となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

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2015年07月10日

上がってきました〜!自分の夏着物。

仕立て屋さんには申し訳ないと思いながら、特急で仕立てをして頂いた
夏物が上がってきました(この日からなので・・・感謝感謝です。)。

 

L1890609.jpg
『南蛮七宝文様/三重紗(羽織)&紋紗(着物)』

 

紋紗は透け感がありますので、襦袢には先日洗濯の実験を行った、洗える(様になった)襦袢を入れます。
(もうこの襦袢を洗濯機に入れてから4ヶ月も経っていますね〜。)

 

L1890630.jpg

 

元々は女性物なので、裄が足りませんがそこは仕立てで足してもらっています。
袷の時も、この仕立てて何人かの男物南蛮七宝ファンが増えましたので、夏物バージョンでも
皆さんに見て頂きたいです。

 

この着物のデビューは日曜日。
暑いのもイヤですが(むりかな・・・)、雨は避けたいです。

 

今度はコーディネートの写真をUPしたいと思います。

 

 

 

この着物を見て、スタッフが連続して特急夏物仕立てをお願いしていた様です。
仕立て屋さん、ごめんなさいm(__)m

 

その分、頑張って着物ファン増やしてきます。

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2015年07月09日

OBI?

ただ今、開催中の『煌星の会』への協力をさせて頂いています。
 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/06/post-2175.html

 

帯地は結ぶもの、と自分たちの中では当然のことを異業種の方々が
どのように使われるか?興味もありました。

 

さすがに裁断されることは無いにしても、なにがあっても良いように、
心づもりして、帯地を出品しています(5本)。

着物の展示場へ出すと、いつもは帯地がメインの陳列になりますが、
今回は他の作家さんの引き立て役としての帯地。どちらかというと、
背景に近い役割です。

 

帯としての使い方が間違っている!とお叱りを受けるかと思っていましたが、
今のところ、好評を頂いている様ですので、安心しています。
(よく考えると、帯地のテーブルセンターもありますし。。。)

 

個人的には、となみブルーを使った作楽帯のコラボレーションが好きです。
(また、これは撮影に行ってきますね。)

 

DSC04871.jpg
『作楽/サマルカンド(となみブルーふんだんに使用帯)』

 

全く帯の使い方としては、正しくないですが、
作家さんの作品の横から、気がつく人にだけ、ちょっとした存在感を主張する帯。

そんなシチュエーションを想像するのも面白いので、これもまた機会があったら、
引き続き参加させて頂きたいです。

 

今月の末にまたお邪魔してきます。

 

 

2015年07月05日

試作をするのがモノづくりの基本です。

 

休みの前、夜遅くまで打ち合わせをしていました。
となみ帯に大きな可能性を感じて頂いる方からの熱烈な提案でしたので、
真剣に(珍しくそこからアルコールは進まず)話込み。

 

その話の中、申し訳無さそうに言われるのが『こんな試作ばかりで良いんですか?』
とか、『(超試作のものを見ながら)ここの始末はもう少しなんとかしないと。』
ということです。


他社も異業種もそうだと思いますが、メーカーは試行錯誤が仕事みたいなもの。
思われているよりも、数倍の試作の山の上に、製品ができています。

おそらくそれらを見せることも(もしかして見せたくない見栄かも(笑)?)、
あまり無いので、いきなり立派な完成品ができているように、思われているようです。

 

今回は、南蛮七宝のモノづくり、その中でも試作の特に多い、小物です。

 

 

スクリーンショット 2015-07-05 21.14.56.jpg
『南蛮七宝文様/懐紙入れ』

 


自分たちが行わなわなければ行けないのは、数多くを試すこと。しかも出来るだけ早く、
熱いうちに修正に修正を加え、意見を聞き、また試作を作ることです。

 

出来たと思っても、使ってみて判ること、使い倒して分かること、自分じゃなくて、
第三者に使って分かること、それを通じて、常に試し続けることです。

 

帯も図案の段階は、そういうものが少なくても意匠図作りからの試験織り、配色に
掛けては試作だらけです。

 

