となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業

2011年02月05日

新しいことも加えて、作り変え。

ただいま、この柄を作り直しています。

080528_1423~0001.jpg

織り方を変え、色ももちろん、見たときに、

全く別の印象を受けるものを作りたいと考えています。

 

当然前の帯は、

作ったときの気持ちも含めて、気に入っています。

 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2008/05/post-595.html

 

ですので、

今までのが、気に入らないから直した。

というのではありません。

 

だから、『新しく作る』といった方がよい、

モノづくりです(ややこしいですね。)。

 

現状、ほぼ設計の段階はクリアして、

最後の配色のみ、という段階まで来ています。

 

さてさて、ここ数日、モノづくり新人くんに

『こういう風に作ったほうが、自分のモノづくりになるよ。』

的な話を幾つかしていました。

その中の一つは、当たり前のことなのですが・・・、

 

こんなことです。

『頭の中にイメージを作るまでは、いろんな話を聞いたり、

 モノを見たり、するのはいいけど、

「カチッ」と音が鳴ってイメージが出来た後は、

 無視はしなくて良いけど、

周りから入ってくる声は参考だけにすべき。』

 

そういう自分は、最初から周りに聞くのも、ほぼ無くて、

最初から聞いても参考にするまでにして、

自分の『好き』なコアな帯を作るのが性に合っているので、

偉そうなことを言っても、今回もそうなりそうです。

 

というわけで、

この帯、あとは青海波の上に乗っている、

この『千鳥』に祈るだけです。

080528_1423~0002.jpg

祈ってます。。

 

 

 

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2010年12月01日

御召時間。

IMGP4073.jpg



上がってきた御召を私用として、一反購入しました。

生地的には、自分も着ているし、
評判的にも物凄くいいので、試験的にというよりは、
着てみて、皆さんの反応をみたかった御召です。

最近、まずは試験的に着てみようと思うものが
多かったので、なぜかちょっと気が引けてしまいます。。

羽織か長着かは、まだ考えていますが、
緑系の着物は少なかったと思いますので、
多分長着になると思います。

1日というのは、モノづくり業務以外が多いので、
なかなか合間がありません。

そんな中、ちょっとした切れ目の時間に浸った
御召時間でした。。

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2010年08月28日

めーいっぱいの白さ。

今日は土曜日。
西陣は静かです。

今日も新しい小物が上がってきたり、
わくわくするようなモノ(私物)も出来てきたり、
と静かなわりに盛り上がりのある日でした。


それらは後日登場する予定ですが、
今タイトルにもあるように、『めーいっぱい白く』
ということを考えてモノ作りしようと思っています。

ただし、生糸は天然のモノなので、白くすると漂白したみたいな
不自然な色になりますし、そのまま使っても、産地によりますが、
ちょっと生成り色にが入ります。

また、織物ということで緯糸と経糸との関係でも色が影響を
受けますし、さらに織物が実際に白く織れても、人の目に白く映らない
それは『白い』と言えるか、とても微妙な問題です。
(ちょっとブルー掛かった方が白く見えたりすることもありますし。。)

さらにさらに、今それをやろうとしている織物は、
かなり色んな所の影響を受けて、なんとなくですが、
周りの空気の色までも微妙に反映してしまうモノです。
(やっぱり今は燦々シリーズです。。)

そんな『めーいっぱいの白さ』ということを考える
キッカケをくれたのは、この帯
です。

IMG_1258.jpg
『燦々:なごや帯』

次に柄を作るときは、『とことん白さが際立つ』
ような柄・色を予定しています。

取り掛かっている柄が、次へ繋がることは良くあることですが、
『色からのスタート』で、それだけをキッカケにモノを作ることは、
ほとんどないので、どのように進むのか、本人もわかっていません。
(とても楽しみです。)


さてさて、そんなことを今から悩んできます。。
IMG_1240.jpg

2010年08月18日

ほんのちょっと振り返る

燦々』シリーズを作りはじめた時に、下のようなことを書いていました。
 →http://senpukuya5.seesaa.net/article/159110780.html

