となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『日記』

2009年06月08日

当初から比べて、遠くまで来ました。

月曜日、
一番新しい『総紗縫』の新柄が上がってきました。

『総紗縫』という織り方自体、
ずっと織り続けているものではなく

注目自体は本当に、
最近(3~4年)のものです。

しかも織り始めた時は、
シンプルな柄しか織れませんでした。

こちらもどこまで、
この織で可能なのかわからず、

最大限まで、『作り切ったぞ~!』
と思える柄はほとんどありませんでした。

ですので、
もう廃番になってしまった柄が多くあります。
(わずかですが、人気を保ち続けている柄も)

Image533.jpg

今日、上がってきた柄は、『総紗縫』の経糸と横糸の
バランス(上げ方)といい、無地の出し方といい、
パズルみたいなものです。)

相当の部分、『総紗縫』という織物を
使い切ったモノに上がりました。

今の所、『これ以上はもう考えられない』と、
思っている自分も多少いますが、

ここから、『さらにステップアップできそう・・・』
と半分以上は思っています。

ただ、困ったことに、
いっぱい色んなことをやり切った帯が
『結びたい!』『気にいった!』

云ってもらえるかは
全くの別問題なのが、

モノづくりの難しくて、良い所なんですがね・・・

『総紗縫』で、今でもとても人気のある
最初期の柄が、それを物語ってます。

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2009年06月06日

漠然とした話ですが、進んでいます。

『南蛮七宝』、『海路』というと、

その原本だけでなく、『織』のファンも、
ホンの少しずつ増えています。

現在、この柄に『となみらしさ』を持った柄を
加えようと、様々な文献を元に考えています。

その中の大きな候補に考えているのが、
モノグラム(monogram)です。

=『ルイ・ヴィトン』と思われるかもしれませんが、

元々は、複数のいくつかの
文字や記号を交えたデザインのことです。

『らしさ』、ということですが、
思っていたよりもとても難しいことです。

ただ単に並べ替えたり、
形を変えてみたり、
今製作している柄と組み合わせしてみたりと、

とにかく、
しっくりとくるまで、続けています。

今は、『しっくり』のかけら候補が2つありますので、
それを大きく育てようと思っています。

今日は、土曜日で職人さんも休まれる方が多く、
社内はいつもより静かなはずなのですが、

バタバタとバタバタとしているので、

パンフレットやHP用の撮影チームに同行して、
環境を変えながら、柄を思い浮かべようとしています。

こういう集中時には、

『今まで詰まっていた他のこと』

『考えている帯の完成時の名前』
は、
先に決まったのですが・・・。

もう少し、出てくるまで動いてみます。

51nIWkfxaeL._SL160_AA115_.jpg

映画上で、主人公がある小説家の話通りに、
(現在進行の執筆中)生活が進んでいく話です。

この映画の思いつきそうで、
でも出てこないアイディアが好きです。

夜一人で、ボーっと見ていましたよ。

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2009年06月05日

モノグラム作り。け

文字や書記素を組み合わせた記号

好評の『ケルティック』;裏地は、結び目文様です。

ケルト文様を見ていて、繋がっていないものに関しては、
並べるとモノグラムが出来そうです。

風邪薬でボーっとしていたのが良かったのか、
モノグラムがふらふらとしています。

モノグラムというと、ヴィトンを思い浮かべますが、
(そういえば、私は何も持っていません)、

結び目のような文様なものを並べていくと、
とても感じのいい柄に見えます。

家紋のようにも見えるし、
何か懐かしさを感じます。

そんな柄を『ケルティック』シリーズに加えたいと思っています。

そんな柄に相応しい名前を考えていたのですが、
『celtic knot(ケルトノット)』という名前を付けてみました。

意味は、そのまま『ケルトの結び目』です。