当然、コストは掛かりますが、そこをケチって、まあイイっか。とやってしまうと、
メーカーとしての拘りは、薄れていきます。どれだけやっても100%とは、ならないかも
しれませんが、そこに頑張って近づける、それがモノづくりです。

 

それだけやっても、気が付かない、自分たちの横をすり抜けてしまう事もありますが、
まあイイや、と言わず、徹底してやり尽くしていれば、そこから沢山学ぶこともあります。

 

そんな訳で作る過程での、メーカーとしての立場を、モノづくりの難しさを伝えながら、
今後良いものを一緒に作って行きたい、という話でまずは解散となりました。

 

話の中で出ていましたが、コストを掛けないモノづくりが世の中の中心だ、ということ。
それもよく分かりますが、それをしてしまえば、となみ織物の意味がありません。

今すぐの『売上』とか『利益』という甘い言葉には気をつけていきたいです(笑)。

 

2015年07月02日

明日の準備でバタバタ。

 

明日は朝から(もしかして)夕方までの、
ほぼ一日を写真撮影に費やす予定をしています。

 

場所は唐長さんですので、自分もカメラを持って行き、少しだけ立会い以外にも
参加させて頂きたいとおもっています(笑)。

 

大まかには決まっていますし、入れていける余地は無いかもしれません
(漠然とした話ですみません。)が、できるだけ色々なモノを持って行き、
良いモノができればと思っています。

 

初の試みばかりで、この時間からどうなるのか、ドキドキしています。

また明日報告しますね!

 

あと、もう少し宿題をして寝ます。

お休みなさい〜。

 

2015年07月01日

着物の撮影中に。

 

ちょうど4Fの展示場(本当は和室。いつのまにか展示場になっています。)の総入れ替え
だったこともあり、スペースも空いていたので、その合間を縫って着物の撮影を行いました。

 

DSC05918.jpg
【麹塵染/夏絽訪問着】

写真は試し撮りです。
新しい広角レンズを試す意味でも調度よかったです(笑)。

 

となみ織物で製作するものは、もちろんの帯をはじめ、着物、襦袢、小物などなどと『着物』全般に
渡るようになり、それも随分時間が経ちました。着物も初めは帯屋の着物と言われていました
(どちらかというとあまり良い意味ではない)が、社内に経験値も貯まったこともあり、今では他社には
作れない着物も出来るにようになり、今ではかなりの強みになっています。

 

ただ、着物に関してはCMをほとんどしていないこともあって、まだまだ知られていません。


ですので見せると驚かれます。

先日も、展示場に陳列していると『これってどこの着物。まだこんなの作れるんや。』と
驚かれていました。

 

3Fの展示場もありますので、帯では心づもりをされていますので、
着物に関しては、みなさん相当意表を突かれるそうです。

 

あくまで帯屋ですので、そこからのデザインは大切にしながら、となみ独自のモノづくりを
隅々まで広げていきたいです。

 

まだ新しいレンズを着物に向けながら、そう思いました。
それと着物に関しても、もう少しCMも行っていきますね.

 

 

21時頃にUP予定のFacebookには、若冲の訪問着が登場します。
デザインはもちろんのことながら、技法と色にも是非注目して下さい。
 ⇒
https://www.facebook.com/tonamiorimono?ref=hl


 

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2015年06月28日

ある作家さんとの・・・。

 

ある作家さんに依頼して作品を製作してもらっています。
当初は完全に一からお願いする予定でしたが、それは今作っている一つ目が終わってから。

初めのものは、原型があるモノに、こちらの要望や話をした印象を盛り込み製作を
してもらっています。

完成まで後5%、なので95%完成した所を見せて頂きました。
見ている人を幸せにする、そんな作品になっています。

 

DSC01945.jpg

 

この写真は、その拡大した一部です。
これを帯にしていきたいと考えていますが、以前も書いたように、全く帯にする意図はなく=図案でもなく、
製作して頂いていますので、完全にこのまま帯に出来るわけではありません。

 

