2018年1月19日 20:56

今日は帯のベース部分を作っていました。


帯作りを外から見ると、華やかで素敵(もちろん帯によりますが 笑)。
そんなイメージを持たれる方が多いです。

帯を作る場合、簡単にイメージでいうと、
ベースの『地部分』に柄を作る糸が上に乗って色や柄を表現していきます。

そのベースは色を変えると地色が変わり、紗などで織ると季節が作れる。
かなり大切な部分ではあっても、結構普段気づかれにくい所でもあります。

モノづくりだと、『じゃ、総紗縫でこの柄を作ろう。』といった様に、
あることが前提で進むことが多いです。

ま、それはそれで完成度が高い、
とも言えることなので良いことではあるのですが、何年もそこに浸かっていると、
本当に新しいモノを考える力がだんだんと衰えていきます。

そうならないように、どれだけ満足している織物があっても、
色々と手を加えてみる。これがメーカーにとって大事な意識の持ち方だと思います。

今回、取り組んでいるのは『刺繍するための下地』作りです。
今は、『紗楽』という『総紗縫』に紬を+した生地が非常に使いやすく、これ以上無い。
と思っていますが、上の通り、それではいけませんので、やはりチャレンジです。

そこで試験で織ってみたのが、『上品綟』に紬糸。
総紗縫に紬と似ているので、あまり独創性は無いのですが、取り敢えず織ってみる。
と、やはり面白くない(笑)、予想通りの内に収まってしまいました。

そして、そこから工夫をしているのが、今。
紬糸を通しつつ、さらに糸種を変え、現状よりも太くした糸を通して織りました。

それがこれ。。。

IMG_1065.jpg
『上品綟+紬+α』

透け感はいい感じに失われ、重さも少し増し(苦笑)、
刺繍に負けない様な雰囲気が少し出てきています。

軽ければ良い帯もありますが、今作っているのは、無地でも迫力が出る、
上に乗る柄に勝ってはダメだけれども、引き立てる下地。
そんなところを目指しています。

ベースをある程度(7割くらい)できれば、ここに地紋を作って入れる。
そうすることで、また雰囲気も変わっていきますので、もしかしたら、上の写真が
次の刺繍を施すモノづくりの主流になるかもしれない。
そんな期待を持ちながら、モノづくりのブラッシュアップしていきます。

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