となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業

2008年02月01日

半巾・角帯計画。

1月31日で、一区切りが付き、

2月から新シーズンです。

(あまり『シーズン』は似合わないので、
やはり新年度です。)


その最終に、

帯も図案も原料も、

すべて出して見ていきます。


となみ織物の中では、

一大行事です。


数量を数えていかないとダメなんですが、

どうしても、

帯を見ていて手が止まることがあります…


そして、

すべての作業を止めて、
(もちろん、自分だけの)

『この帯こうしたら、いけるよなぁ』

から始まり、

『じゃあ、試作つくるか!』

ということで、

自分らの世界に入っています。


毎回のことなのですが、

その日の本筋からは大きく逸れます。
(それでも、メーカーの一番大事なことなので…)


今回、『これは!』

と思ったのが、

角帯&半巾です。


角帯紗1.jpg
(写真のバランスが悪くてすみません…)


いつも試作と言えば、

結んでもらうのを誰かにお願いしますが、

今回は、

周りの『結びたさ』を感じましたので、、

まず自分が、

試作の試し締め一号になりたい、

と思います。


上の写真で、

何を使うか、ばれてしまいますね。。

2008年01月28日

紬の味を生かして、いけるかな?


南蛮七宝
の裂地です。

今日上がってきた、色目ですが、

とても渋くてカッコいいです
(自分で結びたい、そんな色です。)
南蛮七宝 茶黒 紬


アップで写真を撮ると、紬の節や

織組織などのイイ味が見えます。


こういったザックリと目が見えやすいものは、

配色した後の予想が難いモノです。


たまに、織る前の色糸を見て、

『なんで、この色との色でこんな色??』

ということがあります。

たまに思った以上のモノが

上がったりすると、

『予想通り!』

となることもあるのですが…

角帯にしたい色目なので、

製作していきたいのですが…


その前に、

これを草履の台部分に、

使いたいと思います。


ちょうど足の裏部分なので、

『見えない…』

と思ったりもしますが、

脱いだ時、抜群に目を惹きそうです!


今年の草履は、今までのモノに加え、

ちょっと一風変わった、

『二足目にお勧めの草履』

製作したいと思います!


乞うご期待!


明日は、

個人的にとても期待していた

小物を載せますね!


周りの評価は今まで、

一番のモノです。


タグ:

2008年01月22日

『紋図』について

織物は、経糸(縦)と緯糸(横)の交差
でできています。

織るためには、帯を作るための設計図が必要で、
それを『紋図』(もんず)(意匠図)と言います。

図案を元に製作していき、実際には細かいマス目に、
一マス一マスずつ色を入れていきます。

紋図3.jpg
 ↑『伊藤若冲の世界』より

日々、私たちはこれを紋屋さんと呼ばれている
職人さんと一緒に製作していきます。

図案をそのままに設計図に写す作業と思われるかも
してませんが、
全く同じ図案でも、関わる人間のセンスで
完成する帯は全く違ったものとなります。

ですので、この作業は図案を描く、作る工程と同じく
とても重要な所です。

普段私たちが大きく関わる所ですが、
紋図作りながら、頭の中で考えていることは、
最終の
『織り上げの姿』です。

例えば・・・
『ここには金糸が入って、この部分はボリュームを出して、
ぼかして、やわらく・・・』などなど

というのが、頭の中にグルグルと渦巻いていますし、
理想とズレた時は、それに向けて修正するのか、
それとも別のアプローチを探すのかと、考えます。

さすがにこの紋図作りを始めて何年目かは、
『なんだこれは・・・??』
という、意味不明なものばかりでした。

数をこなしながら、常に新しいことを加えながら、
『ここをこうやったら、こうなる』という経験を積みながら、
していって、やっと『自分の頭の中を、紋図にそのままに』
映していくことができるようになりました。

万が一以上に、頭の中以上はできませんが・・・。、
100%に近い、所まで表現できるようになると、
また次の表現の仕方を考えて、新しいモノづくりを
考えて試験を行っていきます。


実際に職人さんの技が見られるのは、下の写真。
(上の方眼紙をアップにした所です。)

方眼紙の一番細かい目が見えルト思いますが、
これが、糸と糸との交差する『組織点』となります。

ここに手で、少しずつ色入れていくのですが、
これを巡って、長い長い時間を費やしています。

紋図2.jpg

特に、色と色の境目(際部分)を柔らかくする際には、
筆で点として一つずつ、つぶしていきます

その作業をされているのが、この場面です。

紋図象.jpg

非常に細かく少しずつ、進めていく作業ですので、
モノによっては、膨大な時間と手間がかかります。

ちなみに、今発表中の『熊野古道』などは、
日・月ではなく『年』単位でをかけています。

この写真の紋図は、まだシンプルな方ですが、
それでも入念な打ち合わせと、
修正の繰り返しで
完成したものです。

紋図1.jpg
『伊藤若冲より』


もちろん、写真のものは、まだまだ完成ではありません。
もう一工夫、二工夫を加えて、試験を織って、見直して、
完成へと繋がっていきます。

まだ、時間のかかる所ですが、
頭の中のイメージからすると、
紋図段階ではなかなかイイ出来です。。

2008年01月13日

『世界最高の~』


笙.jpg


『さて、何かわかりますか?