そのため、作品をじっと観察して、雰囲気を汲んで作る必要があります。
小説が原型の映画の出来が、良い悪いある様に、完全に小説のストーリーをコピーしても、
それが良い(面白い)わけではなく、かなりの部分を端折っても、素晴らしい作品はあります。

 

それと帯作りも似たような感じです。
場合によっては、ある意味元の作品とは離れても、完全に似せようとしたモノより、出来が良い場合、
そんなこともありますので、作品の意図、表したい雰囲気、伝えたい気持ち等を汲んで、
やりたいです。

 

幸いなことに、詳細の写真がありますので、それを見ながら、意匠図がいつでも出来るように、
イメージを作っていきたいです。

 

作家さんの作る際の気持ちも沢山伺いましたので、それをそのまま帯に持ってこれるように、
手を止めず意匠づくりは素早く掛かって、詰めて完成に持って行きたいと思っています。

 

いつもと違った『帯』となります。
楽しみにしていて下さい〜。

 

2015年06月26日

刺激もらってます。

 

2日連続半日の打ち合わせ。
毎日、異なる業界の方ですので、視点が違って面白いです。

 

その方々は帯を『帯』と見ていない、ところからのご意見です。
自分の中でも帯を違った角度から見ているつもりでしたが、この2日間に関しては
思わず『それはムリなんじゃ・・・。』と頭のなかに思い浮かべることが、何度も・・・。

 

あくまで機屋なので帯ありきですが、モノづくりの中にはどこか冷めた目で
見ないと、次のステップに進むモノづくりはできないものです。
その意味でも、これらの打ち合わせはとても面白いです。

 

ちなみに、図案家さんも人によっては(師匠の一人ですが。。。)、
『帯のことは巾以外、知らんし、気にしたらアカン。』とそんなことを
いつも言われていました。

 

図案家が『帯、帯、帯。』と考えてそれが織り易く絵を書くと、小さくなってしまう。
そんなことばっかり考えてしまったら、モノづくりも結果小さくなって、
機屋さんは面白いものできひん用になるし、ちょっと位、困らせたらいいんや(笑)。
と何十回と聞いてきました(苦笑)。

確かに上がってくる図案は、その度に相当困っていましたが、
新しい技法や工夫をするキッカケになっているので、
この先生の仰ったとおり感謝しかありません。(やっと言えるようになりました(笑)。)

 

 

来月いっぱいまでは、この異業種の方々に挟まれた状態が常時続いていきますので、
『あそこは帯屋さんやし、これはむりやろなぁ』とか、
図案だったら『この図案は向かんやろうし、やめとこ。』と、ならないように、
頑張ってキャッチしていきたいです!

 

それと、頭がパンクしないうちに、モノづくりでアウトプットもして
行きますね〜。

 

2015年06月25日

本物の空気感を頂いてきました。

 

今日は半日とちょっと唐長さんにお邪魔していました。
打ち合わせの都合上、帯を持って行きましたが、唐長さんの唐紙の空間の中に
帯を置くと、スーッと馴染む。これがあまりに面白くて、自分のところの帯なのに、
その馴染み具合に見惚れました。

 

改めて何かを合わせる、何かに合わせる、空間の空気を作るのに、
唐紙の柄、色、雰囲気はホントに最適じゃないか、と思いました。

南蛮七宝の着物もそうですが、改めて納得する凄さを感じます。

 

何度もお邪魔している唐長さんですが、いつも好きななのは、端っことか、角とか、
裏です。今日はカメラを持って行きましたので、そんな場所に入り込んで、撮らせて
頂きました。

DSC05733.jpg

 

なにが良いのか?自分でもよく分かりませんが、時々光と影の間を見ていると、
ゾクッとする瞬間があります。もちろん、唐紙を正面から見ていても、美しいのには
間違いありませんが、この陰影を感じる瞬間がホント、イイです。

 

DSC05723.jpg

 

言葉ではむずかしいですが(笑)。

 

この感覚は、いつかは分かりません、どこに活きるかも分かりませんが、
なにか間違いなく、自分のモノづくりの中に加わっていそうです。

 

また、来週お邪魔しますので、今から楽しみです。

 

