂けない場所を時々UPしていきますね。

 

 

 

 

 

2013年12月12日

13'紗んた

 

風邪、ちょっとマシになりました。

色々とお気遣いありがとうございますm(__)m

 

こういう時は、大まかなことを進めるのは良いのですが、
配色の詰めとか、紋の上げ方はあまり適さないので、静かに図案の整理や
書き残した途中の案などをザーッと制作しています。

 

後は、こないだ上がって来た『紗んた(しゃんた)』を写真撮ってみるとか。

 

IMG_4165.jpg

 

年末に向けて、ちょこちょこと面白い小物が上がってきています。

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