となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 小物

2015年06月17日

試作・実験をしながら、帯作りへも繋げる。

 

『自分の持ちたいもの』から作っているやろ。
とよく言われる小物(特に雑貨)作り。

今まで完成品までの遠い道のりの中、沢山の試作を作ってきました。

 

おそらく自分が一番雑な使い方をしていそうですので、
帯地の弱点である耐久性を見るためにも、一番向いていると思います(笑)。
ホントに雑です(『敢えて』にしておいて下さい)。

鞄の中に入っているのは、財布・ペンケース(ケルティック)、
名刺入れ、キーケース、手帳を入れるブックカバー(南蛮七宝)。

そうそう、入れている鞄はケルティック。

と、ほぼ自社です。

 

継続して様子を見ていますが、コーティングを掛けていないモノが、
このブックカバー。特にいつも鞄に突っ込み、雑にしています。

 

おそらく使い始めから3年は経っていますが、現状はこんな感じです。

IMG_0005.jpg

 

ほぼ問題ない感じです。

 

帯屋としては、帯として想定して織組織を組み、それを違う用途で使ってみて、
問題が起きない。『帯』の立場からすると、鞄の中に突っ込まれ、持ち運びされる、
というのは考えられないほどのビックリの過酷さです。

立場に立つと、少々可哀想な気持ちもしますが安心します。
(これだったら、帯としてどんな使い方でも耐えれそうですから。。)

 

 

その経験を活かしつつ、次に製作しているのは、未だ試作の試作ではありますが、
このカードケースです。

IMG_0009_1.jpg

 

今度は着物とのコラボではなくて、話をさせてもらっているのが、
からかみとのコラボ。

 

新しいものを作りつつも、その経験が次のモノづくり、帯や小物へと繋がり続けている間は、
上手く両方とも、試行錯誤しながらやっていきたいと思います。

 

発表の期限もありますので、ゆっくり急ぎます〜。

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2015年06月16日

一番最初の小物作りから・・・。

 

仙福屋でも根強い人気の懐紙入れ。

 

L1870198.jpg
『作楽/懐紙入れ』

 

 

よくよく考えると懐紙入れが、一番最初の仙福屋の小物作りです。
初めはプレゼント用として、ホントのハギレを(変な表現ですが)使って製作。

良い評判を頂いて、製品として現在に至ります。

 

そんな一番最初のハギレの時からでも気を付けていたのは、
『帯』としての美しさです。

もし、ギリギリこの懐紙入れが作れる尺のハギレがあったとしても(勿体無いと思っても)
帯としての美しさが完成した時の懐紙入れから、見えないとなると、
そのハギレは懐紙作り用としては、全く使いません。

 

と、試作やプレゼント段階からして、そんな状態でしたので、
現在でも、その考えは懐紙入れ⇒バッグ、もっと帯地としては小さな面積の花緒でも
同じ考えで通しています。

 

機能面からすると、もっと優れているものは他の素材、
たとえば化繊等でそう難しくなくできると思います。

 

となみ織物が織り、仙福屋が製作するモノに関しては、
そういった部分も片目では意識はしつつも、美しさ、持った時の満足感、
そこを大事にしていきたいと思います。

 

今日、懐紙入れに使う帯地を選択しながら、そのように考えていましたので、
形になってできるのを楽しみにしていて下さい。

2015年06月12日

魅せ方を勉強中。

 

ちょうどお客さんも来られる、ということで、
一週間ほど前倒しして、ショールームを夏・秋単衣仕様に陳列替えをしました。

 

ほぼ小物のみしか置いていませんので、スペース的には広くなく、一回りもするのも、
ホントにすぐです。

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『まだほとんど何も置いていない頃(2014年)』


すこしでも長く滞在して、商品を見て頂きたいので、、ただ単にモノを置くのではなくて、
POPを作ったり、陳列も触れてもらいやすく、試しに履きやすく、比較してもらいやすく、
という部分を大事にしよう、とスタッフの間では話をしています。

(ほかにも、非売品のゲストとしてエッーという価格の着物を値札つけずに置いています。
 値札を見て触るのは止めてよう、となる方が多いので、とにかく触れてもらおうと思っています。)

 

来られる方をイメージしながら、陳列する。
販売的には当たり前のことなんですが、帯を織る機屋にはあまりそんな意識はないですし、
もしかして欠けていることかもしれません(苦笑)。

ですので、一つずつ丁寧に、毎日続けていくことは、とても勉強になります。

 

それに較べて本社の展示場は変化を付け難い(それも、こちらの問題なんですが)です。
帯のみ。それがずらーっと並ぶだけで、爽快ですし、初めて来られる方はそれだけで、
感動していただけます。さらに業者向け。そんなこともあって、今まであまり何もしていません。

敢えての部分もありますが、折角広大なスペースもありますし、これからは少しずつ変化を
付けていき、年に一回位のたまには、一般の帯好きの方に開放しても良いのかな、等思っています。

それでも、ハードルは低くないので、すぐには出来ませんが、帯・帯・帯を
写真ではなくて、実体験して頂きたいです。

 

先日作ったバナーアップものとか、入れるだけで随分雰囲気は変わりそうです。

DSC05346.jpg

 

帯を結んでいただくのが一番嬉しいですが、帯を見て『素敵だな』『美しいな』と
自分たちがしている仕事を見て頂く機会をもっともっと作る必要もありそうですね。

その時に備えて、まずは並べ方の練習を続けていきたいと思います。
ぜひ、お待ちしていますね。

 

2015年06月10日

なにがウリなんやろ?

