『今は、経の織物を製作しています。』
と書いても、『経の織物』というのが
分かりにくいかもしれません。
(大きく分けた織物の中では、経錦といいます)
まず、基本的に織物は、経の糸と横の糸(緯糸)
とを使って織ったものです。
そして、織物の『表面』には
経糸・緯糸が交互に出てくるので、
もし、経糸⇒黒、横糸⇒白の場合、
織り上がりの見た目はグレーになります。
(黒色+白色=グレーのような感じ)
これが原則。
(厳密には、糸質等々により大きく変わることも・・・)。
そして、
となみ織物内で主力となっている紹巴織は、
緯糸で経糸を包み隠す織方なので、
上の黒白の例でいうと、白色になります。
そして、今製作しているモノの場合。
ちょうどその反対の、『黒』になります。
(ただし、経糸に数色使えるので、ただの一色ではない。)
言って見れば、経糸が
帯全体の色目を決める織り方(組織)です。
横糸(緯糸)で色を出す最大の特徴は、
色が調整し易く、様々な配色をし易いところ。
その代り、何も考えずに設計図(紋図)を書くと、
帯が、重くなり結びにくくなる。
経糸の織物だと、とにかく余分な糸は通さないので、
軽く薄くなる。その代り、多彩な色使いをするには、
頭を捻ってひねって、作る必要あり。
と、全く正反対の織物です。
もちろん、
モノづくりする時もその織方に合わせて、
頭の切り替えをしながら、製作していきます。
そして、まず一柄目は
『太子間道:たいしかんどう』という柄です。
聖徳太子に由来を持つ、
柄と言われていて、、
千年以上歴史を持つ、定番中の定番のモノです。
ただ、配色をグレーベースに配色をすると、
千年経った今でも新しい感じを受けます。
もちろん、経の織物なので、
『とにかく手に持っただけで軽く感じ、
結び心地も素晴らしい~!』
と評判を頂いてますので、
今後大きな期待を持てる織物です。
経糸が擦れ合って、
絹ずれの音が鳴る、ということから、
名前は、『鳴錦(なるにしき)』といいます。
ぜひ、音を聞いてもらいたい帯です。
それと・・・
昨日アップする予定だったのですが、
京都の七夕の空は・・・
分かりにくいですが、雲しかありません。。
記憶の中で、
七夕の夜が晴れた記憶が、ないなぁ?