となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『日記』

2010年11月11日

渦巻き帯。。

 
昨日から続く寒気も少し引いたので、 モノづくりを進めていました。
 
ここ最近は、肉球の話題になることが多いので、
『(一瞬)肉球帯、作ろうかな?』とも思いましたが、
思い止まって、他のスタッフへ振っておこうと思います。
 
そして、今製作している複雑なものを
じっくりと手掛けていきたい、と思っています。
 
まず最初の工程の図案を練っているところで、
最後の詰め部分、細かい所で色目が入らず、ストップしました。
 
そこから動きそうもないので、午後からは、
唐長さんへお邪魔したり(お忍びで・・・)、小物屋さんに押しかけたり、
と目先と気分を変えて、頭をリフレッシュしています。
 
今では、気だけは、なんとかなりそうです。
 
 
さて、話は変わりますが、先日出張していた際に、
何かとそこら中で、話題になっていた帯があります。
 
それがこの帯・・・
 
IMGP3885.jpg
『作楽:渦巻き(チョコマーブル)』
 
一度、紹介していた帯です。
 (お太鼓を見て頂けます。)
 
 
基本的に帯を作る時というのは、
①着る人を想像するか、②周りの空気を汲むなどします。
 
他にも、③全く自分の好きな柄を作る、
ということも頻繁にやってしまいますが。
 
そして、渦巻き帯がどの場合かは、気付いてもらえそうなので、
あえてここでは書きません 。。
 
 
また、ある時この帯を見た人から、 『間違いなく、人を選ぶ帯!』
と断言されました。
 
『迫力もあって・・・(お褒めが続く)』 等々の言葉をもらいましたが、
上の『人を選ぶ』という言葉が、今で印象に強く残っています。
 
 
ここからは自己弁護っぽくなりますが、
帯を作っていて、よく聞くのが・・・
『沢山の情報を仕入れてモノづくりしましょう。』
ということです。
 
間違ってはいないと思いますが、人の言うことを気にし過ぎると、
まず面白いものは出来ませんし(予想通りのもの)、
流行を追っかけると、必ずブレます。
 
恐らく、その人に『ずっと使ってもらえそうなモノ』
というのは(私は)出来ないように思います。
 
できれば、『この柄、私らしい柄でしょう!』
と言って結んでもらいたいです。
 
ですので、この日この帯を指して、『間違いなく、人を選ぶ帯』
という言葉 を頂けたのは、最高の褒め言葉、
モノづくりしていて良かった、と思います。
 
早速結んでもらえるそうですので、 とても楽しみにしています。
 

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2010年11月09日

『作楽:月に降る星』

 
遅ーくに京都へ戻ってきました。
(一番遅い時間だったので、電車が無いのは知らなかった・・・)
 
その北海道で、先週に送付したメルマガ柄について、
話を聞かれることが多かったので、 ちょっと触れておきます。
 
この柄です。
 
IMGP3832.jpg
『作楽;月に降る星』
 
紋が出来て、配色、試作を織ってという通常の流れから、
大きく外れ、再び最初から紋を作って、配色して・・・、
とそれを何度もやり直した、苦労作です(余計に可愛い・・・)。
 
しっぽの帯』と言われていましたが、
そんな詳細に興味のある方は、
メルマガ登録どうぞ。。 →http://www.senpukuya.jp/SHOP/mailmag.html
 
私の担当は月一回で、あとはスタッフが試行錯誤しながら、
行っています。
 
またご要望等もお待ちしています。。
 
と、、最近は体調不良だったのと、風邪引いてしまい、
なかなか集中できず、モノづくりは出来ることをこなす、
という所です。
 
秋の京都の空はこんな感じなので、
早めに治して、着物でふらふらと散歩したいですね。。
 
IMG_3050.jpg
 
今月は、出たり入ったりという月になりそうです。。
 

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2010年11月07日

札幌滞在中です。 時間の使い方。

久々にきました。

キンとする寒さを覚悟していましたが、
思ったよりも暖かく(薄いコートで充分)、
毎朝紅葉を楽しみに歩いています。
Photo 11月 07, 11 33 52 午前.jpg

出張だと、京都にいる時の生活とは全く変わります。

いつも会社には、バテるまでいることが多いですが、
こちらでは、打ち合わせ&夜ご飯を食べに行って、
いつもより早く帰って、早く寝る。
次の日は早く起きる。
と、かなり健康的です。

