となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『日記』

2010年05月29日

京都は数日涼しいけれども。。 帯も涼しげなものを。

京都のここ数日は、肌寒いです。
特に、30度を割らない日が続いたと思ったら、
急に寒さが戻ってきたため、
余計にそう思います。

そんな中、タイミングの悪い中、
出来上がった帯があります。

(先取りだから、良いのかな?)

IMGP2798.jpg
『imon; 八寸』

織りはもちろん変化させていますが、それ以外に
今までの組織のモノよりも、糸の素材も変えて、
少しシャリ感を出した織物です。(とても涼しげです。)

極々薄いベージュを地にグリーンとブルー系の
非形象の柄が菱を作りながら、端から端まで通っています。

自分ではあまり用いないモチーフの上に
自分ではあまり行わない配色ですので、とても新鮮です。


こ織物を使って、他にも
もっとシンプルなモノも考えています。

例えば、横段や格子柄。
IMGP2787.jpg

経糸だけの『縞』から、横も加わった『格子』まで、
ありますが、とにかく配色のセンスが大事になってきます。

しかも、薄い地なので、微妙な色目の変化が相手方の色目に
影響を与えて、全体に印象がくすむこともあります。


織物の特性を掴むのは、今からですので、
頭の中の柄と風合いが形になるまでに時間がかかりそうです。

3シーズン結んでもらえる帯になる予定ですので、
これで完璧言えるくらいに、
近づいて、発表できるのは、
多分来年かなぁ。。


2010年05月28日

香港・マカオ。 色目。

香港・マカオに行った理由の一つが、
昨日書いていたことです。
 http://senpukuya5.seesaa.net/article/151277606.html

そして、目的のもう一つが、行ったことの無い街ですので、
その場所に行ってみて、色目の記憶というモノでした。

海外へは、今まで何度か、今年は3度目でしたが、
行くといつも気になるのは、その都市の色です。

施設の色目や歩いている人の服の色、は当然としても、
他にも空気の色目や木や葉の色、
花の色、見るべきところは、無数にあります。

特に、何度か行った海外は、
CIMG0389.jpg
プラハ、フランクフルト、
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ミュンヘン、カッパドキア、NY、パリ、などなど、
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ほとんどが北の色目です。
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どちらかというと、単色、寒色系です。

今回は、今までよりも相当の南方、
そんな中あまり見れない色目を
目に焼き付けておこう!というのも今回の目的でした。


色目は・・・

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ずっと、カラフルな道です。

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石と黄が目に入って思わず、撮ってしまいました。

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全部が利き色。

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色目のバランスが最高です。

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緑の色目も少し抜けたような色。

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 世界で一番小さい郵便局らしい。。
 お気に入りです。
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その目の前にあるブルーも。。


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クリームにグリーン

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うちのスタッフ


風景を見ているだけで、
何か違った配色ができそうになります。

ですので、最近ずっと手元に置いている、
iPadに入れながら、イメージを作っています。
(写真見るにはとても便利ですね。。)

2010年05月27日

香港・マカオ。着物で歩く。

日曜日から昨日まで、香港マカオへと行ってきました。
いろいろな目的もあったのですが、一番今記憶に残っているのは、
街を着物と浴衣で散策したことです。


まず、香港は1997年にイギリスから返還された街ですので、
中国色というよりも完全な『都市』になっています。
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水流もあってと・・・
外観はNYにも似ているような気もします。

ですので、ビル街に似合いそうなシンプルな着物が似合いそうです。

(シンプルな御召が個人的に合わせやすそう。)
まだ、着るイメージは、作りやすいです。


それに対して、マカオは1999年ポルトガルから、
返還された街ですので、ヨーロッパ色が豊かな感じを受けました。
(しかも港町っぽい感じが町中に漂ってます。)
R0012531.jpg
さらに、中国の南方なので、とにかく南国でした。


その街で着物を着るとなると、さてどうなるのかなぁ?
と行く前にはそう思いましたが、
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意外にしっくりとハマッたような気がします。

