となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『五代目タンス』

2016年08月31日

洗える襦袢→洗う襦袢

昨年に続き今年も山ほど洗っては着て洗っては・・・
のお襦袢です。

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この襦袢、製作途中に色んな機能を搭載していきました(搭載って言葉がピッタリ 笑)。
『南蛮七宝の襦袢をずっと着ていたい。』お客様からの言葉でした。

そこからスタートして、
最初はオールシーズンの南蛮七宝を検討。
 ↓
折角なので、着ていて身体が楽なモノ=より軽い生地
 ↓
居敷当ても無しで⇒耐久性の検討
 ↓
樹脂とかの加工なく、絹そのまま風合いで、
洗える機能を➕!(ここが結構無茶・・・)


と、当然ながらコスト&手間が掛かりました。

そのお陰もあって、社内いても、複数の色数を見ない(いつも1色か2色があるだけ)
そんな人気のお襦袢になりました。

値段的にも通常品の3倍くらいなので、この人気は脅威的です。。。


ちなみに、上の写真は機能を詰め込みながら、あれやこれやと試作段階で仕立てたモノです。


実験として、例えば、着る度に洗濯→着る度に洗濯。本当は必要ないのに居敷当を付けてみては洗濯。


普通の衿つけては、そのまま洗濯。最後に乾燥機まで回してみる
(これは流石に途中で止めておきました・・・。苦笑)等々。


そんなことがあっても、今年の一番洗う時期を無事?乗り越えることができました。

普通に考えれば、『夏でも、簡単に洗えないの?』と言いたくなる襦袢。


それを洗える様にする。簡単そうで結構大変でした・・・。


見渡せば、他にも当たり前にあってほしいけど・・・、
そうで無いものが着物の世界には色々とありそうです。
妥協して安易な物にせず、良いモノづくりが発表できる様にしたいですね。


そんな気持ちを忘れないためにも、
この襦袢に関して、どこまで洗い続けれるのか、時々皆さんに見てもらいますね〜。

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2016年03月29日

歴代の草履(私物)

 

久々に男物の草履を作りました(私用)。

赤底に型押しの革、花緒は南蛮七宝(墨黒)、花緒の裏には黄。そして、台はもちろん真綿入り。と全体の色目が微妙?絶妙なところで、バランスを保っていて面白い上がりの草履です。おそらく、これを口で説明しても(たぶん文章だけでも)想像が難しいので、しばらくは履かずに展示しておこう、大事に取っています。

 

P2180338.jpg
【男物】

 

今まで自分の草履を何足作ったのか?(普通の靴よりも遥かに持っていることだけは確か・・・)
ですが、そのほとんどは下のような感じのモノばかり。お気に入りの3足です。

 

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スティングレイhttp://bit.ly/1pGCFo1

 

エイ革で製作。履いていると、女性も男性も同じモノが欲しいと言って頂きました。
とても親孝行な草履です(笑)。仙福屋基準の綺麗な革がなかなか手に入らないため、何日以内に上がって来るのか?ちょっと不明なところが玉にキズです。エイ革独特の履き心地も良いので、お気に入りの一足。

 

http://bit.ly/1UYIp8r

英字新聞http://bit.ly/1UYIp8r

 

これは自分のサイズではないので(苦笑)あまり登場シーンのない草履。ただ、インパクト大ですし、サイズも何とかなりますので、ここぞという時は気合を入れて履いていきます。真綿入りなのに、これに関しての履き心地は置いておいてます。ちなみに、サイズは素材の関係でこれ以上作れませんでした・・・。

 

 

 

IMG_5238-2.jpg

【ホースヘアー(ただいま貸出中)】←台のみの写真ですみません。

 

ホースヘアーの甕覗に近い色。真綿入り。

海外で着物を着る際に作ってもらいました。白い着物、帯はターコイズ。そこに合わせるための草履。
日本で履くと、足元が目立つ。脱いだ置いておくと、ほぼ間違いなく『これ誰の?』と聞かれる非常に目立つ草履。

 

スティングレイと同じく、ホースヘアーと真綿の当たりが良いので、手元にあるときは結構履いています。
この中では一番高級だった草履です。

 

