となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業

2009年03月05日

ご近所さん

午前中は、徒歩数分にある同じ伝統産業に、
携わる方のお店へ行きました。
『同じ範疇で括って良いのか・・・?』
と疑問ですが、『和』の素敵なモノづくりをされています。


詳しくはまた後ほどなのですが・・・
(何か形になり次第・・・)

お互いのモノづくりが、『+されて2以上』
になれば、是非商品化していきたいです。

早速、となみ仕様のモノ
できるかもしれないという期待を持ちつつ、

私が一番楽しみにしています。

アイディアとデザイン力ですね。
あとは気持ちと・・・。





2009年03月04日

今日上がってきた帯

今日、上がってきた帯です。

下の画像は、クリックしても大きくなり
ませんが、

090304_1808~0001.jpg
(まだここまでしか・・・)

これから、作っていく帯シリーズで
『期待の超・大作!』

といった風格を持った帯です。


この写真の帯の周りには、

スタッフが何人もいて、
この帯の修正等を話し合っています。

このまま完成となると思いますが、
99%完成と言っていても、

最後の最後まで、
詰めて詰めて完成度を上げるために
(これ以上、上がるのであれば当然に

紋・配色を直すこともあります。


この帯の製作には関わっていませんので、
かなり客観的な発言が出来て

たまには、その輪の中にいて、
好き勝手にいうのも楽しいです。

やっぱりモノづくりですね。。。

2009年02月25日

あたらしいこもの。

縫製等の理由でずっと待ち続けていた、
小物が上がってきました。

折畳財布.JPG

まだ、見本段階のですが、
95%以上の完成です。

2つ折りの財布。

また、少し新しい小物世界ができそうですよ。。


こういうモノを見て頂けるようなスペースも作りたいです。

2009年02月13日

組織変更。 白黒紬(2)

前回、『作楽 白黒紬』を紹介しましたが、
引き続き新しい柄が上がってきました。

(3柄同時に紋を起こしていましたので、
もう一柄入ってくると思います)
作楽 白黒紬 雪輪
柄自体は、以前からありましたが、
再度構成、組織、素材感を見直しました。

『新柄です。』

といっても良いぐらいに、
元の雰囲気と異なりました。

裏も表と表情が全く違うので、
使い勝手が良いようにしています。

今のか、前のかどちらがいいか?
と聞かれると・・・

選べませんが・・・

今回の新作は、平面的というより、
経糸の上下だけで、様々な織の表情を
作り、立体感を出しています。

以前のは、⇒文系のモノづくり、
今回のは、⇒理系

違う部分の脳みそを使ったモノづくりです。

この柄はシンプルなモノですので、
これ以上、触りたくはありませんが、

もう少し複雑な柄になると、
捻って捻ってすると、

面白い表現ができそうですが、

結ぶ人のことを忘れて、技に走ると
『帯』から離れてしまいますので、

この辺りのバランスが難しい所ですね~。


2月になって、年末までに製作してきた紋が、
少しずつ入ってきていますので、

これからは、新柄の紹介が増えていくと思います。

この前、図案展で落とした図案も数枚、
入ってきていますので、

その辺りのモノづくりにも、
取り掛かっていきたいと思っています。

明日と明後日は少し京都を離れてます。。。

2009年01月30日

『海路・更紗』その3 絵本のような波

神坂雪佳の世界より 『海路』も、
3つ目の柄になりました。

090129_0957~0002.jpg
更紗文様のような、絵本にもありそうな波。

この柄、の段階では上手くいき、
(設計の段階なので織り上がりは想像)

目出し(試し織)の段階で、満足いかず、
(期待が大きかった?)

何回か、全工程見直し手直し、して、
最後の一回と思い、再度目出しをとると、

想像を大幅に超えた、いい柄になりました。

ちなみに、
帯は、横に通る杼の数で、コストが変わってきます。

他の海路柄と同じく、この柄も見えないような所に、
拘りましたので、そのおかげで柄に奥行きができました。

この柄も、じっと見ていると、波が動き出して、
ゆらゆらと揺られ、気持ち良くなりそうです。

090129_1009~0002.jpg

海路3柄、ずらっと並べてみると、
三つとも特色のある、柄ばかりで、

多くの中から、まずこの3柄を選べて、
正解だったかな、と思っています。

もう少しすると、小物類も少しずつですが
上がってきますので、その時は是非、

紹介しますね!

