となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『日記』

2010年10月06日

『いいのになぁ帯』 No.3 神坂雪佳の世界


今は京都で、モノづくりに割ける時間が多く、
少しずつですが、いい調子で全体が進んでいってます。

また、合間を見て展示場が静かな時に、
帯に囲まれる時間を作っています。

その時は、ほとんど気になる帯をじっと見ています。

毎回見るものが、一緒というわけではなく、
いつ見ても好きな帯と、最初は何とも思わなかったのに、
ドンドン印象が変わる帯。等があって、
同じ所に同じ帯があっても、イメージが変わったり、と
一人で楽しんでいます。

今日見てもらいたい帯はどちらかといえば、
そのなかでも、後者の印象が良くなるタイプの方です。

IMGP3631.jpg
『神坂雪佳の世界より』

織的は、経糸が紬糸でザックリと織り出したものです。
横糸は紬糸、通常の絹糸、そして薄い箔を通しています。

今日はその織ではなくて、柄の部分に注目です。

この図案は自分の図案の先生が描かれたもので、
神坂雪佳の図案の意匠をモチーフに、再構成したものです。

『図案』自体には、かなり思い入れがありましたが、
紋図を経て、帯にした時は、『あれっ』と特別、
気が行くものでは、ありませんでした。

それが、今では見る度にドンドン細部に目がいって、
惚れてしまう帯になっています。

この帯は、幾つかのテーマが合わさったものなので、
皆さん、それぞれ目の行き場所が変わると思います。

私的には、金の箔が各テーマを区切っていく中、
ちょっとだけ顔をのぞかせている、
銀の雪輪がとても好きです。


最近の自分のモノづくりは、スッキリなものが好みで
どちらかと言えば、図案の好みもそのまま偏っていますが、
こういう少し重めの柄付きも見て、頭の好みを
シャッフルすることも、時々してます。


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2010年10月05日

混乱。。

混乱しながら作っていたモノが一つあります。

詳細は、というか詳細を書くほど、
まだ頭の中を整理していないので、
なんともなんともですが、
簡単に言えば、総紗縫の二階建て、です。

まだまだ、配色がイメージ通りには行っていないので、
落書きのように見えてしまいます。

こんな感じです。

IMG_2615.jpg

周りでは、失敗感が漂う、なんやら冷たい空気がありますが、
意外に個人的には、納得です。

初の試みなので、なにをしても、見慣れないものにしか、
上がってきませんが、一つの色と経色を変えると魔法みたいに
コロッと変わってくると思います。

しばらくは、周りの失敗感に合わせておいて、
上手く行った時に、あれっ?と今回は驚いてもらおうかな、
と思っている柄です。

ここからは、時間がかからず、
一つずつ解いていくような作業になります。

モノづくりのちょうど楽しい所です。

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2010年10月04日

唐長さんと

先日、唐長さんから招待を頂き、
お食事をご一緒させてもらいました。

京都の木屋町(の中の感じのいい所)の、あるお店です。
木屋町通り沿いにあって、話をしながら通りと、
さっと前を過ぎてしまいそうなところです。

ただ、とても感じの良いお店です。
中はカウンター中心で、入った所は黒い漆塗りのような廊下、
言われるまで気が付かなかったのですが、至る所のに唐紙が、
配されていました。

ドンと唐紙が陣取っているのではなくて、
もし唐紙じゃなくて、そのスペースに別のものを・・・と考えると、
全く思いつかないほど、周りに完全に溶け込んでいました。

その唐紙も、すぐに張替えるものではないので、
(でも料理とのことも考えてあってか、)
一つの場所の唐紙には、四季があって、
横に目を動かすと、春、夏、秋、冬と移り変わっていきます。

見上げてながら、何か新しい上に懐かしい感じを受けながら、
食事ができました。

途中で、唐長直営店と冗談が出てくるくらい、馴染んでいて、
お皿も、このように・・・

IMG_2472.jpg

お料理ももちろん美味しかったのですが、
唐紙を見せてもらったり、お食事の合間に話を聞かせて、
もらった時に感じる『何かできそう、何か作りたい』という
気持ちを溢れるくらい、いっぱい頂けました。

