となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『日記』

2009年02月18日

浮いたり、消えたり、浮いたり、消えたり。

タイトルの通り、そんな織物です。
何度か、日記上でも書いていました。

http://senpukuya5.seesaa.net/article/110334600.html 
 (作っています。)

http://senpukuya5.seesaa.net/article/112693848.html
 (自分用でつくってしまいました。。)


今回は、その中の新柄。
竹
(と言っても、すべて『春に発表』の新作です。)

数度、内見会のように少し見て頂きました。

評判良く、皆さんの意見を聞きながら、
新たに製作したものです。
(春に間に合って良かった・・・)

この着物の一つの特徴は、
柄が浮いたり消えたりするところです。


反物の段階で、上や下、ねじってみたりと、
090217_1527~0001.jpg


柄の表情がコロッと変わっていくので、
090217_1528~0001.jpg

それだけで見入ってしまいます。

写真の柄は細竹で、江戸小紋『筋』を思い出させ、
少し粋な着こなしができそうです。

私は着物の柄は、シンプルなモノが好き
なので、お気に入りの一つです。

やっぱり、自分用のが欲しくなります。。

2009年02月16日

たまには、花でも。。

土・日と少し仕事とは関係なく、
京都を離れていました。

その間、花を見る機会があったので。。
IMGP1568.JPG

『普段、生花を見る機会が多いか?』

と自分の中で考えると、最近は全くありません。

ですので、
自然の色目が新鮮に映りました。

本当は色糸の色目の方が、
人が作り出すので『不・自然』
(良く見たら、名前の通りですね・・・)

不思議なモノを見るように、じっと見ていました。


それでもこの写真の花の様なコントラストが強いと、

『絣みたい・・・』

と思わず呟いてしまうので、少し重症かもしれません。


そんな長い時間は、なかったのですが、
気分的に軽くなったような気がします。


他にも、毎日上がって沈む太陽も、
IMGP1599.JPG

普段、気にせず生活しているので、
意識すると、様々吸収できそうです。

今、この辺りが欠けているんでしょうね。。
(自分に)

あまり意図したことではなかったのですが、
とても勉強になって帰ってきました。。

2009年02月12日

小物のショーケース。

京都本社の小物置き場の模様替えを予定しています。
模様替え兼引越しになりそうです。

本社は京都の堀川通寺ノ内から、ちょっと入った所。
そこから、堀川通り沿いにある別館へ移動します。

20090212_182747.jpg
場所は、ちょうど裏千家の前くらいです。

管理のため、というのが大きな理由ですが、
置き方や陳列方法などをもう少し工夫できる

『ショーケース』
みたいな

そんなスペースになったらいいな。
と単純に考えています。

今は全くの事務所なので、
味気もないですが、

いかにあるものだけで、シンプルにするか・・・

多分並べているうちに、モノづくりのアイディアや
良い分転換になることも少し期待しています。

本社中には、企業秘密が大変に多いので、
簡単に人が出入り出来ないのも、大きな理由です。。

しばらく、時間はかかりそうですが、
上手くいけば、また『ショーケース』をご披露しますね!

2009年02月10日

念願のケルト文様。 『ケルティック』

最新のメルマガでも取り上げていた柄です。

ケルト1
ケルト文様を今後も『個人的』に製作していきたい
と思っています。

なぜ、『ケルト』なのか?
というと、

『結び目』や『つながり』ということでも興味を
持ったということもありますが、

ずいぶんと前から、古代ローマと
その周辺の時代・文化に浸っていたので、
何年も、
柄を『何とか自分なりに・・・』と思っていました。

『柄自体に惚れる』というよりも、意味付けや背景から
先にスッと入ってきた、というのはとても珍しいことです。

他にも、『これは作るべきだなぁ』と思う、
様々なキッカケが重なり、製作し始めましたが、
今まで製作してきたモノとは、また違った思い入れがあります。

↓今は裏地の製作中です(先にこちらのイメージが先です)
ケルト2
ちなみに、これも結び目(ケルトノット)です。

ただ今、色目が2色(上と下)どちらにするか、
今悩んでいます。
(上は、グリーン系、下は茶系;微妙・・・)

さてさて・・・
完成はどうのようになるでしょう?

2009年02月09日

近くで感じる技

昨日は、日曜日でしたが、
会社は開けていました。

遠くからツアーで来られるためですが、

ここでしかなかなか見れないもので、
さらに楽しんでもらえるものを・・・

と思い、
箔の職人さんに来てもらいました。
090208_1130~0001.jpg
評判としては、です。

薄い薄い箔が引っくりかえらないように、織る工程も
素晴らしい技術ですが、
.
その前段階『箔を作る作業』というのも、
また違った職人技で喜んでもらえたようです。

もちろん、普段の仕事場ではないので、
100%の再現は難しいですが、材料や道具を

持ち運べる範囲で集めてもらい、休みにも
関わらず出てきて頂いた職人さんにも感謝です。
090208_1128~0001.jpg
 ↑また、ひび割れた感じもイイ味です。

職人さんも、皆さんの反応が返ってくるので、
いつもと違った雰囲気を楽しんでおられました。。

休みの日でも、全社員の半分も出社で、その中には、
この2月から入ったばかりの新入社員もいて、

初めてみる技をじっと見ていましたので、
また仕事への感じ方も変わっていくでしょうね。

この技術も含め『職人技』は、本当に残したいです。
皆さん、お疲れさまでした。

2009年02月06日

考え方のモノづくり。 作楽紬(1)

