2017年6月 7日 12:40
予定していなかった配色で試験/アネモネノクモ(しぼ織)
花の『アネモネ』をモチーフに舟田さんに制作して頂いた『アネモネノクモ』←クモは雲からです、おそらく。先日、ちょこっと空いた時間を使って、うちの常務とそのブランド『一楽』の着物とをコーディネートしたところ、通り掛かる人からも『かわいいなぁ〜。』『もう数歳若かったら・・・』『私に似合うわね?』などなど、沢山の視線と感想を頂けましたので、すぐに片付けず、しばらくこのままにしておいたほど(分かりにくい表現ですね)、評判の良かった帯です(笑)。
どんな織物でも写真で忠実に表現することは、(プロが撮る広告の写真でもそうです)難しいのですが、なかでも、この『しぼ織』は、色に加えて、質感もあって非常に出しにくいです。この柄に関しては、さらに織りのボリューム感と色だけで勝負しているようなモノなので、特に。そんなこんなで写真は、毎回試行錯誤しながら撮っています。だから、まだしぼ織、未体験の方には、この独特の風合いを触れてもらいながら、しぼを感じてもらいたいと、いつも思っています。
ちなみに、この写真の帯を織るときの経糸は『白色』のモノを使っています。そして、今機に掛かっている経糸の色は『濃いグレー』です。そのため、しばらくは、『白色』が織れませんので、『濃いグレー』を使って、試しに試験織を織ったのが下の目出しです。
元々、この紋では濃い色を織るつもりがなかったので、白のための設計をしています。たとえば、花の部分の色箔を上手く利用して、それを地の色に使えるようにしたり。具体的には、花のグリーン箔を地の底から透けるようにして、地色を白ではなくて、淡い薄いグリーンになるようにしてみたり。
ですので、想定していない『濃いグレー』の経糸で織ると・・・。こうなります。
これはこれで面白いと思いますが、思った以上に下から花の色が見えます。ちょっとキツイ色目になって、そもそものイメージとは離れてしまいますので、もう少し色の組み合わせは考えれば、濃い地色のモノも形になるかもしれない。試験の結果としては、そんな感じです。この地部分は、この柄ではなくて、次のモノづくりに役に立つこともあります。
ちなみに、この帯地では『ふわふわバッグ』も制作しているので、バッグ生地としても活躍しています。
柄作り、素材検討、配色変え、小物としての利用等々、結構ワクワクする好きな織物の一つです。
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