2020年11月10日 12:55

生地見本取り、新しい綴じの検討

ただいま、進めているモノづくりは、雀形七宝の御召。裂地見本を取りながら、『これ』とか『ここ』を感じる、点探をしています。

織物は経糸と緯糸(横糸)で織り、表現していきます。その緯糸に通す色糸を変えれば、当然織り上がる反物の色が変わります。 それ以外に同じ色糸でも、織物の綴じ方一つで、仕上がりの雰囲気が大きく変わります。

たとえば・・・

IMG_0124.jpeg
(A:綴じを綾目に)

雀形七宝柄部分を綾(よく見ると斜めに織り目が見える)で綴じると、地と柄部分に差異を付けることができ、ボリュームを表現できる(写真A)。

もう一つのパターンは、地と柄の綴じを近づけると、差異は少なくなり、平面に近くなる(写真B)。

IMG_0127.jpeg
(B:柄と地の綴じを近づける)

全体の印象をサラッと見せることができます。ここから、もう一歩進み、綴じを地と全く同じ様にもできますが、今度は平面過ぎて織物の面白さは・・・?もし、そうなった場合でも、今度は配色に効き色をつかって魅せることができるかもしれません(ボリュームを持たせた綴じのまま、配色が効き色だと強すぎるかもしれない・・・)。と、次の試験への課題も出てきます。

こんな風に、柄と色のバランス、そこに織りを混在させて、(織りの着物の場合)一反を作り上げていきます。もちろん、上記のパターンだけでなく、綴じ方自体を新しく考案することもできます。シンプルな文様といっても、決して、柄と色を決めて終わり。ではなく、様々な要素・バランスを加味して、モノづくりをしていきます。

また、時間を掛けたから良いものが出来上がるわけではないのも、面白いところです。

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