私たちは、
『紋』を作る時に一番モノづくりに関わります。

新しい帯組織(織り方)を試す時などは、
特に気が入ります。

糸使いや打ち込みによって、
場合によっては織れないこともあり、

何でもそうですが、頭の中だけで行うのとは、
やっぱり違ってきます。

ですので、帯という形にしようと思うと、
それに集中して付きっきりになることも多いです。

今日紹介する帯(織り方)は、
上のような新しい組織では無いのですが、

これも新しいモノづくりです


それは、『今までのモノ』を
『今までやったことが無い』
『かたち』で表現したモノです。


それは、

縁だったり、面だったりと
組み合わせを工夫したり、

一つで使っていたモノを他と組み合わせてみたり、
二つのモノを、バラバラにしてみたり、
偶然に出来たモノを全面に使ってみたり、etc

まだまだあるとは思いますが、
そうすることで、

『今まで自分でしたい』

と思っても、

『これ以上無理か?』
悩んでいたことが、解消されることもあります。

新しいのは、モノづくりする『考え方』です。

今製作しているモノの中では、

金糸と絹糸で整経した経糸を織り上げ、
経糸を職人が一つずつ、

クシで揺らしていく
織物です。
090204_1510~0001.jpg
揺らした部分がボリュームと味になって、
結ばれた時にカジュアルさが前に出てきます。

その一手間が、味の織物です。

織り自体はとても難しく、
織れる職人さんと機も少ないものです。

そんな特徴のある織物ですが、

今回は、地に使っていた織の上げ方を、
一つの帯の中に数種類変化させてみました。

経糸がフル活用して、柄を変化させていますので、
色目を使っていないように見えても、

着物に合された時、様々な表情を見せて
くれる帯になっています。

製作には、見た目のシンプルさからは、
想像できないほど、時間がかかってます。

是非、見てもらいたい帯の一本です。
090205_1029~0001.jpg
完成した後、ド~っと思いモノが、
体から出て行った気がします。

※1~6月 9~12月と約10か月間と
 かなりの長期間、結んで頂けますよ。


ポイントで、面白い紬を使って、
さらに変化を出しています。

 ↓ こんな紬糸です。
090205_1336~0001.jpg

このシリーズは、製作に時間が相当かかり、
全く完成予定が立ちませんので、

コツコツと進めています。

シリーズは、
『作楽 白黒紬』という名前を付けました。

2009年02月05日

西陣の散歩。

昼に西陣を歩くことがあり、
15分前後歩いていました。

ちょうど今日の京都は、
暖かく散歩日和です。

090205_1228~0001.jpg

京都らしいですよね。
090205_1228~0003.jpg

平日の昼間なのに、誰も歩いていないし、
車もほとんどない状態で静かです。

090205_1228~0002.jpg

ほんの少しの間の京都を味わっていました。

2009年02月04日

面白い帯揚げ。

昨日紹介していた帯揚げは、
織が面白くできています。

『仙福屋』の新しい小物です。

半分、夏。
半分、袷。

090204_1343~0001.jpg
写真では、少しわかりにくいですが。。。

左が、
右が、袷です。

色目も、合わせて製作しましたので、
オールシーズンで使いやすい、と思います。

総紗縫の帯と合わせたら、さらに便利です。
(そう思って、製作したのもあります。)

長い帯揚げの歴史から考えると、

もう新しいものは、出来ない?

と思ってしまいますが、
新しいものというのは、

発想次第
でいくらでも作れますね。

もちろん、帯も一緒です。


この2月に入ってからは、息継ぎなしで、
バタバタとしていて、充実しています。

今日も面白い『着物』が上がってきましたし、
(ちなみに、南蛮七宝です。)

その他、
相当変わった『帯』も上がってきました。

少しずつ紹介していたいなぁ、
と思っています。


今日の追記には変なものも・・・

こんなことをしている今日を振り返ると、
まだまだ余裕があるのかもしれませんね。

ムービー 0204-0001.3gp

社内評価の分かれる鳥?で、
ハマっていました。

プラハへ行って、マリオネットに
ハマっていたのを思い出しました。。

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2009年02月03日

新手の・・・

今日は、一日中バタバタと、京都を北から南まで、
移動、移動でした。

打掛に囲まれていました。。

ちょっと面白いモノが上がってきたので、
これだけ紹介しておきます!

帯揚げ3.jpg
 クリックしてもらうと大きくなります。

帯揚げなのですが、
ある秘密があります・・・。

それは、また明日m(__)m

2009年02月02日

目の前を通り過ぎていく帯

何度も、決算の話を出していましたが、
昨日無事終わりました。

今日から再び始動です。

昨日は、休みでしたが全員で棚卸をしていました。
年に2回やっています。

帯や着物の数を数える、原料を数えるなどなど、
していきます。

私は、『デザインルーム』という会社にある本を、
図案の元になるものや、発想のもとになるようなもの、

がある部屋の整理をしていました。

新入社員の最初の頃は、時間を見つけて、
ここに籠ることを、お勧めしている場所です。

中に入ると、帯と本が目に入ります。

一人で持ち上げると腰がやられてしまう本や、
薄くて間違えて、捨ててしまいそうな本
ボロボロになって吹けば飛ぶような本(文献?)、

などなどが本棚にずらーっと収められています。
宝の山です。

いつもある程度は整頓されていますが、
この日は気を入れて整理しましたので、

見たことのない本・資料が大量に出てきました。

途中から、整理というよりも発掘に近い感覚で
してやってましたが・・・

その中で、『当たり!』と発掘した中から数冊の本を
手元に置いています。

これら本を開けた時は思わず、
手を止めてしまったモノばかりです。

こういう感覚が年二回、
モノづくりの活力にもなっています。

こんな感じの本です。
090202_0958~0001(2).jpg
こう見ると、意外に外見は綺麗ですが、
中の方は古文書風の年代を感じます。

今から食い入る様に本に入っていきます。

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