日記にアップしようか、どうか考えて、
結局、もう少し帯が形になってから、と延期した記事です。

数ヶ月前のものなんですが、読んでいると
遥か前のような気がするのと、この時にイメージしてきた
モノづくり道の上を進んでいるようで、ちょっと安心しました。

今作っている『なごや帯』、久しぶりにとなみ織物では
復活させましたので、気が入っています。

何種類かの織物で織っている最中なのですが、
今までの織物や、今までの延長の柄は、他スタッフに任せて、

現在、行なっているのは・・・
1、今ある柄をアレンジして、
新しい織りで織るか、
2、
全くなさそうな柄を今までの織りで織るか、
3、
柄も、織りも全然違うか。
というのを頭に置いて行なっています。

なごや帯に関しては、復活させるというのが
頭にありますので、自分のたち位置は、上のようなモノづくりになっています。


イイと言われる帯には要素があり、それは何度も書いている
『色、柄、組織』というものです。

もうそこら中に染み付いているので、それはそれとして、
一部だけ透ける織物ってどうでしょう?
という織物を作ってみました。

IMG_0726.jpg

『面白そう』という所から始まって、作ってみると、
今までよりも、立体的に奥行きが織物に付けられるので、
その分、表現方法が広がった気がします。

まだまだ、未知の部分が多く配色が決まらないのが、
かなりのクセモノになっていますが、先に挙げたようなメリットも
あって、なかなか今作るなごや帯に最適な織物です。

紋を作る時には、いつもよりも立体像を意識して、
のモノづくりになっていますので、慣れるまでは、
毎日夕方になると頭が疲れています。

と・・・

今でも、この織りに関してはまだまだ慣れていませんし、
なかなか思い通り進度では行けませんが、出来上がったものには、
満足できるようになってきました。(色はよく外しています。)

秋の発表に向けて、ゆっくりでは、
間に合いませんが、まずは確実に進むように、
やっていきたいシリーズです。

楽しみしていてください?。

2010年08月11日

力を入れている織物。 なごや帯で。。

『燦々(さんさん)』
 →http://senpukuya5.seesaa.net/article/157205791.html

新しい織物ということで、特に力を入れて、
柄づくりしています。

最初の一柄目はペイズリーの柄でした。
上げ方とか、色の出方を見るために、ブルー系、グレー系、
紫系などなど、様々試験織りを取って、織りあがりの感触を
確かめていきます。

織物自体が不思議な感じで、同じ系統の色糸を使っても、
全く感じが変わります(ボカシ加減や質感まで変化)。
IMG_0998.jpg
どっちがよりイイか悩みました。。

なかなか全体像を掴みにくい、織物ですが、
糸そのものの色と、織った時の雰囲気のギャップが
とても魅力的に感じています。


この織物で、最初に行った試し結びの写真を撮りましたので、

紹介しておきます。
IMG_0972.jpg

織り上がりたてで畳の上に置いた色目と、
お太鼓にして立てた時の色目とが、変わり、
奥行きが出てきますので、この辺りも考えつつ、
紋づくり、配色をする必要があります。

IMG_0973.jpg
角度によって、ブルーの部分が浮いたり沈んだり。

明日から会社は休みですので、休み中に色んな柄に当たって
いきたいと思います。


日記は色々と書く事があると思いますので、
よろしくお願いします?。

2010年08月10日

盛り上がる、社内研修で。

今日は、社内新人さんと、社外ゲストを招いて、
モノづくり研修を行なっていました。

西陣の中を一周りという感じです。

西陣は分業で、一つの技を極めた人で一杯なので、
『はい、研修!覚えましたか?』
というのは、とても無理なことです。

ですので、いつもは西陣の技の凄さが伝われば、
良いかな。という気持ちで行っています。

ただ、今日の研修はかなり気が入ったスタッフばっかりで、
『そこまで聞いて、どうするんやろう?』
という(良い意味で)、不思議に思うくらい盛り上がりました。
IMG_0980.jpg
綜絖屋さんで研修中。

数学的な頭を使わないと、こんがらがるので、苦手な人は
苦しんでいましたが、『この技の凄さ+何か』が伝わったと思います。

その後は、紋屋さんへ行き、引き続き研修。
IMG_0984.jpg
紋屋さんの秘密道具です。

これまた、頭に入るとは言えないまでも、昨日よりはモノづくりに
愛着が沸いて、また次へ進める手応えがあったのかな?
という表情をしていたので、明日からの仕事へ繋がればと思います。