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2009年01月26日

神坂雪佳の世界より『海路・七宝』 2つ目

神坂雪佳の残した『海路』より、
七宝のような柄を見つけました。

『海路』は雪佳が旅路の際に、ずっと目の前にあった
『海』を眺めて図案化したモノと言われています。

どこが海なのか、と思って、図案を、
じっと眺めていると、

海の波がつながり見えてくるような・・・

そんな意匠です。

以前製作した、市松もそうですが、

海路の中で柄を見分けるため、『七宝』と
便宜上名前を付けています。
神坂雪佳 海路
七宝は、「四方」に広がる、の『しっぽう』から
来たとも言われています。

同じように少しずつじわりと、
広がってもらいたいと思っています。

これもテーマの『つながり』が入っています。

不思議な空気を持った柄ですので、
帯か小物で、実物をじっと見てもらいたい、

そんな柄の一つです。

南蛮七宝とは、同じ織りなのですが、
少し変えた(遊んだ)所もあるので、

持った方も気づかれないかもしれませんが、
それが個人的に気に入っている所でもあります。

今の所、三色製作する予定です。


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2009年01月25日

とことんの軽さと味

この一週間は、日帰りで移動しつつも、
ずっと考えていた帯がありました。

それは、糸使い方で悩まされていた、ものです。

週末に一本上がってきて、これに一週間使って
良かったぁ、と今は浸っています。

紗紬の『南蛮七宝』です。
090122_1647~0001.jpg

『紗・紬』という名前の通り、綟織に紬糸を通しています。
 ※綟織=経糸をねじった所に横糸を通す織物

経糸と経糸をねじった間に、糸を入れるので、
紗の目の細かさで、糸にも制限があります。

特に、『総紗縫』は細かいので、限界すれすれ探し
そんな状態です。

どこまでの太さが入るのかが、問題でした。

『紗のとことんの軽さに、紬の味。』
090122_1648~0001.jpg
言うのは簡単で、織るのはとても難しいのですが、
今回は両立できたように、思います。

帯芯を入れて、結んだのも試しました。

この下の帯は、紗紬を織る過程で、
他の組織で、少し応用したものです。
090123_1047~0001.jpg
まだ、裏も付けていない織りたてホヤホヤですが、
これもいい感じに上がっています。

モノづくりが一段落ついたので、
今日は次のモノづくりをボーっとしながら

探してみたいと思います。

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2009年01月24日

となみの歴史です。

  ☆となみ織物の歴史(かなり省略)


嘉永3年(1850)
  礪波宗介が、富山県砺波より入洛。

  屋号を「仙福屋宗介」として生糸・組紐業を開業。

大正8年(1919)
  故前会長の父清三郎が、蘆山寺通千本西入にて、
  西陣織の製造卸業を創業。  

 

昭和5年(1930)
  現会長政一(祖父です)がその業務を継承。  


昭和21年(1946)
  上京区上立売通六軒町西入に店舗を移転。  


昭和48年(1973)
  現社名「となみ織物株式会社」として法人を設立。  


昭和51年(1976)
  上京区寺ノ内通堀川西入東西町に現社屋を新築して移転。

  この社屋移転した次の年に、私が生まれました…

  (自分が生まれた以降は歴史と言い難いので、おいおい書きます。) 


  これ以降は、毎日毎日モノづくりを行っています。


2009年01月22日

海路・市松。一つ目。

以前紹介していた、図柄覚えてますか?

一つ、バッグが完成しました。
『海路・市松』です。
090119_1900~0001.jpg
ちなみに、この柄のようにつながり続ける、
柄は今年のモノづくりのテーマになっています。

京都の老舗とのコラボレーションですので、
今後新しい要素を入れながら、
少しずつ、広がってほしいブランドの一つです。

090119_1901~0002.jpg

マチの部分には、帯の表を裏返して使っています。
素材感も異なって見えるのが、この織りの特徴です。
(そのため、少し製作コストが上がります。)

他にも、製作中のものもありますので、
楽しみにしていてください。

 ⇒『仙福屋・海路バッグへ



※書こう、書こうと思っていましたが、

 昨日は自分の誕生日でした。

 例年に無く、多くの人から電話とメールを

 頂けたので、久しぶりに誕生日だった気がします。

 ありがとうございます!

 毎年毎年、早くなっていきますね。

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2008年10月03日

まずは自分のほしいものを作る。

『モノづくりってどうやってするんですか?』

と聞かれた時にこたえる答え。 
    ↓
『最初は、自分の好きなモノか、
好きになれそうなものを作ったら?』

と言っています。


では
最初ではない、
今の
自分のモノづくりは、

『どうなのか?』

と考えると、
意外にハッキリしたモノがわかりません。


多分、

『作りたいモノ』か
『驚いてもらえるモノ』

を作っているのではないかと思います。

深く悩みそうなので、
今回はこの辺で止めておきます。

ただ、原点に戻って『ほしいもの』を作ってみました。

角帯3

角帯です。

今お気に入りなのが、

南蛮七宝の角帯と、

組紐の角帯

もう一つ、『なにかないかな?』
と探していました。


それで、製作したのが上の角帯です。


『製作しました』と固いモノではなく、
『作っちゃえ!』という気分で作りました。

個人的には、柄のムード等々大満足ですので、
時々は、勢いのモノづくりも必要だと、思います。

とは言っても、今からモノづくりをしよう!
という人に、

『モノづくりは、勢いです。。』

とは言えませんね~。

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