毎日が、そんな繰り返しですので、
京都での時間とは、自然と
異なります。

本社にいる時は、色んな仕事の上に、
モノづくりが並行に進んでいるので、

どうしても、打ち合わせが多くて、
あれこれと考えては形にして、

修正してばたばたと、
いつも頭の中はごちゃごちゃです。

京都外にいても、打ち合わせメールが飛んできますが、
周りも気を使ってか?できることに限りがあるのか?
いつもよりも量が減って、少ない事に集中できています。

その上、朝も早く起きて(朝の4時過ぎということも )
ペンを持って、何かをメモしながら考え事できるというのは、
いつもであれば、なかなか出来ないことです。
とても贅沢で幸せな時間です。

今日も、ぼーっと、今までの帯写真を眺めたり、
本社を出る前に配色オッケーを出してきたものの
完成写真を見ていたりしています。

たとえば、こんな小袋とか・・・
Photo 11月 07, 6 46 41 午後.jpg
(シンプルに作ってみました。)

作りたいモノが溜まっていて、
それらの図案も写真に撮ってきてますので、
意外に、頭の中でする帯作りは

こちらの方がはかどっているかもしれません。

そんな札幌も寂しいですが、明日までです。

2010年11月04日

こつこつと作る御召づくり。

明日の昼に京都を出て、久しぶりの札幌へ向かいます。
そういうこともあって、今日は本社に多数の来客が・・・

今日は、
雑誌掲載の打合せから、帯紋図最後の詰め&見本裂の
検討、配色変更、小物の打合せなどなど。

その中で、一つ上がってきたのが、新しいこの御召。

IMG_2985.jpg

写真を撮って、載せてみました。

なんとも言いにくいですが、
合わせ易く、着やすく、長く着れそうな着物になったと思います。

個人的には、こういう着物に色んな帯をのせて、
コーディネートしてもらえるようにと考えています。

生地的には、経糸に三眠蚕。
その経を縞に染め分けて使い、シンプルだけど、
単調にならないように、気をつけてます。

今後、仙福屋では定番の一枚になると思います。
当然、職人さんが織るものですので、
たまにキズ物が上がる事があります。

今日も新柄一反あり、『欲しい!』と

言わはりそうな人に電話してみると、早速『頂きます』。
という返事を頂ました。


一応、写真を送ることもしましたが、
柄も色の現品を見ないで、御召購入と・・・。

勧めときながら、ちょっと大丈夫かな?

と思いつつ、『信用されているんだなぁ』、

と一人納得した一日でした。


2010年11月02日

木花コーディネート。

IMGP3851.jpg
木花

早速、結んでもらいました。
タレ無地バージョンです。

反対側のお腹の部分はメルマガで・・・
(twitterでも呟きました。)


モノづくりした帯を結んでもらい、普通に歩くのを
見ていると、何か気付くことがあります。

たとえば、地色だったり、差し色だったりと。
目の前の帯を見ながら、違う帯の柄や色を思いついたり、
することが最近とても多くなっています。

今回もこの帯を見ていて、ぜんぜん違う柄を思い付きました。
急いでメモなどを取って形にしましたので、明日の間に
もう少し具体的にして、いきたいと思います。

2010年11月01日

生まれたて!

ちょっとだけ京都から離れて、帰ってくると、
なにか新しいものが上がってきています。

例えば、写真撮った瞬間、『生まれたて』という
言葉がピッタリな帯留めとか・・・

IMG_2944.jpg

袋帯になったばかりのものとか・・・。

これから、帯になっていき前の生地とか・・・。
IMGP3842.jpg

いつもは待ちきれなくなってしまいますが、
出張へ行って、帰ってくると突然のように
形になっているというのは、なかなか嬉しいです。

今週末も出て行く予定なので、京都にいる間、
きっちりとモノづくりですね!


