2021年5月10日 12:30

総紗縫 南蛮七宝文様/刺繍下

帯には様々な織組織があって、それぞれの特徴をもっています。

図案やデザインによって、それを使い分け、消去法的にこの織り方でないと織れない。
そんな選び方のときもありますが、ほとんどはこの織組織でこのデザインを織りたい、
と積極的な理由で織組織を選び、モノづくりをしていきます。

普通のデザインの場合、1、2つぐらいの織組織が当てはまり、他は難しい。となります。
が、この南蛮七宝文様に関しては、ほとんど思いつく限りの織組織で帯にしています。

書いていて、ぱっと出てくるだけでも、
紹巴織から始まり、総紗縫、紗楽、千寿錦、雲龍錦、上品綟・・・。

織物それぞれの特徴が、文様と合わさることで、四方八方に広がる。
不思議な魅力をつくるたびに感じています。

また、総紗縫・紗楽はその織組織の中でも、なんども製織してきました。
『商品』として完成したあとも、さらに試験を繰り返し、色の見え方、透け感、用途を拡げています。

今回は、刺繍下にするため(これも1度完成させていますが・・・)に、糸の使い方を変更。
糸を2本通すところを3本に、色の使い分けを分岐したり、経糸からすると入れない色を入れてみる。
そんな試験をしています。

IMG_2877.jpeg
(試験織)

一旦完成しているため、目標は『完成』ではないです。
そのため、目標の置き所が、自分の納得できるまで。
(これも一旦は納得しているので、目標しては微妙ですが・・・。)


総紗縫の南蛮七宝モノづくりをガラガラと崩して、0スタートにする。
そして、もう一度積み上げた時に、今ある総紗縫と同じところに立てるのか?
イメージとしては、そんな感じのモノづくりになっています。

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