個人的にはとても気にいっていますので、

2009年06月05日

集中のいらないこと探し。

風邪が全然抜けない毎日が続いています。

その間も
今までモノづくりをしていたモノが、
少しずつ上がってきています。

風邪薬で少しボーっとなりながらですので、
なかなか紋・配色も決まりませんので、

今は、ほとんどストップ状態です。

こういう時は、社内にある色んな参考文献を
とにかく、ザーッと見ていくのに限ります。

いつか分かりませんが、
今日見たモノがパッとまとまって、
いいアイディアが出てきますので・・・

声もガラガラで、電話しても、一瞬以上誰だか、
気づかれませんし、

あまり集中力のいらない、いつもと違うことを
やった方がいい日になっています。

こういう時に、体調管理は大事だと、
つくづく思います。

こうやって帯を並べて考えてみたりと・・・
Image525.jpg
そんなことに、
いつもの何倍も時間を使ってます。

2009年06月03日

ある柄の一部。。

Image521.jpg

ある自分でおこした柄の一部です。

実は、帯全体で言うと『ほんの少しの部分』ですが、
とても苦労した記憶があります。

多分、日記を戻していくと
どこかに書いているような気がします。

今日たまたま、次の発表掲載の話をしている
横にこの帯を並べていて、ふと思ったことがあります。

というより、この柄が、
『もっと使ってよ。。。』

と言っているくらい、何かできそうでした。

良く覚えていた紋なので、紋図を出して、
触っているうちに、面白いものの『形』ができました。

さらに、この配色を見ているうちに、
なぜか『ゲルニカ』の色を思い出して、
ある柄の配色を変更しました。

ちょうど、今まで『もう一パターンあれば。。。』
思っていた所で、本当に良いタイミングでした。

そんなこんなで、タイミングよく、一日中モノづくりを
し続けれましたので、

気が付いた時には、
一週間分は出来たと思います。

たまに、こういう日があるんですね~。
と、今日は満足感に浸ってます。

明日は、モノづくりリバウンドで一週間分、
遅れないようにしていきます。。


2009年06月02日

今の風邪は肩身が狭い・・・

いつ引いてもイヤなもんですが、

特に今は『まあ~、いやな時に風邪引いた』、
と思います。

咳しても、冷たい目で見られますし・・・

それは、それで。

試作を通過して、第一弾完成しました。
ので、報告をしておきます。

『古都里 総紗縫バージョン』
090602_1017~0001.jpg

まだ、開けていないので、
それはまた後の楽しみに取ってあります。

ちなみに、前回の試作の時は↓
Image2601.jpg
 ⇒『帰りの新幹線で

今回は、キッチリと『仙福屋』の商品として、
見て頂けると思います。

ケルティック』新柄が思っていたよりも、
1ヶ月近く余分に掛かってしまいましたが、

』は完成しましたので、
次は、紋彫り→目出し(試し織)と、

帯になるまで、先が見えてきました。
(まだまだ長い道のりですよ。)


他にも、社内数人で話していて、
形になりそうなものなどもあって、
90%は失敗しそうなのもあります。)

体調とは反比例して、快調に進んでいます。

こちらの本も読みました。
51NJmcj4jFL._SL210_.jpg


読んだ後、いつも通り、
喪失感を感じて、夜に何かぽっかりと穴が、
空いた気持ちになりました。

Book2とあるので、
Book3を待つことにします。

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2009年06月01日

二回の図案を使った帯を発表しました。

恒例の美しいキモノは、
伊藤若冲の世界』の新作

美しいキモノ09’6_.jpg

そして、恒例の
きものサロンは『夏号』はお休みですので、

今回は
61kHkXq758L._SL500_AA240_.jpg
(家庭画報 2009年 07月号)(6月1日発売)
へ掲載しました。

記事自体は見ていましたが、
本の中に掲載されているのを見ると、

いつもと違う中ほどの場所に載っていますので
突然現れるように思います。
(探していたら、ビックリしました・・・)