本当に、この唐長柄(今は特にその中の南蛮七宝柄)に、
関われたことは、よかったぁ?。
帰ってから、一人で喜んでいました。。


今月すこし遅れ気味のメルマガも、この日の影響をモロに、
受けてしまいました。
もう少しだけ、お待ちくださいね。。

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2010年10月02日

社内では、コーディネート談義。 木田安彦の世界・着物

今日はうちの常務から・・・

木田安彦の世界』から。
上がりたての新作・着物です。

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個性的な小紋が多いので、帯を乗せてみて、
コーディネートの検討をしています。

一目でわかる、個性です。
例外もありますが、全体的には個性×シンプル。
なものが多いです。

ただ、社内的な人気は、
この意外×意外に結構集まっていました。
R0012692.jpg

一枚一枚製作しているので、社内から一旦出てしまうと、
なかなか次見ることができませんので、もしどこかで見られたら、
羽織ってみて、どんな顔映りがするのか、試してみるのも、
面白いかもしれません。

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2010年10月01日

出張行った時の楽しみ。

昨日までの2日間、横浜へ行っていました。
出張行った場合、美味しいもの食べたり、見たことない景色を
見るのが楽しいのですが、もう一つ、着姿を見るのも楽しみです。

特に、自分が関わった帯です。

単純に嬉しいのもありますが、
帯と小物合わせのコーディネートに興味があるのと、
結んだとき、着物やその人の雰囲気によって、
帯の表情が変わるのを見所にしています。

こうやって帯を着物と吊ってのコーディネートが標準としたら、
IMG_2479.jpg

こうやって、人が帯と着物をコーディネートして、結ばれると、
何倍も魅力が増します。
IMG_2491.jpg
自分が製作した帯なのに、その帯だと気付かなかったのは、
相当の不覚でした・・・。
それだけ、人によって変わるんだ・・・、と実感です。

また、作り手は手に持って、平面的に、横に帯を見ることが多い
のですが、結ぶと帯が立って、また空気が変わります。
IMG_2485.jpg

例えば、糸だけ織り上げたのに、着物に合わせて、金糸を
織り込んで見えるようになったり、柄が浮き沈みして、
奥行きが出ることもあります。

あまり難しく考えすぎるのも、なんですが、
結ばれた帯見は出張の際の大きな楽しみの一つです。

2010年09月28日

織りませんが、楽しいです。

御召しの配色を見ていました。
南蛮七宝の御召しです。

IMG_2413g.jpg

こうやって、目出し(試験織)を取ると、経と横糸の色の関係が
良く分かるので、取ります。

ただし、帯の場合はホンの僅かの違いを比べて見るためなので、
ここまでカラフルになりません。

しかも、普通の柄だったら、例えば『ここにピンクはないやろ?』
というのでも、南蛮七宝の場合、ワクワクしてしまって、
羽織だったら、ありかもしれない・・・。
と想像してしまいます。(さすがに一本は織りませんが・・・)。

また、この柄にハマっています。


今日はその唐長さんとお食事です。
いつお会いしても、目をパチパチとすることが多く、
お話だけでも、モノづくりの刺激になります。

また、それは後日に・・・

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2010年09月28日

保留 モノづくり

この九月、モノづくりは完成するものが多くありました。
構想、図案から始まって、紋図、試験織、仕上げ/完成。
となっていくので、帯の表と裏の生地が縫い合わさったときは、
ちょっと巣立った感があって、寂しい感じもします。

まだ、途中の段階の帯もいくつかありますが、再び
今は図案を作ったり、その前の構想、を考えています。

天井画を集めてみたり、風景画を見たり、

2010年09月27日

ちょっとは伝わるようになったかな?