 

昨日書いていたようにバッグの工房へ打ち合わせに行きました。
ここで行かないと、間に合わない、そんな切羽詰まった感もありましたが、
なんとか上手く行きそうです。

 

そんな帯地を使ったモノづくりですが、なぜ始めたか?
というと。。。思い出すとこんなところです。


自分たちの作るものを少しでも身近にしたい、
折角の柄、帯だけでは勿体無い、
和柄の洋への挑戦、
帯とお揃いの小物への要望。
帯地が美しいから。などなど

 

ほぼ0からスタートして今では毎年そこそこの売上があり、
形にも定番ができたり、Webにも並べたりと、そこそこ順調です。

 

では、自分たちが帯を使い製作したものは何がウリなのか?
社内で打ち合わせをしている際に、話題になることがあります。

 

ちなみに、となみ織物でも昔から帯地を使ったバッグは作っていました。
(自分が会社に入った当時。)
これは思い出すのもイヤですが、どこにでもある草履バッグセットの生地を
ただうちの帯地を使っただけのものです。

なぜ、うちが作っているんだろう?というモノだったので、
残っていたものは全て倉庫に封印して、積極的な肥やしにしました。

 

そこから考えると、今製作している職人さんには、
長い間うちの帯地を裁断しては縫製して形にしてと、(失敗も経て)
こちらの生地の特性を掴まれています。

 

IMG_4504-1.jpg

 

昔は実際はどうだったのか、詳しくは分かりませんが、肥やしになった製品を見ていると、
何かが足りない様な感じを受けます。おそらくは、どこにでもあるバッグや草履の形に合わせて、
帯地を裁断⇒縫製したのかな?と感じます。

 

今では、時間が掛かりましたが、帯地が活きることを一番に形を決め、裁断し、
特性を掴んだ方に、縫製、製作してもらう。それが出来るようになってきました。

 

この辺りが一言で表し難いですが、うちの小物のウリだと思います。

 

先日唐長さんへお邪魔して、当主の口から数多く出てきた『美しさ』。それにも繋がるのかな。
簡単に使えそうな言葉ですが、『本物の』というベースがあって使える言葉ですので、
それに見合うモノをキッチリと職人さんと寄り添い合って、製作していきたいです。

 

一つの帯地でお太鼓を抜くように裁断するので数は取れず、沢山同じものは作りたくないので、
小ロット、もちろんコストに跳ね返りますが、それでも『美しい』と言われるものを作りたい
ですね。

 

Facebookでもバッグを時々よりは多くUPしています。

これからは、ある型の中の単なる柄違いと見るのではなくて、帯地と革やダックジュエルを使い、
コーディネートした意匠(作品は重いかな?)として、これからは紹介していきたいと思います。

 

 

今日はこの流れでバッグをFacebook上にUPしようと思っていましたが(昨日もバッグでしたし)、
小田巻きの新色が上がってきましたので、それと帯を合わせて登場させる予定です。

 

 

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2015年06月06日

今年もう少し作っておけば、と思ったもの。

帯を使って製作する小物には時間が掛かるものが多いです。

帯地もいつもあるわけではありませんので、帯から織るとなると、
確実にシーズンが終わってしまいます。

 

帯地があったとしても、仙福屋で扱っている小物の場合、ほとんどが
職人による手作業です。そのため、生地の裁断、縫製、製作を通ると、
すぐに出来るものというのは、ほとんどありません。

 

だから上がってきて小物を見て、もう少し作っておけば・・・。
と思うことも少なくないです。

 

この総紗縫の扇子はその上記通りでした。

 

DSC05455.jpg
【総紗縫の扇子】

 

今から製作して、なんとか真夏には間に合うかな。。。

悩む所です・・・。

2015年06月05日

美しさ満点の特別な草履

 

先月、アップしていた素材のホースヘアー。
草履として、上がってきました。

 

DSC05423.jpg
『ホースヘアー真綿入り草履』

 

本当に美しい草履です。

 

この素材もホースヘアーを染めた糸と共に織った、ある意味生地ですので、
帯が負けないように花緒もウンと気合を入れて、と思っていましたが、敢えて対抗せずあっさりと、
飽きが来ないようなシンプル花緒をまずは合わせてみました。

 

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『総紗縫の花緒とホースヘアー草履台(巻:ダックジュエル)』

 

花緒とのコーディネートはほとんど履かれる方の好みですので、
この草履に関しては花緒と台共に仲良く馴染んでくれればと考えています。

 

 

ホースヘアー地も品質はピンきりで、尻尾?の様にぴょんぴょん繊維が出た物等あります。
この生地はそういったことも殆ど無く、とても綺麗です。
(そのため、一旦織ったモノが無くなると、生地で3ヶ月待ちです・・・。)

 

後は職人さんに挿げで魂を入れてもらえば完成です。

DSC05394.jpg

 

 

花緒と草履台が挿げ回っていますので、明日には上がってくる予定です。
また、UPしますね。楽しみです。

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2015年05月31日

間に合った?