ちゃんとしたところに履く草履は紋付袴用位のもので、それ以外はこんな感じです。
毎日着なければ、一足でも良いとは思いますが、履物でこれだけバリエーションがあり、楽しめるのも草履ならでは。男性にももっと草履に注目、あと予算を回してもらいたいなぁ(笑)と思っています。

 

 

まだまだ仙福屋では男物草履を紹介しきれていません。
今後もっと力を入れていきます(下記リンクは男物草履台)。
 ⇒https://www.senpukuya.jp/products/detail.php?product_id=518

 

 

今回上がってきた草履を持って、仙台出張へ行ってきます〜。

 

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2016年03月25日

自分のりんぐ大島。

 

去年、購入⇒仕立、そのまま寝かしてしまった『りんぐ大島』。
昨日、初めて袖を通しました。羽織る前から、着心地の良さは予想がしていましたが、それを上回る生地の軽さ、裾捌きの良さ、りんぐ糸の着心地の良さ等々、抜群にイイです。予想外は、単衣で仕立てていたので、この夜の寒さくらいで、本当にいい着物になりました(一年越しの今更ながら・・・苦笑)。

 
SDIM0114.jpg
 
 
りんぐ大島というのは、今現在ではほんの僅かな生産量で、となみ織物が依頼して製作する分でほとんどを占めます。だから、あまり世間には流通していない着物です。昨年大島へお邪魔した際に、『来年から、本格的に作っていくから。』と言われ、今年はその言葉通り、定期的に織り上がりを送って頂いています。その本格な生産になる前も、ときどき一反、二反と全然継続的ではありませんでしたが、長い目で見て、ここ10年近く取り扱い続けてきた着物です。そのため、お客さん認知度が上がっていた中、今年火が付き、今は生産が全然追いついていない状態です。
 
草木で染めた糸を使っているので、今以上の増産はむずかしいですが、職人さんに織り続けて頂ける様に仕事を出せるので、本当に有り難いです。当たり前ですがある時にしか無い着物(笑)ですので、もし好みのモノを見つけれたら、ぜひ手に取って見ていただきたいです。わたしたちも、大事にしていきたい着物です。
 
 
今のこの状態を見ていると、自分の寝かしてしまった着物も、今であれば『来年まで待って。』と言われてしまいますので、結果作っておいて良かったな・・・と前向きに考えて(笑)、今年は沢山着たいと思っています。
 
 
 
ちなみに、この着物は『ある草木』で染めています(まだ内緒・・・)。写真ではなかなか出にくいクリームがかった仄かなグリーン。今まで自分の手持ちには無い色目でした。『どうかな?』そんな気持ちも持っていましたが、ある方からイイ評判を頂けましたので、今後自分の帯や着物に取り入れたい色味になるかも?と嬉しい気持ちです。新しい(?)モノが入ると、しばらく楽しい気分で過ごせますね。

2016年02月08日

昨日の着物。海路/衿

 

昨日は本社にお客さんが来られていました。
一日の結構な割合で、階段を走り気味で1〜4階を駆け上がる。普段運動不足には結構こたえて、スタッフには怒られそうですが、少々足が筋肉痛気味です(苦笑)。洋服よりも足が上げにくい、着物の方が運動量は少なく見えますが、実際はどうなんでしょうね?階段を駆け上がることを想定するTPOは無いにしても、こういう時は御召か大島紬の裾捌きの良さに助けられました。

 

そんな昨日の着物は、こんな感じです。

DSC09347.jpg

 

上から、羽織は南蛮七宝文様/御召←特別バージョンで紬糸を通しています。

着物は、大島紬。←女性物を男用に仕立てています。

帯は、写っていませんが、経紬で織った南蛮七宝。

衿には、御召で織った『神坂雪佳の世界/海路図』。御召で織った衿ではなく、御召を仕立てた後、余った生地で衿に持ってきています。南蛮七宝でももちろん出来ますが、ここに南蛮七宝を入れると、帯、羽織、襦袢、草履に南蛮七宝となってしまいますので、ここは譲って、海路図を。

 

