となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業

2008年05月24日

配色変え

今日は悩みました・・・


配色変え。


図案の書庫(倉庫?)で、

はるか昔の図案を少し、見ていて、

『一体いつの図案?』というモノに、

突き当ることがあります。


それは、

①あまりにも、昔すぎて、古文書状態。

②柄が、未来志向

③原色系の振袖図案

と、意味はいくつもありますが、

見て思っていました。


その中から、

自分の好みにハマりそうなものを

織る織らないは別に、

配色を考えていました。


もちろん、

図案通りでもいいのですが、

色目を変えて見ると、

自分色が出せることがあります。


時々、

『どうやって、色って決めてはるんですか?』

と聞かれることがあります。



私的には、

何色か見ていて、

パッと

その時に光輝いてるモノ、です。


と言いたいのですが、

実は、相当悩みます。

今日も、書庫で・・・

(ここから先、座って、一人でアタマ内の話)

一度はこれと、

決めてから、やっぱり気分は、

夏なので、こっち。

 (時間が立ち過ぎると、)

こっち、こっち、こっち。

と、頭の中で鳴ってます。


ですので、基準という便利なものは、

私の場合は無いようです。。。


そんな昔の図案との対話を終えて、

今これを書いています。


たまに、こういう内容の時は、

モノづくりが迷っている時ですね。。。。

2008年05月01日

作楽で七宝柄を。

作楽七宝.jpg

七宝柄の図案を落札して、

じっと眺めていたモノが一柄ありました。


通常は、

ここに金糸入れて、ボカシはこの程度で、

全体的には、こうまとまるかな?

というのを想像して製作する。


図案を眺めていて、

簡単そうに見えるけど、

どうして良いかわかない‥‥

と久々に見るモノでした。


まず、地の部分を考えて、

菱の部分、

七宝の部分、

金糸の入れ方、

箔の入れ方、

それで、一度構成して、

見て、

最初から、もう一度

というのを繰り返して、

やっと一本完成しました。
(裏地はもうすぐです)


結果として、この柄は、

シンプルな七宝柄のように見えて、

地の部分に面白さが出ています。


地を何段かに分け、

色を暈しつつ、

細かい銀の色を地に敷き詰めています。


実際に、現物を見ても、

すぐには気付かない位の細かさです。


他にも、

上に乗っている柄には

ボカシだけで、色目を作っている箇所もあり、

中間色で優しい色目も出しています。


着物と合わせてみても、

パチっとハマりそうな雰囲気です。


今までの若冲等と比較すると、

少し大人しいようにも見えますが、

前を帯に近づけるれば近づけるほど、

味のわかる帯になったと思います。


と今日は、新作の『作楽』でした。


この柄が出来て、

今は

ちょっとホッとしています。

2008年04月21日

縞作り。『整経』


『縞(しま)』とは・・・
縞(しま)=島(しま)

外国から、特に唐を中心に渡来してくるモノ。

そんな異国への憧れから、『しま』
と名付けられた・・・
と由来があります。

今は、そんな縞柄を作っています。

うちで、縞を織るには、
大きく2つのパターンが考えられます。

1つ目は、横糸に何色も使い、
通常の柄として縞を織っていく。


2つ目は、
様々に染めた糸を織る前の段階で、
縞になるように一本ずつ並べていって

後は無地を織るように、織っていく。

という方法があります。

もちろん、両方ともメリットデメリットがあって、

1つ目は、横糸で織りだすと、
色が自由に変えられる、
というメリットある分、
横糸を多く使うだけ重くなりやすい。

2つ目は、経糸を染め分けるというのは、
染め分け後は、無地を織るようなもので、
軽く上がり易い、というメリット。

但し、一度染めてしまうと、
色を変えるのは、困難です。


今製作しているものは、
1+2のようなやり方です。
上の二つのいいところ取り、をしています。

織物の重量を軽く上げつつ、色目はある程度自由に。

今回はこんな柄を製作しました。
080421_1108~0002.jpg

この縞の製作段階では、
まず、通常通り、縞に使う色目をそれぞれ染めて、
経糸を『縞』
に整経(並べる)していきます。
(通常の整経工程)

その後、横糸を入れる段階で、
地色の変化が付くように紋を作成して、
糸の合わせ本数を調整して、バランスを取る。

手間はかかりますが、
奥行きのある面白いモノ作りができます。
(失敗すると横が縞々に・・・)

すべてが上手く、行って帯が上がってくる。
具体的には、
縞の太細がイメージ通り
だった時は、非常に嬉しい一瞬です。

この柄に関していうと、私的には太い縞の同士の間にある
細い縞の配色と間隔が、イメージ通りでお気に入り部分です。

皆さんはどうでしょうね?



