2010年12月13日
となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。
五代目日記 > 『日記』
2010年12月10日
一度話すと、盛り上がる男物。
なぜか、そういう話が集まってきます。
そういう時は、頭の中が男物で一杯なのか、
どこへ行ってもそんな話をしているのか、
本人は自覚していませんが、
ある人から、食事へ行ったときに
『着物デビューしたい!』
と言われる方がいて、
『わしに似合う着物一式、揃えて』
という注文を頂きました。
予算もあったのですが、とりあえず
それを気にすると、困ったものになるので、
一旦無視して、コーディネート。
着物と羽織は、こんな合わせ方です。
茶に茶ですので、後は角帯と羽織紐次第で、
いきなり気慣れた感が出てきそうな雰囲気です。
着物は、ちょっと崩した縞と
羽織りは菊と桜のドットのような
(コチラがちょっと濃いめ)です。
やっぱり、人の着物を選ぶときのほうが、
緊張して選んでしまいますね。。
後は、着方を覚えてもらって・・・。
なのですが、私の場合かなり我流なので、
それを教えるかが、一番の悩みです。。
12月も真ん中にさしかかってきて、
一気にそれらしい空気が漂ってきました。
今年の物づくりをどこかキリの良いところで、
止めてしまわないと、ブツ切りになるなぁ?、
と毎年この時期になると思ってしまいます。
堀川通は・・・
イチョウも。。
2010年12月08日
まずは、スタートラインなんですが・・・
ほとんどが下書き状態であれこれと触りながら、
磨き上げていています。
少しずつ形になっているのは、
こんな男物の着尺です。
依頼もあったこともあり、
色目を出して打合せしている図ですが、
同柄で、しかも一度にこれだけの配色を見ることは、
ありませんし、とても珍しい絵です。
この中から選ぶか、ある色を修正して、
一色に加えるか?
と考えていましたが、この南蛮七宝の魅力なのか、
着物として考えても、すべて行けそうな気がして
とても選ぶのに苦労しそうです。
できれば、すべて並べてお好きなのを・・・。
と言ってもよいぐらいです。
ただ、それでは自分の気持ちを入れていない、
モノづくりになってしまうので、
ここから数色に絞っていきます。
という風に簡単な『作業』のように聞こえますが、
実際は、黒地に真っ赤の配色のモノを見ると、
『羽織りにしたら、合わせる羽織紐がないなぁ』
とか、余計なことが頭をよぎって行ったり、
実際に『似合うと思います?』
とか、もう何をしていたのか、分からない
状態になりますので、
ここから、実際は大変です。
上は御召ですが、他にも角帯でもほぼ同じことを
していますので、どれだけ時間が掛かっているか、
感じてもらえるかなぁ?
と思った、今日の一コマでした。。。
タグ: 南蛮七宝
2010年12月06日
しまうま(大)帯
(小)はこちら
しまうまモチーフの柄は、
まずは、これで満足しました。
出張に行った際に、
『いつも変わったものばかり、考えているのですね。』
と言われることが多いのですが、
『変わった帯を結んでもらおう』
とよりも、
『この帯結んだら、人に見せたくなる位、
楽しい帯を作ろう』と思っています。
どんな柄でも、
着物着て帯結んで、街を歩いているだけで、
楽しいとは思いますが、
『面白い帯してはるなぁ?』
『でも、安っぽくない』
『いいなぁ』
と見てもらえる帯も、いいと思います。
かなり人を選ぶ、
好きな人は好きな帯になっていますが、
この帯の裏地が出来て、袋帯になったら、
皆さんにお披露目しに行くのが、
私も楽しみです。。
裏は、対照的に
『太子間道』です。。
2010年12月02日
早速、春に頭を切り替えて。。
美しいキモノ『冬』に麹塵染を載せた?。
と少し安心すれば、早速『春』の打ち合わせです。
まず振り返ると
今年一年間は、こんな感じで・・・。
冬『麹塵染』
秋『若冲』
夏『総紗縫』
春『作楽』
一年間、シックな感じで統一感があると思います。
来年、一年も統一感を持ってやりたいので、
ただいま、案練り中で、まずは去年からゴロッと
変えたいと思います。
今までで、面白いなぁと思ったのは、
この二つ・・・。
『京百景』
『伊藤若冲の世界』
今見ていても、なにか訴えて来るものがあります。
シンプルなんですが、背景の色とのコーディネート、
京百景の場合は、帯の特色(総柄)がよくわかる。。
さて、来年は・・・。。。
2010年11月30日
投網で試験中。
今日は京都でモノづくりしたいと思います。
モノづくりで、大事なのがその時の空気を
持ち続けることなのですが、
京都から出たり入ったりしていると、
段々と変化していって、当初思っていたものと
違うものが出来てしまいます。
このように書くと良くないことのように
見えますが、練って練ってこれ以上イイ方法
見つからないときなどは、
バチンと一度切ってしまいます。
その一つが、以前作ったもの配色替え。
何ヶ月、何年経ったものを変えるので、
どう配色したとしても、以前と違った
今の自分のモノづくりになっていきます。
前回も書いていたのですが、
ゴロッと変わりましたので、途中報告しておきます。
今までのものと並べてみると、
あまり意識していませんでしたが、
網の部分部分、全部見せず、地と投網を
同色で織っていたりしています・・・。
全体に見ると、またこれも流れが出て、
綺麗に投網が広がったように見えると思います。。
(下にちょっと見えるのは、実験中の鯉の尻尾です。)
出来上がりに、もう一度全部並べて、
どれが一番シックリするのか、、、
とても楽しみです。