全員が全員とも気付かれる、そんなポイントでは無いかもしれませんが、この海路図の市松意匠と色、経に見える経糸で作った縞が非常に良い感じにコーディネート出来たと思います。もし、仙福屋の御召を仕立てられて(特に単衣で)、余っている場合、衿として使ってみることもお勧めいたします。

 

久々にスマートフォンの万歩計が8,000を超えました。大した自慢になりませんので、もう少し運動がんばります。

 

 

2016年01月12日

先日の撮影(の続き/男性編)

 

先日の撮影の写真が少し整理できましたので、紹介しておきますね。

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このモデルさんと身長が同じくらいなので撮影に自分の着物を提供。(身長は180cmと同じですが、重さが全然違います(笑)。それでもなんとかなる着物は凄いなぁ・・・と、今更ながら思いました。)

 

最初から、『ん?』と感じたのは、過去あったかもしれませんが、自分の着物をこうやって人の姿で見たことがない・・・。①畳んであるのと②写真で見ることくらいですので、とても不思議な感じがしました。立ち姿、所作は流石というのを引いても、こういう雰囲気で自分は着物を着ていて、周りの方の目に入っているんだ。それを感じることができたことだけでも、何となく得した気分?になりました。

ちなみに、ひげの着物に、南蛮七宝文様/紬角帯です。手には新作のクラッチバッグ(南蛮七宝文様)。

 

時々、『自分のお太鼓が見れないし、勿体無い!』と言われるお客さんがいはります。それは仕方ないかな?とその時は思っていましたが、確かに自分の着姿を外の目で見てみる。素敵な経験ですね。貸し借りはなかなか難しいかもしれませんが、それも惜しくないと思えた、この日でした。この後、女性物の小紋で作った着物を着ていただきましたが、自分で思っているのと見え方は違いましたし、何でもホント、勉強になりますね。

 

2015年07月27日

京都の夏を着物で気持ちよく乗り切るために。

 

先週はほぼ毎日着物を着ました。

手持ち着物の中で一番少ないものは、真夏モノで薄地色のモノ。

 

単衣が一番多いので、まだ夏っぽいかな?という単衣で乗り切ろうと思いましたが、
流石に今年の京都の気温は難しいです。

 

先日紹介したモノが、私物夏物で一番涼しいモノです。
結果、今年の登場回数はNo,1です。
 

L1890658.jpg

 

その真夏モノは、真ん中に挟まれたようになっている淡いベージュの着物です。
(南蛮七宝文様)

織は総紗縫や上品綟と比較すると、
織り目の粗い紗組織で、糸に工夫をしてシャリ感を強調した織物です。

下の襦袢を写真の様に文様がはっきりしたモノすれば、紗合わせの様にも見える透け感です。

 

 

ちなみに、去年一番はこの着物。

DSC06175.jpg

 

もちろん真夏も着ることはできるので、登場回数も2番目に多いですが、
上の真夏ものよりは、少し涼しくないですし、35度を超えると涼しい方を手に取りたく
なってしまいます。

 

 

同じ織組織の色違いの着物を着ても良いのですが・・・。
やはり今年の夏の記憶を忘れずに、来年真夏用のモノづくりの動機にしようと思います(笑)。

 

 

 

2015年07月12日

今日の着物。

 

ちょっと予想外な(というよりうっかりしていました。)
上がりたての南蛮七宝の紗着物の下に着る襦袢には、透けることを考えて、
同じ南蛮七宝をと思っていたら。。。

衿が袷用のままでした(洗ったままです。)。

 

付け替える時間が無さそうなので、今日一日はこの袷衿で行きます。
(袷と夏用衿、たったそれだけでも、体感の暑さは変わりますね。。。)

 

L1890658.jpg
(少しグリーンの混ざった藍色の衿です。)

 

襦袢:南蛮七宝文様(洗えるバージョン)

着物:紋紗・南蛮七宝文様

羽織:三重紗・南蛮七宝文様

 

これに紬縞の角帯。

 

 

京都は相当暑いですが、見た目は涼しそうなので、周りの方々には好評です〜。

 

2015年03月05日

これで商品化できそうです。

 

