2017年9月 1日 20:17

納品前『南蛮七宝に双葉葵』の名古屋帯

お客さんに納品前の『南蛮七宝に双葉葵』。
唐長さんの文様です。

織は紹巴、緯糸(緯糸)に紬糸を通した織物です。
規格としては八寸名古屋帯、ですが寸法を合わせて、それに裏地を付けて、
ちょっと特別な袋帯として仕立てました。

IMG_2421.jpg
『紹巴織+紬/八寸名古屋/唐長文様 南蛮七宝に双葉葵』

通常、袋帯と違って八寸には裏地は要りません。
そのため、袋帯にするために無地をたいていの場合は付けますが、
今回はさらに特別バージョンとして、裏地には『輪宝七宝つなぎ』を選んでみました。

南蛮七宝の白に映るグリーンが綺麗です。仕立上がった後、
裏をチラッと見てみると、こんな感じです。

IMG_2424.jpg
『特別バージョンの裏地』

いつも思うことなのですが、丸巻きで見るのと、
表地と裏地を合わせた仮仕立ての状態で見るのとでは、雰囲気は変わります。
ここから帯芯を入れて、本仕立てをすると、さらにもう一段変わってきます。

紬糸を通した時が特に顕著ですが、袋帯全体がフワッと立体感を帯びます。
おそらくこのフワッとを数字的に表しても数値としては、ほんのほんの僅かな程度ですが、
紬の節が裏から帯芯に押されることで、立つ。

そのため、奥行き、織の目に陰影ができ、『ああ、良い帯だなぁ〜。』と。

例に漏れず、この帯もそうなってくれました。
この瞬間が機屋として嬉しい一瞬です。

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