これは、
雅楽で使われる楽器
『笙』です。

昔、すこし吹いていたのですが、

↓ その時に思ったことです。

『(数十万する楽器なので、)
 袋もそれなりのモノが欲しい・・・
 
(周りの人が見たら『!!!』となるぐらいのもの)』

それで、帯地で『笙袋』を作りました。

上のと下の写真『笙』の下に敷いてある袋が、
その『笙袋』です。

笙2.jpg

ちなみに下の短い方は『袖管』と言って、
通常のモノより短く、袖の中に入る大きさです。

煤竹で蒔絵が入っています。
まるで美術品のようで、グッと惹きこまれそうに・・・

今回『仙福屋』として、
少し改良を加えて、製作してもらってます。

ほぼ完成とのことなので、

もう少しで載せれそうです。
 ⇒http://www.senpukuya.jp/SHOP/362306/384765/list.html


周りからは、

『さすがに需要、すくないやろ~』

と言われています。

ただ、それでも、
なぜか『仙福屋』には、置いておきたい
アイテムの一つです。

多分、
『世界最高の笙袋』ではないでしょうか?

2008年01月11日

上がってきました。ハート型。。


まだ、修正する前なので、

帯の中から一部ですが…

見て下さい。

ブログハート.jpg


『紋』としての柄は、

思ってた通りに上がってきましたが、
(数段予想よりも上)

なかなか配色が難しいです。


桜の花びらを少しデフォルメしたような

ハート型です。

ハート型桜の花びら、

単に、『ハート型』。


見る人によって、

柄のイメージが変わると思いますが、

全体を見ると…

可愛い感じがします。


裏の配色を検討してから、

完成!となります。


裏は、普段結んでもらい、

この表は、特別な時に…


それとも、いつも結んでもらい

可愛い感じの着姿でも…

と、いつも通りモノ作りした後は、

想像が楽しいです!


2007年10月23日

楽しみにしていた着物!

 

となみ織物で、長年手がけて、

製作している『唐長』より着物柄へ持ってきたものです。
 

白生地のお召地を落ち着いた色目に染めてみました。。
 

『南蛮七宝・仙福屋御召』 
南蛮七宝 着物 御召
 ↑色と柄がぱちっとハマりました。

唐長の奥様にも、

織り上がり一本目を着られるので、

今後、皆さんに見てもらえることも多くなると思います。


唐長さんはこの南蛮七宝を、

とても大事にされている柄です(何百年も!!)。


そのため白生地製作時においても、

柄の大きさはもちろんのこと、

細かい柄の配置から、柄のボリューム等

とことん、こだわりにこだわったので、

とても良い出来になったと思います。


他の柄ももちろんのことですが、

となみ織物も特に、大事にしていきたい柄です。


男物も製作中です!!
(もちろん、自分でも着ます!)

(男物はすでに織る前から第一弾完売。。。)

タグ: ,

2007年09月25日

ホヤホヤ鳥獣戯画とハット猫。

no-title

の前を皆さんにおおくりいたします。


織りたてホヤホヤで、まだ湯気が…


昨日まで三日間、


普段は回れない機場さんをグルッと回ってきました。


機場さんによっては、

確かに、後継者や部品、生産数の問題等の多く問題は、あります。

今回は、そういう話が多く出てきました。


ただ、となみ織物としては、

間違いなく良いモノ・皆さんに感動してもらえるモノ

をキッチリと作っていく、

そういうやり方は崩さず、ずっと続けていきたいと思います。
(それが解決へ一番の近道かと思います)

上の柄は、近々完成予定の冬号にも、

掲載されますよ(秘密ですが…)!

ある所にこんな猫と目が合いましたので、

パチリと写真を撮りました。。。

招き猫.jpg
 ↑ 良い気が寄ってきそうな感じがしませんか?

2007年09月25日

ホヤホヤ鳥獣戯画とハット猫。

no-title

の前を皆さんにおおくりいたします。


織りたてホヤホヤで、まだ湯気が…


昨日まで三日間、


普段は回れない機場さんをグルッと回ってきました。


機場さんによっては、

確かに、後継者や部品、生産数の問題等の多く問題は、あります。

今回は、そういう話が多く出てきました。


ただ、となみ織物としては、

間違いなく良いモノ・皆さんに感動してもらえるモノ

をキッチリと作っていく、

そういうやり方は崩さず、ずっと続けていきたいと思います。
(それが解決へ一番の近道かと思います)

上の柄は、近々完成予定の冬号にも、

掲載されますよ(秘密ですが…)!

ある所にこんな猫と目が合いましたので、

パチリと写真を撮りました。。。

招き猫.jpg
 ↑ 良い気が寄ってきそうな感じがしませんか?

2007年09月10日

新作へ繋げる素材。。

糸は糸なのですが、


新しい素材です。


紬緯



両方とも同じ素材を使った新しい糸なのですが、


実は下の方が格段に織りやすい糸です。


ただ、それでも難しい上の糸で織りたくなるのが、


現在の気持ちです(いつもです)。
これもちょっとした病気ですね。。。


この糸を使うと、

触った感じが、ホワッとする

軽くなる

ほんのちょっと結び心地が良くなる

という良くなることばかりなのですが、

あくまで予定です。


出来上がりのパッと見は、

あまり変わらないのですが…


かなり期待しています。。。。


今日は、緯でした。

2007年09月10日

新作へ繋げる素材。。

糸は糸なのですが、


新しい素材です。


紬緯



両方とも同じ素材を使った新しい糸なのですが、


実は下の方が格段に織りやすい糸です。


ただ、それでも難しい上の糸で織りたくなるのが、


現在の気持ちです(いつもです)。
これもちょっとした病気ですね。。。


この糸を使うと、

触った感じが、ホワッとする

軽くなる

ほんのちょっと結び心地が良くなる

という良くなることばかりなのですが、

あくまで予定です。


出来上がりのパッと見は、

あまり変わらないのですが…


かなり期待しています。。。。


今日は、緯でした。

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