両方の街ともに気温は30度を超え、
湿度も60%以上とかなり暑かったのですが、
着物は、風が通り抜けて行く衣装ですので、
かなり涼しく過ごせました。

『呉服』という名前の起源から考えても、
千数百年前に、中国南部『呉』から日本に渡ってきた、
と言われているものです。

香港・マカオもその『呉』の首都からは、さらには南です。
考えてみると、歴史的な面でも当然着物って、
『気候の面で考えても機能的なんだなぁ~』と、
妙に着物の歴史として納得していました。


着物で多くの時間を過ごしたのは、マカオで、
この時の私の着物はこんな感じです。

R0012653.jpg

夏に着る着物で、一番のお気に入りです。

合わせる帯は、
R0012654.jpg

これまた、夏には定番の組紐角帯。

このような街を歩いて、歩いて、歩きました。

観光地ということもありますが、歩くたびに現地の人も含めて、
一緒に撮影をして欲しいということで、中々前に進めない、
というほどの注目を浴びました。


10人前後の着物浴衣姿が、太陽浴びながら、
今思い返しても、ちょっとワクワクとします。

R0012414.jpg


海外でわざわざ着物着なくても、
というたまーに声も聞くことがあるのですが、
色々と思う前に、着てみると、
感じれることが多くあると思います。

今年は、3回海外で着物を着て、行きましたが、いずれも
様々なことが吸収できましたよ!


2010年05月21日

新しい試みの織物。 シーソーのようにバランスをとる。

今日の京都は30度ということで、
エラいことになっています。
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そんな中、配色していると、不思議と・・・
自分の置きたい色よりも、ほんの少しだけ
薄い系統の色目の糸を最初に握ってしまいます。

これは、久々に試験も兼ねた目出しですので、
紹介しておきます。

IMG_0132.jpg
見た通り、泡がポコポコとなって、
流れのある水の上を行くところをモチーフにした、
ものです。

こう写真だけを見ると、配色がちぐはぐで
完成まで『まだまだだなぁ』という感じがします。

織物的には紹巴織で織っていて、地の色目の交わりと、
上に載っている色目とのバランスで雰囲気が大きく、
変わるような紋(設計)になっています。
(ぱっとの見た目は変わらないのですが新しい試み。)

シーソーみたいに、色のバランスを考えての配色と
なりますので、『内心で上手いこといった!』
と思っていても、上がってくると、実は予想よりも遠い、
所に行ってしまいます。

ただ、数色の色目がすべて関連した設計ですので、
最終的に配色がハマった時には、上品なまとまりのある
水玉の大小が出てきます。

この柄は、裏地に付けようと思っていて、
表柄は、『作楽:麹塵』です。

2010年05月19日

二条城話の続き

今日は、二条城へ。
先日の新聞に掲載された『松に鷹図』寄贈です。
 →http://senpukuya5.seesaa.net/article/149676044.html


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あいにくの雨でしたが、お城の前は、
修学旅行・観光を含めて、大勢の人でした。

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雨だけに新緑が綺麗です。。


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その時の着物は、やっぱりこの時の掲載と一緒で。
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『角通し柄の御召×南蛮七宝御召の羽織り』
です。


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2010年05月18日

夏に向けて~。

ただいま、夏らしいモノが人気です。

帯でいうと、メインは『総紗縫』で、
小物は、日傘、帯留、扇子などなど。

暑くなりかけている京都なので、小物を
並べているだけでも、結構涼しい感じがします。
photo 4.jpg
『瑞玉』→http://www.senpukuya.jp/SHOP/360639/360654/list.html

日傘も充実してきて、今年は、蛍と金魚が登場したりと、
かなりバラエティ豊かです。
 →http://www.senpukuya.jp/SHOP/384749/list.html

着物着て、傘をさして見上げると、上に蛍や金魚が、
飛んだり、泳いだりというのは、かなりオシャレ感と
清涼感があるとおもいます。。。

もともとは、帯なので、
これはこれで・・・ということがあります。

それは、
この『蛍・金魚日傘』を夜にさしてもらうと、
ボワーっと光ります。
photo 2.jpg
『蛍:日傘』→http://www.senpukuya.jp/SHOP/10553.html

夜中なので、日傘はいらないと思いますが、
それはそれで・・・

夏きものを着ていきたい方に、是非おすすめです。

モノづくり的には、帯を日傘の形にすると
組み合わせ次第で思わぬ柄・形になります。

例えば・・・
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『縞:日傘』→http://www.senpukuya.jp/SHOP/10554.html