先週は大阪や岡山へ行ったり、していましたが、
モノづくりをしていて良かった、と思うことが数多く
ありました。あまり好きな言い方ではないですが、
強み、を感じました。

お客さんと話をしていて、気が付いたことなのですが、
『うちは、こういうモノづくりです。』
『こんなモノが作りたくて、作りました。』
『こんなところが、ちょっとスペシャルです。』

といつもしている仕事を出来るだけ、帯を触りながら、
具体的に話をしているだけなのですが、
じっと聞き入ってもらいました。

最近モノづくりの話を書いたり、話したりする
機会が増えたので、多少上手くなったのかもしれませんね。

作ったモノ、それ以上に伝える必要はないと思いますが、
上手くそのまま気持ちが伝わるように、なっていきたいですね。

全然、関係なくはないのですが、昨日一日休みだったので、
本や絵本を読んだり、映画を見たりしていました。

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    →この絵本、興味のある方は・・・是非


言葉少なく、それでも人に何かを伝えるのは、
本当に難しいですね。。

今週も京都にはあまりいれず、横浜へ行ったりします。

作りたいモノが色々と溜まってきましたので、
それも整理して・・・


2010年09月24日

草履研修。。 新人気味スタッフと


今日は、スタッフ連れて草履研修へ行ってきます。
(まだ生で製作現場を見たことないスタッフ)
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年に一度位の割合で、研修として職人さんのところへ
お邪魔します。

うちの草履を製作している工房は、
その一箇所で、ほぼすべての作業が完結する、
数多くある草履職人さんの中でも珍しいところです。

西陣の場合は仕事自体は分業ですが、研修の目的は同じで、
まず現場を見ると『手』の持つ力が直に伝わって、
研修へ行く前と帰ってきてからでは、モノに対しての気持ちが変わり、
扱い方、説明の仕方が多く変化します。

DSCF0509.jpg

一度でも、しかも早めに味わっておくと、
今後の行動に影響しますので、
できるだけ感覚が新鮮なうちに(見慣れてしまわないうちに、)、
連れていくようにしています。

モノづくりには、やっぱり目で感じる感動が大事。

小物の製作の場合、帯とは違い、
工程に自分たちは大きく関わることはできないので、
その分、しっかり目を開いて、作る人の気持を感じる。

そうしていかないと、人のものを売っている気持ちになり、
悲しいことに『自分所の商品じゃない』と、
どこかで思ってしまったりします。
(帯や着物でも同じです)

そうならないように、今日はきっちりと、見て空気感を感じる。
今日はそんな事が中心の日です。

IMG_6002.jpg

完成した『仙福屋の草履』。
スタッフには、行く前と帰ってきてから、
多分全然違ったものに見えていると思いますが・・・。


2010年09月22日

中心はモノづくり

毎日、京都にいる限り、比較的新しい社員を集めて、
モノづくりについて、打合せをしています。
(このブログ内で何回も話題に出ていますが・・・)

『打合せ』と書きましたが、打合せ以外に言葉が思い浮かばなくて、
会議ほど固くないし、雑談ほど話は逸れないし、
と、そんな雰囲気の打合せです。

中心はモノづくりについてですが、どんな視点で作るのか?
作っていくのか?考えているのか?と、毎回内容は変わります。

ただ単に、糸とか素材が大事だ、柄が大事だ、織り方も大事だ、、、
と言っても、伝わるか微妙なところですので(大事は大事です)、
まずは柄や織、素材についての考え方の話をしています。

こう書くと余計に、小難しいようにも見えますが、
ただ単に、一つの柄を作るとき、
どんな感じでその柄を
作ろうと思って、
どういう気持で作っていって、
完成したら誰かに、
どのように説明したいか?

そんなことを具体的に話をしていくだけです。
IMG_2293.jpg
(こういうベストセラーの帯を出してきたりもします。)

一方的に話すというよりも、上の話を雑談交えながらの話になっています。

そうすることで、モノづくりって難しいものでなくて、
やってみないと、
なんともならないし、
自分が動くと見えるものも変わるんだ。

ということが伝わるようにしています。


と立派なことをたまに言いながら、
たまに『こんなゴーヤみたいな、帯が作りたいなぁ・・・。』
IMGP3625.jpg
と突然、言い出したり(私が)しますので、
周りには、『意味がわからん。』
と思われているかもしれませんが・・・。

モノづくりは、その人のものの見方で決まると、
思っているのですが、実際のところ、どうなんでしょうね?

新人さんたちがどんな気持ちで、モノづくりしていくのかが、

とても楽しみです。

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