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2015年06月22日

続行中の本袋モノづくり

 

今まで色々と寄り道をしていました。
やっと本袋の話ができます。

いま、現在3柄を進めています。
二柄が『雪佳本袋』。一つは『作楽本袋』です。

雪佳本袋の2柄は図案にて間取ってしまい、先週に図案が出来て、
いまは意匠図を作成しています。ただ、細部にしばらく時間が掛かりそうです。

これらは進み次第、順次紹介しますね。


 

自分の本袋モノづくり、一柄目は、秘錦のこの柄のリメイクです。
 

L1870237.jpg
『秘錦』⇒『本袋作楽』へ

 

いまは紋彫り中ですので、そろそろ配色を決めて行くところです。

 

裏地もこの時の七宝柄をそのまま活かし・・・、

 

L1870240.jpg

 

と、今のところ順調です。

今後の自分の中での本袋モノづくりの基準となるところです。
丁寧にモノづくりしていきたいです。

 

 

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2015年06月19日

ひそませる色

 

唐長文様のモノ作り。
新しい文様は帯地で順調に進んでいますが、ベースとなるのはやはり南蛮七宝。
 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/06/post-2156.html(参照、輪宝文様)

一度完成させた織や技法を後に他の柄へ応用を効かせることは、
その柄特有の問題(大きさや雰囲気作り)を除けば、そんなに難しくありません。

ですので、今は良いと思うことを南蛮七宝文様で、試行錯誤、繰り返しやっています。

 

今回、目指すモノづくりは、生地に色を潜ませること。

唐長さんが良くお話され印象に残る『色』は、シックや渋く見えてもきれいな色を潜ませることで、
はんなりとさせることができる。簡単そうで深い言葉です。

糸と染めでどこまでの表現が出来るのか、わかりませんし、自分なりの勝手な解釈になることも
ありますが、まずは『あ、これか。』と自分のお腹の中に落ちるまでは試行錯誤の連続です。

じつは、昔にほぼ同じ目標でモノづくりへ取り掛かりましたが、少々中途半端に終わりました。
失敗とは言えず成功の部類に入るとはおもいますが、落ちる所まで行っていませんでした。

文字で書くとこんな感じです。
白生地には白(もしくは生成り)が潜んできます。ただ、染めて色を乗せても、
見慣れているせいか、その白は目には入ってきません。

以前の時は、敢えて生地に白色を潜ませようと、
生成りではなく、白に染めた糸を使った先染め御召を使い、白を潜ませようと染めてみました。

結果、奥行きを感じる、とても良い雰囲気を持った反物になりましたが、
狙っていた目標までのホンの僅かに届かなかった、勿体無さも感じていました。

 

失敗というよりも成功だったので、それ以上直すところも見つからず、それはそれで。
だったのですが、今回はある所からヒントをもらい、ベースに使う御召を変更。

色は、『白⇒萌黄色』です。
 ※春先に芽吹く若葉の様な明るい黄緑です。

 

SDIM0026.jpg

 

経も少し変えて、上から引く染料に馴染みきらないように、工夫もしています。

 

ちなみに、引き染めで上から引く色は『少しひねたグレー』。

最終の目指す所は、正面から見ると、ひねたグレーが、ふとした拍子に、もしくは光の加減で、
底から萌黄が浮いてきて、薄い地色の着物を着ているような透明感、きれいさを感じることが出来る。

そんなイメージです(文字は難しいですね〜(苦笑)細かい話ではなく、清々しい綺麗さを感じるけれども、
見た方はそれがどこから来ているのか不思議に感じる。そんなイメージです。)

 

 

そして、完成した染め上がりはこんな感じ。
写真でその萌黄を出そうと色々してみたので、upしておきます。

DSC05580.jpg

 

DSC05563.jpg

 

DSC05588.jpg

 

この手法ではまだ数反程度の経験しかありません。
まずは一つ目の『おっ』と思えた、成功作です。

今後は、どんな底の色に、どんな色を掛けるのが、きれいなのか?
まだまだこれから試行錯誤して、その感覚を磨いていきたいです。

 

 

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