 

この衣替えギリギリのタイミングで、Celtic帯揚げが上がってきました。

 

シンプルが故にキズが出やすい帯揚げ、絽夏バージョンです。

 

帯や着物であれば、流通と仕立て期間も考えて、もう数ヶ月早く上げておかない
とダメですが、仙福屋の小物に関してはギリギリまで粘れます。
(冬に夏物を考えたり配色をしなくて良い。)

 

SDIM0208.jpg

 

やはりモノづくりをしていくためには、季節感大事です。

 

週初めくらいからは雑誌の打ち合わせ。次は早くも秋をイメージです。

このCeltic帯揚げとは違い、今の京都の気候が梅雨になり、湿度があがり、蒸し暑い時期。
それを超えるとだんだん気温も上がり、祇園祭。そこからガンと真夏の気温になって、お盆。

やっと涼しくなったかな?
と思った頃に発表するモノです(遠い!)。

 

今のところ、僅かな案しかありませんので、季節の移り変わりを想像しつつ、
想像だけで夏バテしないように、アイデアを膨らませていきます〜。

 

2015年05月30日

今年じゃなくて来年用の・・・。

籠バッグです。

 

SDIM0213.jpg

『南蛮七宝文様/椰子籠』

 

今日上がってきたので、
早速陳列してみたところ、夏の風を感じました。

 

写真のものは、襦袢地を使い製作。
その他にも、この籠用に織った上品綟組織のモノもあります。
ただ、製作数は大3つに小3つの計6個だけ。

評判や使い心地を聞いてから、来年どうするか考えようと思っています。
(出来上がりのモノは試作じゃないけど、試作のような商品です)

 

巾着袋を籠の中に入れるので、当たり前の様に袋に使う柄や織物を検討していました。

ただよく考えてみると、着物地や襦袢地はまだしも、帯地で巾着袋を使える贅沢。
また巾着袋にしても違和感を感じない裂地の軽さや厚み、外から言われて思い出す、
自社帯の優れたところです。

 

この辺り下手くそです。
もっと訴えてないと、といつも色んな人に同じことを言われています(苦笑)。

 

 

 

 

2015年05月29日

特殊台に合わせて

 

結構苦手なことの一つに花緒を合わせることがあります。
台と花緒の帯地だけ色を合わせるのであれば、そう難しくないですが、
柄にツボの色、裏側のビロード部分の色となってくると、時間かかります。

 

自分の私用草履は、南蛮七宝の花緒で無地的にシンプルに、とそんな逃げもできます。


が、陳列されるフラッグシップ的なモノ(今回は、となみ丸用です。)に関しては、
入念に、丁寧に(自分の時とは比べ物にならない)時間を掛け、
何百のモノ数の花緒からベストを探すようにしています。

 

しかも今回は特殊台。もう一つ考慮要素が増えました。

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『ツートン台』

 

 

花緒は悩みます。

-11206_17598963674_o (1).jpg

(台の白に負けないように、黒に銀色の箔引き箔を使った帯地・・・。)

 

 

ちなみに、南蛮七宝文様の花緒を使った際は、台天部分を挟む様にして、
オセロをイメージしました。

 

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たったこれだけでも時間かかりましたが、
まだ、この他にも色があります(笑)。

 

 

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2015年05月24日

となみ丸

 

昨日まで会社向かいのショールームで『夏単衣小物展』を行っていました。
(準備を少々お手伝いしました。入り口はこんな感じです。)

 

IMG_0010.jpg

 

元々ここは倉庫。
となみ本社は企業秘密がそこら中に広がっていて、なかなか入って頂けません。
ので、そのためのショールーム(出城となみ丸?)です。

 

このショールームでは基本的に帯や着物はコーディネート見本程度にしか置いていませんので、
小物を中心とした、他の出張組の参考・参照になるために、陳列のテスト舞台となっています。

 

 

自分の仕事スペースでもありますし、常に2〜3人のスタッフもいます。

打ちっぱなしの棚は可動式ですので、並べる商品、棚の位置、季節によっても
ゴロッと変えれば、気分も変えれて良い環境ですね。
(そういえば観葉植物に囲まれた環境より私好きです、と言われました。)

 

それでも何かのキッカケを作らないと、そうは変えれませんので、
数ヶ月に一回の時々は『〜展』を継続して実施していきますね。

 

個人的には『南蛮七宝文様』で埋めつくしたいです。
いかがでしょうね〜?

そう遠くないうちに誰も来なくてもやろうと画策中です。
今日は『楽しみにしていて下さい。』ではなくて、『楽しみにしています』です(笑)。

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