となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『日記』

2008年06月28日

朝一番にすることから、土台作りまで。

朝、第一番目にすることに、

帯の配色チェックがあります。


目出しという、見本裂を見ながら

たいてい毎朝、悩んでいます。

この時期の目出しは、

『なんだ、これは!』

と、
いうくらい帯になっていません。


それは、
全く試作の試作というものなので、

もし帯の長さに織ったとしても、

ただの布きれにしか見えないものばかりです。


ここから、
少しずつ素材を変えてみたり、

織を変えてみたり、改良をしていきます。


皆さんに、
何か見てもらうモノがないかなぁ?

探して写真を撮りましたが、

ももけた糸の集まりにしか見えません・・・。


帯の完成品が何百本と集まると、

美術館にも負けない自信がありますが、

この裏側の製作現場を見ると、

凄まじい、です(何でも、そうでしょうね。)。


しばらくは、土台作りという地味で一番大事な

期間です。

がっしりしたモノを作って、秋⇒冬に新しいモノが

出来る土台を作りたい、と思います。


ちなみに、今作っているものは、

誰も相手にしていないモノですが、

とても意外な風合いなので、

向かい合ってます。


今日は、

昼から日帰り予定で、東京へ行きます。

6月なので、単衣です。

暑いかなぁ、と

また明日は、
知り合いの小物屋さんの展示会なので、

今日の自分の姿を見て、
また何か買ってしまいそうだ・・・と思いながら、

これを書いています。



そういう言えば、

『仙福屋』面白い下駄が入っていました。

下駄を見ると、

今年は浴衣も作らななぁ~。
(浴衣にスイカ:いいコーディネート!)

と思っています。

2008年06月27日

京都のこの時期と言えば・・・

京都の6月からの料理と言えば、

『鱧』ですね。

はも小鍋


これまた、器の色と、

鱧の白さが、ピッタリと

コーディネートされています。


湯引きする前の色なので、

真白というよりは、

透明感のある白。


湯の中に入れると、

ホワッと、白い花が咲きます。


京都に住んでいて、

最近まで知らなかったのですが、

あまり京都以外では、

食べないそうですね?


是非、

京都へ着物で来てもらい、

鱧料理で、日本酒(冷)。。。


最高です。

2008年06月26日

甕覗き帯締め。

つい先ほど、上がってきた帯締めです。

『仙福屋の帯締め・ムジ』です。

『無地』にしようか、とも思いましたが、

『無地』というと、無個性な感じを受けましたので、

『ムジ』とカタカナを採用しました。


詳細は、明日『仙福屋』でと思っています。


少しだけモノづくりの目線からですが、

このムジ帯締めには、日本名の色名を付けていますが、

『臙脂』:エンジ、『若葉色』など、

色を見るだけで、色の風景が浮かんできます。


その日本名を付けている中で、

出てきた帯締め。

甕覗 帯締め

色名は。『甕覗き』(かめのぞき)、という色です。

白か薄いグレーの中に、水色をポツンと一滴入れた、

ほんのり水色かかったグレーです。

自分の言葉で説明すると、難しいですが、

この表現をある人に聞いてみると・・・


水を張った大きな甕(かめ)に、映る空の色。

という表現があるそうです。


昔の日本人は、
色について素敵な表現してはります。


情景が浮かびます。。。。

2008年06月24日

紹巴織で・・・

今、

紹巴織で少し雰囲気の違う織物の紋を作りました。


紹巴いう織物は、となみ織物の中でも、

動かしにくい

相当完成度が高いモノです。


ですので、

柄の作り手は、少し気を抜いても、

帯にらしきものにはなるので、

気が抜けそうになる、そんな可能性のある織物です。
(もちろん、見たら、すぐにばれます。)

反対に、柄の作り手と違い、
織り手は少しでも、気を抜くと、即⇒瑕モノ

そんな緊張感のある織物です。


また、作り手は
とことん手を加えても、遊び心が出にくい、

そんな、ちょっと困った面を持つ織物でもあります。

そんな前置きですが、今製作しているものは、

それでも、ちょっと遊んでいます。
(もちろん、伝わりにくい・・・)


柄はシンプル、ただ、シンプルな柄以上に、

かなり気を使って、設計しているので、

なんでこんな時間がかかるのだ??

と作りながら思っていました。


まだ、紋が上がってきたばかりなので、

全く何もお見せできるものは、無いのですが、

それでも、良い出来だと思います。


なかなか書きにくいですが、

今後、土台になりそうで、

考え方の基礎になりそうな、モノです。


紋作りはで、最大限考えて考えて考えて、

作りました。

色目・配色に関しては、
ちょっと他のスタッフに、任せてあります。

そんな思いが伝わったかは、

上がり次第。


どんなものになるのか
自信はありますが、

どんなものでしょう?

こんな風に、モノづくりをしていると、
帯は結ぶもの・・・という所から、

一瞬離れている時もありますので、

それには、気をつけます!