モノづくりは、自分のイメージにどれだけ近づけるかの勝負だと
思うので、職人さんの技だけでなく、自分の頭の中を磨くことも
必要なので、毎日が勉強と修行ですね。

久々にグルッと回りましたので、今日一日なかなか楽しい日でした。

2010年07月30日

福岡で・・・ 『いいのになぁ帯』 No.2


昨日から、博多にいます。
ちなみに、感じとしては・・・
IMG_0792.jpg
こんなところです。

本物の大島のモノづくりを感じてもらえるように、
奄美大島の方に、奄美から染め材料/泥等を持ち込んでもらって、
染めを体験してもらっています。

すべて天然のモノなので、染料等は4~5日くらいしか
持たず、発酵するそうです。

大変なモノづくりですが、凄さと同時に楽しさも伝わるので、
こういうイベント的なものも、これから考えていきたいですね~。

☆『いいのになぁ、と思う帯』no.2
no.1

その博多でちょっと前に作っていた麹塵染見て、思い出した帯が
ありました。やっぱり、いいなのになぁ、と思います。

IMG_0797.jpg
『麹塵染め』

柄は、梅を中心とした意匠ですが、その配置の仕方も抜群に
好きですが、その他にも特に配色が絶妙です。

自分ではしない配色ですので、こういう色目は見ていて、
気持ちイイもんです。
IMG_0797_2.jpg

ブルー系と黄色系を細かい所で使っていると所など、
『う~ん、面白いなぁ』です。

全体的にトーンを落として、全体をまとめている所も、
個人的には、好きだなぁ。。

人気の麹塵の中ではほとんど目にされて、柄です。
こういう隠れ麹塵も、探してみると楽しいです。

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2010年07月28日

『この仕事』について

『この色どうですか?』

IMGP3036_2.jpg

と、社内で聞かれ、モノづくりが進んでいくこともあります。
また、イメージが違って、自分で配色することもあります。

というのは、出張先等で、
『モノづくりって、どうするんですか?』
『どんなことをするのですか?』

と結構な割合で聞かれることが多く、その際の答えとして、
イメージの湧きやすい、帯の配色を上げることが多いです。


『モノづくり』というと、帯を織り上げることを思い浮かべる方が
多いのですが(もちろんそれも大事な一つの工程で、)
他にも図案を書いたり、

DSC_7533.jpg
(最後の修正中。。)

その図案に基づいて、紋図を製作したり、
DSC_7493.jpg
(ボカシ部分に色さしています)

織物を織るための機を用意したり、
DSC_7447.jpg
(結び目を一定の高さに。)

織る素材を染めたり、
CIMG0206.jpg
(今は少なくなった手染め)

数多くの人、工程を通っていきます。

と何度か今までも、チョコチョコと書いていました。

ただ、毎日当たり前に、周りにあることなのでで、
どうしても、そのことを忘れてしまうこともあります。

その際に、自分の関わっていることを、この世界を全く知らない人に、
話をしたり、見てもらったり、した時の反応

『モノづくりってこんだけ凄いんですか!』

を頂けた時は、再度自分の仕事を見直せるイイ機会になります。

今日は話をしながらそんなことを感じたので、
自分のために書いておきます。

2010年07月24日

南蛮七宝、花緒。。


ずっとハマり続けている柄、唐長さんの『南蛮七宝
(ある紙面には、『魅了されている』と書かれました。)

その帯地を使って、試作段階ですが『花緒』を作りました。
かなり面白い調子にあがりました。
IMG_0653.jpg

当然、挿げる際に台は『仙福屋の真綿台』を使いますが、

10347.jpg
その色をコーディネート次第で、かなり面白くなりそうです。


着物、上からしたまで南蛮七宝。
それでも、素敵かもしれませんね~。


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2010年07月23日

なごや帯『燦々(さんさん)』。 一柄目。

気を入れて製作していた『なごや帯』が上がってきました。
新しい組織の織物です。
IMGP3005_2.jpg

風合いや色目の出方、ボカシの具合も含めて、
試行錯誤の中、この織物へたどり着きました。

ある所は、透けてるくらい薄く織って、ある所は、
紬の節で味がでる、という不思議な技術を使った織物です。
(手に取ってみてもらいたい部分です。)


柄にはペイズリーを用いていて、全体を流して見ていると、
柄自体が楽しく踊っているような雰囲気が伝わってくる、
そんな帯になりました。

かなり個性的な色目ですが、中間色をとってありますので、
好きな人には、合わせやすい帯として、お洒落着の中で、
登場シーンが多くなりそうなモノになってほしいです。

しばらく、じっとこのシリーズに力を入れて製作していたので、
柄は徐々に揃い出すと思います。

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