2010年10月31日

モノづくり 仙台で。

東京から移動して、昨日から仙台にいます
仙台は、通過することが多く、
一泊ですが楽しんでいます。

京都から出張行くときは、そうなんですが、
(特に初めての場所では、)周りをグルッと見回して、
人の話をじっと聞いて、そこの空気を自分の中へ蓄えてます。

京都へ帰った時に、それをモノづくりと、合体させると、
満足できる面白いモノを作れることが多いです。

もう少ししたら、京都へ戻りますので、
とてもワクワクしています。


先日、こんなことを聞かれました。
『帯を作る時って、どうするんですか?
ネタ探し、マーケティングとか行ないますか?』


モノづくりは個人でするので、会社は別としてですが、
基本的にしていません。

甘いと言われるかもしれませんが、
この帯は、若向きへ向けて・・・、云々、というように、
ターゲットを絞ったモノづくりというのは、とても苦手です。

それよりも
突然会った人を思い浮かべながらのモノづくりや、
こうしたら、驚いてもらえそう、喜んでもらえそう、
ということを自分の作りたいモノと交ぜながら、
モノづくりしていってます。

コーディネートでも似てて、何かを目指したものでなくて
(確率は低くても)、偶然の思いがけないコーディネート
など、そういうものが大好きです。

最近密かな人気があるこういう帯も、
人の意見、好み、今までの流れを気にしていたら、
多分できなかったと思います。
写真.jpg

『沢山売る』という観点から考えると、
上のような話は受け入れられず
また違った意見もあるとは、思いますが・・・

モノづくりは人それぞれということで・・・

2010年10月28日

急に寒くなったので・・・。


今日は、出張に出て東京にいます。
もうちょっとしたら、このまま北上して仙台へ行く予定です。

そんな東京では、こんな格好です。
なんばんしっぽう.jpg

(羽織は、濃い茶色に立涌 × 着物は赤系の強い茶の南蛮七宝御召し)

しばらく、暑かった事もあって、羽織は忘れ去られて
いましたが、久々に千鳥の羽織紐と一緒に登場です。

今日のコーディネートはいかがでしょう?

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2010年10月27日

紋図。 うちのモノづくり。

うちのモノづくりを初めての方に、一から話をして、
『一生懸命モノづくりしているんだなぁ』
と思ってもらえることはあっても、他と比較して、
圧倒的に、『これは・・・!』と思っていただくためには
なかなか難しいことです。

良くうちの帯をご存知の方(ファンの方や呉服屋さん等)は、
いつも色目を褒めて頂けます。

ただし、褒め方はだいたいこんな感じです・・・
『となみさんの帯は、なんとも言えへん、この色目が良いよ?。』
と言われたり、『差し色に色気があるよなぁ』と
言って頂けることが多いので、これまた、うちの帯を初めての方に
伝えには、余計に難しいです。

じっくりお付き合い頂くとしても、まず取っ掛かりとして、
『ほ?すごいなぁ』と思っていただくことも大事なので、
こんな紋図を見ていただくことがあります。

機屋にとって、宝物中の宝物ですので、皆さん全員に、
という訳ではなく、ほんの僅か方ですが、見ていただいています。

こんな感じのものです。
IMG_2915.jpg

これは熊野古道を帯にしたもので、先程修復が終わりました。

この他にもこの紋図と同等かそれ以上のモノとして、京百景や
千福等があり、となみ織物のモノづくりへの考え方が分かるものが
あります。

今まで、あまりこの辺りの帯を紹介することも少なかったので、
またスペシャルの帯に対して、興味を持たれている方もおられると
思いますので、紹介したいと思います。

たまたま、今日は修復の現場を通りかかったので、この紋図の
話になりました。。

明日からは、また京都を離れて、出張へ行ってきます!

2010年10月26日

スター柄。 木花です。

ずっと考えて作りたかった帯を作りました。
何度か挑戦していて、あまり納得がいかないことが多く、
今回で、◎です。

この柄を裏にした帯は、こんな感じになりました。
表との柄合わせも、お互いいい感じだと思います。

IMGP3822.jpg
木花より』

紹巴織で織って、表も細部に拘りましたが、
裏もそれに負けずに、色々としています。

IMGP3822.JPG

例えば、欠けた星や、色の入っていない、光っていない星
入れてみたり、かなりのバリエーションを加えてみました。

単純なようでいて、単純じゃない。
モノづくりをしていて、自己満足かもしれませんが、
この辺りは自分では気に入っています。

配色には、紹巴らしく、微妙なところを表現しています。

表の配色のイメージは、花と唐草の横段なので、華やかに
してもいいのですが、そうではなくて、満開でもなく、枯れた
わけでもなく、小さな花が精一杯(『せーいっぱい』のイメージ)
咲いた色の感じ。という色です。

言い表すのも難しいのですが、『木花(このはな)』という名前
らしいのではないかな?と思っています。

まだ、裏と表を縫い合わせていないので、仕上がってから、
裏向けたり、表向けたり、として、出来上がりを見るのが、
今からとても楽しみになっています。

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