機が空かなかったため、予定より約一週間遅れましたが、南蛮七宝文様の総紗縫・新色が上がってきました。夏らしい(オールシーズン帯なんですが・・・苦笑)色目で、とても新鮮です。
ちなみに、この文様で総紗縫を織ると、構造としては一番シンプルな形です。帯の色に影響する要素は、『経糸、緯糸、箔』の3つだけ。(糸の本数等々の話を除けば)基本的にこれだけで色が決まります。ただし、一番シンプルと言っても、この総紗縫は、独特な綟り織りですので、透け感も特殊。それに加えて、素材の箔も独自のものですので、横に通す糸の色味は、透け感と箔に持っていかれ、非常に仕上がりの予想を立てにくい織物です。
今回、織った帯の色目と織り上がりの帯を見比べると・・・。
色味はこれくらい違います。
『南蛮七宝文様/総紗縫』
箔を使わない『KILIM(キリム)』等であれば、もう少し糸に近い色で、クッキリと色を出すこともできます。が、見る角度や光によって、この南蛮七宝文様が消えかねない、それくらいの柔らかな色をイメージしていましたので、この2色はとても上手く行ったと思います。
ただ、南蛮七宝文様の紗に関しては色ごと限定3本しか織りません。上手く行ったと満足して止まっていると、その後は直ぐに新しい配色を考えること、というのが後ろから迫ってきます。単なる配色変更だけにしても、常に色のこと、モノづくりを考えておかないと、自分の中の色ストックが無くなってしまいます(苦笑)怖い話です。。。
この帯に関しては、後これから2本ずと織り上げていきますが、織り上がり後、機が空いている間等々を考えると、時間は全然ありません。写真のように色糸のイメージだけでは織り上がりも異なりますので、色を考えて、試験取って、修正をして・・・と考え過ぎると、ヤバイ時間が・・・となってしまいます。
遅れるのは良くありませんが、色々と横に置いておいて、新緑の自然の色を眺めながら、色出ししてと、GW中は多少でもゆっくりと考えたいですね〜。
まずはこの2色、夏に結んで頂けることを楽しみにしています〜。