2008年06月23日

絶対無理といわれて。。

↓ これは、見本で製作した、

紗とは違う素材の日傘です。
夢二の日傘

『詩情夢二』より、袷の帯地を使いました。

スタッフ・職人さんはじめ、

生地の厚さ等から、

ちょっと無理かなぁ・・・

と言っていましたが出来るもんです。
(これ以上は難しいそうです。)


『総紗縫の日傘』透け感のある柄が、

最大の特徴でしたが、

この夢二帯地、日傘を見ると、

透けないのも新鮮に見えてしまいます。

ただ、

それでは、普通にある日傘と一緒なので、

やはり『総紗縫の日傘』の方が良いですね?

もう少し周りの話を聞いてみる必要が、

ありそうです。



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2008年06月21日

ファッションカンタータ

昨日の柄は、『本田鶴』という柄です。


最近作った羽織の裏にと思った『羽裏』です。


羽を広げた鶴にも見えまし、

上から見た『ちょんまげ』


一目見た時に、これだ!

と思った柄です。。


ちなみに、今日は朝から

京都の京都国際会館イベントホールであった

『ファッションカンタータ』へ行ってきました。


ファッションカンタータ

ファッションカンタータ
⇒久しぶりに、並びましたね~。

源氏物語とフィレンツェ・メディチ家、

その対比での進行です。


着物の少し違った見せ方、

なかなかでした。

2008年06月18日

大きな柄一つ、終了。

ずっと、製作の途中で

止まっていた柄が一つ完成しました。


かなり、松の柄部分と、地色の糸使いで、

迷っていました。

ここが意外にいつも手間取るところで、
帯の重量面・奥深さのバランスをとる所です。


帯としては、オウムの柄で、
何をしている時も出現します。


階段を歩いている時、

車を運呈している時、

寝ている時、

常に、
オウムが目の前にとまっていました。

080617_1104~0001.jpg
紋図の一部です。


まだ、織っていませんので、

安心はできませんが、

次は、これを紋彫りに出して、
見本を織ってみて、

確認して、完成です。


完成まで、一歩進みましたの、
ホッとしながら、頭は次のモノ作りです。


オウムも、
目の前から飛んで行きましたので・・・。


2008年06月17日

ちょっと手を加えた『カマキリ』

カマキリ 総紗縫 夢二
『なんて素敵な帯なんでしょう~』

と、虫嫌いの方には、大変申し訳ありませんが、
『詩情 夢二』から『カマキリ』柄が登場です。

個人的には、外せない大好きな帯です。

実は、以前も一本だけ織って、
修正のため、そのままストップしていました。

『織れない・・・』、という理由からの修正でしたが、
糸などの素材面や柄付を変更
し、
上の写真のように、
『帯』として完成しました。


織生地は、総紗縫ですので、
もちろん両面でお使いいただきたいな、と。


カマキリ×カマキリ

ホタル×カマキリ

金魚×カマキリ 等々、

少し個性なモノ通しも、
面白いかもしれませんが・・・

用途としては、使い易さからは、
カマキリ×シンプルな幾何学柄、

というのが良いのではないでしょうか??

ただ、
表にシンプルな幾何学柄を結んでも

『この帯の裏は、カマキリ!』
と間違いなく自慢したくなるはずです!


そんな『総紗縫のカマキリ』
やはりおススメです。

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2008年06月16日

配色⇒焼いた卵の色

ちょっと3日間ほど、

体調不良だったので、

その間に焼いてみた出し巻きです。


080525_0143~0001-0001.jpg

お皿の色・敷物色によっては、

卵の格が変わる、

そんなコーデイネートです。
(卵に格があれば・・・)


もの作りに詰まっていると、

とにかく何かに目を向けます。


たまたま、今日は出し巻きですが、


何となく、『撮ってみたいなぁ』

と思ってってみた空とか。

毎日見ている糸を撮ってみる、

しているうちに、

自分の作りたいモノが

作りたくなります。

そんな時に、作るものは、

ちょっと外れたもの
(良い悪いではなくて、今までの路線とは違ったもの)

ができることがあります。


写真のような、
『卵のまま』、のモノづくり

では、さすがに紋図は彫れませんが・・・


たぶん、そんなニュアンスの含んだものが、

しばらく経ったら、上がってきそうです。


また、楽しみにしていてください。

2008年06月12日

夏だけでも、勿体ない。。。。

この前の利休バッグに続き、
http://senpukuya5.seesaa.net/article/99593017.html

明日金曜日に、両方ともアップ予定です。
(19:00ごろです。) 


紗を使ったバッグで、
少し入っている金糸と、

紗の透け感、革の色目、
ほとんどイメージ通りに製作できたもの、

2つです。


紗のバッグ お洒落 人気


こちら↓は、
紗に紬を通した生地を使っています。

紗紬 烏瓜


完売してしまうと、

製作まで、約一か月かかりますので、

是非お早めに~。


今日は、CMみたいになりましたが、

それだけ、いいものが出来たので、

嬉しいです!


いつもは、やりませんが。

是非
(たまには、こんなこともやって見たかったので。。。)

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