2008年04月17日

久しぶりにモノ作りをしています。



ここでも、少し触れていましたが、
http://senpukuya5.seesaa.net/article/89433617.html


駆け足で、見本裂を織れるところまで、

進めていました。


そして、

京都へ帰ってくると、

きっちりと見本裂が織り上がって状態で、

次どうするの状態で、止まっています。


透け感を伝えたかったので、

そんな持ち方をしてもらうと、

こんな持ち方になりました。

新夏物.JPG
帯としてあまり良く見えない?と思われた方、
お許しください<m(__)m>


思っていたよりも、

地の雰囲気が透けたのと、

上にのせている糸が、ボリュームがあって、

今から、遊べそうな織りモノになりそうです。


もう一つ、

急遽、今のところアイディア満載で、

製作している夏物も何とか、なりそうな

勢いですので、トントンと出来れば思っています。


モノ作りは

悩んでも、全く何も出ないときもありますし、

いきなりトントンとアイディアが出てくることも

ありますし、この辺りも楽しい所ですね。


あす以降書きたいのも、

まだまだ出てますので、

お楽しみに!


2008年03月04日

社内の夜‥‥

墨流し.jpg

突然ですが、一体なんでしょう?


ある日、夜になり、

社内にも人が少なり、

戸締り‥‥

だと思ってた時間、

食堂から、笑い声と歓声が、
(ちょっと大げさです。。)

『なにかなぁ?』と思って、

のぞくと上の写真です。
(マーブル柄が綺麗です)


染の技法を簡単に説明するためのもの、

ですが、意外に楽しく、

盛り上がっていたようです。

最近は、

昔の帯メーカーからは、


考えられないこともやっています。


この前は、みんなで

半衿に型染めしてましたし‥‥

それでも、最近は

これがモノ作りに役に立っているので、

良い循環になっています。


2008年03月03日

今、作っているもの。

080303_1618~0001(2).jpg
↑新シリーズの『縞つむぎ』


今製作しているものが、

この『縞つむぎ』です。

名前の通り、

縞柄で、紬を素材にしたものです。


尖りは、この縞にあります。

写真だとわかりにくいですか?


地の薄グレー、仄かなピンクとのコントラストで

献上を出しています。


それに横段、一本線や二本線、

同色での三本線を入れて、

アクセントとしています。


このシリーズは、昔の縞柄の生地帳を

見ていて、思った柄なのですが、

帯にしてみると、

なかなかいい味が出ています。


春らしい配色もお気に入りなのですが、

100%お洒落ものですので、

紬の着物、大島等にぴったりと思います。


『お洒落専用帯』

今期は、この帯を皮切りに

個人的に力を入れていきます。


皆さんから、いい評判を

楽しみにしています!

裏地は、今考えています!
(おそらく、シンプルな柄?)

2008年02月28日

帯地は‥‥。これに使います!

昨日の帯地なのですが、

答えは‥‥

『仙福屋の夏草履』でした!

花緒天部分に、

昨日の帯地を使っています!


まだ、2月ですので、

夏を想像してくださいね!

『涼しげでしょう~。』


080222_1451~0001.jpg
花緒は通常のモノよりも微妙に細めです。



080222_1451~0003.jpg
花緒と台の間には、ワンクッション入れてます。


ほぼ完成ですので、

来月くらいには、発表したいと思っています。


『仙福屋の真綿入り草履』も、

夏に履けますが、

こちらは、単衣&夏用を中心に履いて

もらいたい、お洒落草履です。


2足目に、どうですかね~?


と、帯地の答えでした。。。


やはり、男物もほしい‥‥



2008年02月06日

遥か遠くからでも、わかる帯

遥か遠くに、離れていても、

何の柄か分かってしまう帯です。

象2.jpg
様々な配色を取って考えてます。

好きな人には、惚れてもらい、

嫌いな人には、とことん毛嫌いされる。


そんな帯になりそうです。
(というより、すでになってますね?)


原画そのままの線ではなく

わざと荒くして(階段状に)、

カジュアルさを出そうとしています。


成功したかは、

この帯が好きか嫌いかで、

決まりそうですね。


もちろん、作った本人は、

かなり気に入っていますが…


さてさて、どうでしょうね。。。

2008年02月04日

南蛮七宝の草履

通常の『仙福屋の真綿草履』とは、

ちょっと異なった草履です。

080202_1451~0001.jpg
『南蛮七宝・真綿草履』


一足目には、

お勧めできませんが、

二足目や数を持っている方には、

ちょっと勧めてみたくなる草履です。

鼻緒には、

もちろん『真綿の帯』を使っています。
(実は、新組織です。)


天の部分にも帯地を使ったのが、

特長ですが、

さらに横の革の部分と、

天の間に、もう一加えしてあります。

 ↓ わかりますか?
080202_1451~0001.jpg

薄い白い革を入れることで、

色目的なバランスを取っており、

調和のとれた雰囲気になっています。


この草履は、デザイン・配色等で

草履職人さんとで共同で製作した

草履です。


織り上げるのが難しい帯地に、

難しい台の加工が加わり、

月に数えるぐらいの生産しかできない、

そんな希少価値のあるモノです。

そして、

男物がほしくなります。
(今は、すでに順番待ちです。)

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2008年02月02日

週末に楽しそうな帯!

『うらも、おもて』
http://senpukuya5.seesaa.net/article/68835327.html


シリーズにもう一柄、

加わる帯です。
080202_1458~0001.jpg

音符等が飛んで、

ちょっと楽しい気持ちになります。


よーく見ると、

見たことがあるような・ないような…

『これは、なんの記号やったかなぁ?』

という声が聞こえてきそうです。。


こういう帯は、

作っていて楽しいですね~。


週末にいい帯が上がってきて、

良かったです。

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