万華鏡のようで、
知っている柄が、初めての見る印象に変わります。

職人さんから入ってきたばかりのものを、
じっと眺めると、何かのモノづくりのヒントになりそうです。

種類としても、
今回は少し趣向を変え、シボを作って、
立体感を出してみたのもあります。
photo.jpg
麻の葉が少し凹凸しています。


他にも、パナマの台も完売したりと、


今年は、例年以上に皆さんの
『夏に着物を着る!』
という気持ちが伝わってきます。


私も次の日曜から香港へ行って、
着物を着てきますので、
多分日本にいるよりも一ヶ月ちょっと早く、
今年初の夏物になりそうですよ。

浴衣も良いのですが、夏の着物が周りに
増えてくると、まずは目が涼しげに過ごせそうですね。

ちょっと今日は、CMっぽくなってます・・・


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2010年05月18日

いい

今日は二条城へ『額装』を寄贈してきました。

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2010年05月17日

『いいのになぁ、と思う帯たち』No,1


『いいのになぁ、と思う帯たち』
というわけで、第一弾。
 →http://senpukuya5.seesaa.net/article/149856083.html

IMG_0051.jpg
この帯です。

シリーズは、金銀花
織りは、紹巴織


前も書いていましたが、
IMG_0055.jpg
昼休みに、人がいないときや、
終業後に座って帯を見ていると、
いつも目が行く帯が何本かあります。
(ちなみに、この写真は南から北に向けて撮りました)

蝶々をモチーフにしたものですが、
大きさといい、色目といい、とてもバランスが
良い帯で、個人的に好きな帯です。
(このお友達柄もあります)

ただ、私が製作に関わった帯ではないので、
制作者談は、難しいですが(また聞いておきます。)、
お洒落からセミフォーマルまで、色目としての用途も
応用が利きそうです。

もし、可能であれば、この柄を生かしたまま、
配色を変えて、自分らしく作ってみたいとも、
思っています。

その色がまだ思いつかないので、何とも言えませんが、
もう少し華やかで・・・

あまり沢山の帯の中では、
際立って目立つものではありませんが、
(密かに)少しずつアピールしていきたいと思います。

2010年05月16日

今日の京都。

今日京都は快晴。

朝から着物で、昼は袷には少し暑い!

と思っていましたが、
その分夕方はとても綺麗でした。

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とても京都は着物日和。。


2010年05月16日

『いいのになぁ』と思う帯たち

今日は三階の展示場にいて、
この帯全部見てもらいたいなぁ、と思うことがありました。
(たまに、座り込んでます。)

帯だけで凄い数ですので、一柄一柄ずつというのは、
なかなか難しいですが、それでも見てもらいたいものは、
数多くあります。

それで、『いいのになぁ、と思う帯たち』
というものをテーマにメルマガを中心に、
ブログも含めて、取り上げたら面白いのでは?
と思っています。


となみ織物でモノづくりに関わる人は、
毎日モノづくりをしていて、自分の感性を形にしています。

それはもちろん、いいことなのですが、
完成したものを一通り全部見せきれないというのが、
困った所です。

モノづくりをしていく上で、『こればかりは仕方ない』
と割り切るのは簡単ですが、

1新しいモノを作って
   ↓
2評判をもらって
   ↓
3それをまたモノに還元、というのが

通常のモノづくりだとすると、
1の段階で止まっているのは、悲しいところです。

ほとんどのメーカーというのは、
ものを作るのが好きな集まりだから、
余計に、今までを忘れて新しいものへと行ってしまいます。

その中には、
(悲しいことに)忘れられて仕方無いモノも稀に・・・
ありますが、
忘れ去られるにはもったな過ぎるモノもあります。

もちろん、ある程度の数を京都の本社展示場には見ることができます。
ただ、こんな風に数千本の帯が並んでいますので、

IMG_0055.jpg
その中から見つけるのでも、これまた難しいです。

ですので、『隠れた帯』を一本ずつですが
皆さんに見て、楽しんでもらいたい、のと、
それらの帯のためにも、行っていきたいと思っています。

ただし、私が説明するので、『私が好きなもの』
という気持ちが入るのと思いますが、それはそれで・・・。


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