まだ非売品のミニトート

本とノート、筆記用具、iPadを入れて気軽に持ち運べるトートバッグ。
書くと、ちょっと長いですが、そんなコンセプトです。

 

IMG_2413.jpg

 

作楽シリーズの裏地やCelticなどあって、とにかく便利です。

IMG_2416.jpg

 

 

今、自分で使用しているのが、耐久性チェックをするための初期ロット品。

去年の11月から4ヶ月、帯地を使ったバッグを『こんな使い方、まずしないだろうなぁ』と、
思われる使い方をほぼ毎日しています。

 

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『4ヶ月継続、使用』

 

こう見ると耐久性は全く大丈夫でした。

 

使っていて、こうした方が良かったな、ということは、
たまにペタッと畳み込んで、帯を結んだ後の様に手アイロンでシワ伸ばしすることです。

 

 

IMG_3510.jpg

こんな感じで。

さらに綺麗に形を保てたかも・・・。

 

 

一番の不安の角も全く大丈夫でした。

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いつも雑に自社商品を扱っている様に見られていそうです(苦笑。。。)。

 

 

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2015年01月15日

三代目のこのバッグ

 

一つ目はしばらく使っていましたが、途中から耐久チェックのため、
現在若手スタッフ使用中(意外と大事にチェックしてはります。)。

2つ目大雨のお陰で水没→修理→それを直して使っていましたが、
帯地に雨の影響が出てきたので、現在張替え中。
(予定外の水没チェックです。)

上2つは、南蛮七宝文様で作りましたが、
現在持っている三代目は『CelticCeltic』の帯地を使っています。

 

IMG_3374 -2.jpg
『オースト/Celtic(ケルティック)』

 

もう既に販売中ですが、発注を掛けても、なかなか上がって来ないバッグですので、
皆さんに見て頂ける機会が少ないと思い、今日は取り上げてみました。
(しかも今までは南蛮七宝文様のみです・・・。)

 

持ち手などの革部分には、オーストリッチ(水色+青)、帯地部分はコーティング(茶系濃淡)。
中は、となみブルーのバックスキンと、相当自分の好み通りのバッグになっています。
(このバッグを見られたかは、『(あなた)らしいね〜』と言って頂けます)

 

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今年はこのCeltic文様の魔除け効果に助けてもらおうと思う、一年です(笑)。

※まだ一つしか無いバッグですので、見かけたら是非声を掛けて下さい〜。
楽しみ待っています。

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2015年01月06日

新年の挨拶回りでの着物。

 

昨日の新年の挨拶回りはこの着物で行きました。

IMG_3677.jpg
『着物:御召(南蛮七宝)、羽織:御召、襦袢:南蛮七宝(坪金生地)』

 

紋付きを着る機会があるので、紋付きで袴履いて練習するか?という気持ちを
ありましたが(袴は久々なので直ぐに履けるか微妙・・・)、やはり新しい年の初めは『南蛮七宝』。

ということで、上の格好です。

 

毎年、仕事始めの西陣の智恵光院通は午前中、挨拶回りの車で一杯になりますが、
不思議なことに殆どの方は、白いネクタイにスーツの方ばかりです。

そこにいる皆さんが、ビシッと紋付きばかりだと、京都(西陣)の密かな見どころにも
なりそうなのですが、今のところとても残念です。

 

少し減りましたが、着物は年間通じて、相当着ます。
今年気をつけたいなぁ、と思うのは着物整理。

色んな所に置くためか、着たい時に手元に無いことがとても多いです。
(全く自分のせいですが・・・。)

 

それに加えて、特に羽織紐は羽織に付けたまま、畳んでしまいますので、
羽織一つ一つ、開けて見ないと、その時付けたい紐が無かったりすることも、
よくあります・・・。

 

DSC03811.jpg
(二つの石が磁石で引っ付きます。)

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(もの凄く重い土星です。)

 

個人的な今年の目標は、着物の大整理。
 

 

ちなみに、行方不明中のお気に入り羽織紐です。。。

IMGP4329 -2.jpg

 

 

これはどこかの羽織に付いているのを見た様な・・・。

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整理、がんばります〜。

 

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