premium.jpg
こういう感じです。

実際記事の色目は、もう少し白が立っていて、
バッグと日傘とのコントラストが効いています。

『総紗縫premium(プレミアム)』

真ん中にある『総紗縫』は、
手で少しずつ施した刺繍が入っていて、
近づいて見ると、気が遠くなるような細かさです。

柄に刺繍してあるのと、
柄以外に刺繍してあるのと、
2タイプです。

帯柄のデザインを見ながら、
柄が活きるように、考えています。

帯の図案一回でなく、さらにもう一度、
合わせて『2回の図案』を使ったような帯です。

工程的にも帯で織り上げてから、
さらに二か月以上、掛かりますし、
なかなか上がってきません。

まだ限定数しか製作していませんが、現在
数本総紗縫をお持ちの方に人気があります。

なかなか希少性の高い帯ですので、
見かけたら、手に取って是非見てもらいたい、
と思います。

今回は、いつもと違う所に載せましたので、
記事への反応も変わり成功だと思っています。

それと・・・、
時期もそうなので、総紗縫を使った
日傘利休バッグへの反応も抜群です。


もう次の『秋の帯』を決めていますよ・・・

物凄く話題作になっていますが、
芝生の上で読む本も良いモノです。

Image509.jpg
本の中に
巻きこまれてしまいました。。。

今、2の途中でもうすぐ終わってしまうのが、
勿体ない気がします。

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2009年05月30日

夏の人気。 『麹塵染:夏』

新しい夏物です。

紬の中でも、シャリ感のある生地ですので、
夏の時期にも颯爽と着て頂けそうです。

しかも、
染はとなみ織物の看板となっている『麹塵染』。

『麹塵染め:夏』
Image501.jpg

畳の上においても、畳の目が見えます。

さらに、この生地の風合を見て頂きたかったので、
持ったり、重ねたりとしましたが、

異なる配色の同じ生地を重ねた時、
ホンの僅かな生地感が、とても綺麗でした。

Image502.jpg

『暑くて暑くて、夏の着物はちょっと・・・』
という方でも、

『夏出かけたくなる着物』

というのが、今年の夏物の、
コンセプトになっています。


『夏』つながりで

この夏の新作発表をしている『家庭画報』からも、
さまざまなご意見いただいています。

早い所は、もう並んでいる所もあるそうなので、
是非、一度見てくださいね(6月1日発売)。

また、来週その『家庭画報』の記事詳細は
載せていきます。

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2009年05月27日

今日も出たり入ったりで。。

京都にいて、最近、
いい色だなぁと思った食べ物を

アップしておきます。。

090524_1023~0001.jpg
ここ4,5日ずっと食後のデザートです。
(パッションフルーツです)

今作っている帯の配色に使っています。
うまくまとまると良いんですが・・・


多分、帯を見て
パッションフルーツだと思う人は、

いないだろうなぁ・・・

2009年05月26日

財布使用感。

ここ2か月、この財布を使っています。

Image472.jpg
現在人気作で、
品薄になっている柄もチラホラ出てきて、
早速追加で製作しています。

今までの2か月のうち、
最初は新しいモノ好きとして、

『この財布が~。帯地で・・・』

周りに見せて見せて見せて、

いたのですが、最近は普通
持っています。

そうすると、不思議とその方が
反応良く、コンビニの店員さんからも

『どこの財布ですか~?』
と聞かれたりもしました。

この前は、
『えっ』とビックリしてしまいました。。

『これ作りましたよ~』とアピールした時の方が
反応薄だったので、

自分のCMの下手さをかなり感じています。


素材は、100%絹なので、手触りは
『なめらか』です。

ただし、帯とは用途が異なりますので、
帯の機で織るのは同じですが、

横糸に通常の3倍の糸を通しています。
(生地もなかなか上がってきません)

財布を作る職人さんも、
丁寧な仕事をして頂いているので、
Image473.jpg
 ↑ 今まで色んな職人さん見ましたが、一番です。

生地から始まって、上がってくるまで、
トータルで早くても一か月半、
普通に約3か月近く掛かります。

今後、こういった小物を通じて、
『和』を身近に持ってもらいたいのと、

雪佳という大家が創作した『海路』をゆっくり
育てていきたいと思っています。
世界のどこにも負けない素晴らしい柄です。)


この次に、自分で欲しいものは、
普段の生活で良く触るモノとして・・・

やっぱりブックカバーかな?

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